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なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。  作者: 鞘月 帆蝶
第1章 なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。
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第41話 なぜだかお隣さんとキャンプに行く。(1)

     ◇◇◇◇◇



『ねぇそうくん、明日と明後日って予定ある?』


 かおりからそんなメッセージが送られてきたのは、昨日の夕方のことだった。


『特に予定はないけどなんで?』

『明日から家族でキャンプに行くんだけど、お母さんが「奏太くんも誘ってみれば?」って』

『でも家族水入らずの中に入るのはさすがに悪いよ』

『いいからいいから。遠慮するなってお父さんも言ってるよ!』


 押し切られるような形で藤宮家のキャンプに同行することが決まり、俺は急いで準備をした。


「坊主、かおりと薪を集めてきてくれるか? できるだけ乾いたやつがいい」

「分かりました」


 県内のキャンプ場に着くなり、かおりの父さんはテントを準備し始める。


 中で四、五人は優に寝られそうな、本格的なキャンプ用の大型テントだ。


「そうくん、行こ」

「あぁ」


 すぐ近くの森林に入り、落ちている乾いた枯れ木を探す。


「やっぱりこっちの方は涼しいね」

「そうは言ってもキャンプをするには暑すぎると思うけど」


 いつの間にやらかおりはクワガタやカブトムシを見つけるのに夢中になってしまったので、俺は一人で薪になりそうな木を束にして抱えた。


「かおり、そろそろ戻るよー」

「はーい!」


 クワガタを捕まえて俺の後ろをついてくる彼女から逃げるように、俺は早足になる。


 そんな俺を面白がってかかおりも徐々にスピードを上げて、テントに戻るころには二人して息を切らしていた。


「ああは、そうくんは昔から虫が苦手だよね」

「いや、まじで虫持って追いかけてくるのやめてくれって」


 もしかしたら俺がかおりのことを思い出せないのは、小さい頃に虫を持った彼女に追いかけまわされたりしたトラウマが原因だとか、そういうんじゃないだろうか。


 けっこう本気でそんなことを考えてしまった。


「おっ、坊主。たくさん取ってきたな。そこに置いといてくれ。夕飯まで時間もあるし、ちょっと川で遊んできてもいいぞ」

「了解です」

「じゃあ行ってきまーす」


 まだかおりはクワガタを持ち続けているので、彼女を先頭にして水辺へと向かう。


「そうくん、警戒しすぎだよ」

「俺の本能がかおりに近づくなって言ってる」

「むぅ……」


 いや、不満そうな顔をする前にその手に持った昆虫をどこかに放してきてくれよ……。


 かおりは川の近くの岩場にクワガタを置いて、ゆっくりと水の中に足をつけた。


「あっ、カニがいる! ほらそうくん! けっこう大きいよ!」


 岩の陰にサワガニを見つけて、かおりは瞳を輝かせる。


 さっきまでクワガタにご執心だったのがウソのようだ。


「……かおりってもしかして、浮気性?」


 恐るおそる、俺は口に出した。


「ちょっとそれどういうこと! こう見えて私、けっこう一途なんだからね!」


 プンスカと地団太を踏んだかおりは、水も滴る可愛い女の子だった。


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