表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/152

第5話 それから、進路を考える。

最近更新がなかなかできずすみません。現在勉強の追い込み時期なので気長に待っていただけると幸いですm(__)m


               ◇◇◇◇◇


 帰宅して五時前でそこから夕飯前まで二時間勉強。そのあと夕飯と食休み、風呂を済ませて九時からまた三時間。

 目一杯時間を使ったつもりでも、家で勉強出来るのはせいぜい一日五時間ってとこだ。


 前に聞いたところによると佐藤はほぼ毎回のように一桁順位に入っているらしく、選挙期間ともろに被っていた前回の期末試験でもそれは変わらなかったのでむこうが失敗してくれる線は薄い。ちなみに期末試験での俺の学年順位は、二百八十人中七十四位。かおりでも二十八位だ。


 そもそも、佐藤の所属する四組は文系クラス、対する俺たち二組は理系クラスだ。定期試験は例年理系教科の方が平均点が低く、ただ単に合計点だけの勝負には圧倒的に不利なんだ。


「疲れた……」

「茜、いよいよ明日が本番だね」

「うん。上手くいくといいよね!」


 日付がちょうど変わって、腕を大きく上に伸ばしながら後ろへ寝転がったかおりが俺の言葉に答えた。


 身近に受験生はいるとそれだけで身が引き締まる。来年には俺たちもせっせと受験対策に励んでいることが簡単に想像できる。


「……人の心配してる場合でもないか」

「確かに。っていうか、私よりそうくんの方がやばいんじゃないの?」

「それを言ったら、そもそもかおりが佐藤の口車に乗せられてあんな勝負受けちゃうから」

「それは言わない約束でしょ!」

「いや、そのセリフはもっと心温まるような場面で使って⁉」


 言っておくけど、俺はもともとちゃんと対策さえすればある程度できるタイプなんだよ? ただ前回はその時間がなかったってだけで、学年でトップレベルの点数を取れとかそういう無理っぽいことを言われなければそれなりにやってそれなりの結果は出せる子なんだよ?


「はいはい。それよりさ、テスト終わったらすぐに三者面談もあるよね。そうくんは進路とかもう決めてるの?」

「まあ……一応は」


 今まで進路の話なんてしたこともなかったけれど、そういえばかおりはどうするんだろう。高校で付き合うようになったカップルがそれぞれ違う大学へ進学して、遠距離になって別れてしまうなんてのもよく聞く気がする。気になる。


「かおりは?」

「えっ? そうくんは?」


 質問に質問で返すなとでも言いたげなかおりが、さらに質問を繰り出した。


「……普通に地元の国公立だけど」

「ふーん。そっか……」

「かおりは?」


 なかなか自分のことを話さそうとしないかおりを急かすと、「そんなに知りたいの?」と俺をからかいながら、彼女はにこっと笑う。


 そして。



「じゃあ私も、そうくんと同じ!」



 ……あざとい。あざといけど、好きな子のあざといところとか俺の目にはプラスにしか映らない。


「ま、まあ? かおりがそんなに俺と同じ大学に行きたいって言うなら一緒に頑張るか」

「なに言ってるの? 一緒の大学に行きたいのはそうくんの方でしょ!」


 きっと今、鏡を見たら、さぞかし気持ちの悪いにやけ面を浮かべているんだろう。


 だけどこんな二人だけの時間が来年も再来年も続いてほしいと、そう思った。

気に入って頂けたら、↓からブックマーク&☆評価をしていただけると励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ