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なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。  作者: 鞘月 帆蝶
第1章 なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。
43/152

第43話 なぜだか、お隣さんとバイトをすることになる。

     ◇◇◇◇◇



「ふぅ。やっと全部終わった……」

「意外にかかったよね」


 かおりが座布団から腰を上げて、俺のベットにうつ伏せで倒れこむ。


 夏休みもそろそろ折り返し地点が見えてきて、ようやく課題がすべて終わったのだ。


「もっとぱぱっと終わらせるつもりだったのに……」

「まあ、途中でマンガ読んだりゲームしたり映画見たりしてたしね」

「なんか最近、そうくんの家でだらだらしてばっかだ」


 藤宮家といったキャンプから一週間。あれからかおりは毎日のようにうちに通い、俺と一緒に課題を少しずつ片付けた。


 本当なら最初の二、三日も掛からずに終わる予定だったのに、事あるごとにかおりが他のことに気を取られるものだからだいぶ長引いてしまった。


 まあ、俺もなんだかんだ言って楽しんでいたから、文句は言えないのだが。


「でもほら、一緒に宿題をやるっていうのもなかなか青春っぽくない?」

「いつもやってるじゃん。それに、それも今日で終わりだし」


 確かに、このままではかおりが家に来る口実ももうなくなってしまう。


 せっかく課題を早くに終わらせたのに残りの夏休みは家で一人でだらだらと過ごすのでは、いつもと変わらない。


「じゃあどこか行くか? 金欠だからそんなに遠くは無理だけど」

「遊びに行くようなところがないじゃん……」

「それもそうか」


 山梨唯一の遊べるような場所はと言えば遊園地くらいだが、うちからはかなり距離もあるし入園料も馬鹿にならない。


 都会に自慢できるようなところは自然があふれていることくらいだし、でもキャンプには先週行ってしまったし。


「そうだ。そうくん、一緒にバイトでもする?」


 名案、とばかりにかおりが発言する。


「ウチの高校、アルバイト禁止なんだけど」

「知り合いのところとかならバレないでしょ。冬休みも春休みも、来年の夏休みだってまたどこかに旅行とか行きたいしさ!」

「俺ら来年はもう受験生だぞ……?」

「でも……」


 どうしてもバイトがしたいのか、かおりはなかなか引き下がらない。


「じゃあ、もし知り合いで一日か二日くらいの短期のバイトが見つかったらやろうよ。見つからなかったら今回は運がなかったということで。そろそろお盆もあるしさ」

「……分かったよ」


 かおりは不満そうにしながらも俺の提案に妥協した。


「――えっ、また海か……」


 数日後、母さんの知り合いから二日間の短期バイトで来てくれないかとの話があったが、その就業先は熱海の海の家だった。


 かおりに話してやると、大喜びだった。


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