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なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。  作者: 鞘月 帆蝶
第3章 そして彼女は想いを伝える。
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第41話 そしてようやく、想いを告げる。(2)(小春side)

     ◇◇◇◇◇



「――私、水瀬くんのことがずっと前から好きだったの」



 言った。ようやく、伝えられた。伝えてしまった。


 あの日から変わろうと決心して、この一月頑張ってきたそのゴールまで、来てしまった。


 あのころと比べたら、今の私は全くの別人といってもいいほどに変われたと思う。それは鏡を見るだけでなんとなく自分でも感じられるし、なにより前に比べて、いろんなことに自信を持てるようになった。


 これも全部、水瀬くんのおかげだ。


「ごめんね。こんなこと言っても迷惑にしかならないってことは分かってるんだけど」

「迷惑なんかじゃないよ。気持ちはすごい嬉しい。ありがとう」


 ただ、一月前の私はここまでやることをやってそれで振られたら、自分の中でも諦めがつくとも思っていた。


 でもいざ今になってみるとそんなことは全然なくて、断られるってわかっていたってむしろそれを覆して、藤宮さん以上に魅力的な女の子になってやろうとすら思えてしまう。



「――佐藤」



 名前を呼んできっと私を見つめた水瀬くんに、思わず肩が跳ねた。


 今から私は、大好きな人に振られるんだ。そんなことは分かっている。


 それでもこれは、私が前に進むために必要なことで、こうなることなんてあの日から分かっていたことで。



「水瀬くん」

「え?」



 気づけば私は、彼の名前を口に出していた。


 こんなことは予定になかった。素直に告白して、想いだけ伝えられたら、それできっぱり諦められるんだと、諦めるんだと思っていた。



 けど――。



「返事はいらないよ。これは、宣戦布告だから」

「え?」


 分かってる。こんなの、私のキャラじゃない。


 私はもっとおとなしい感じで、気遣いと言えば聞こえはいいけど、他人の顔色を窺ってばかりいるような、そういう人間だ。


 でも、私はあの日、変わりたいと、変わろうと願ったんじゃないか。だったらどこまでも泥臭く足掻いてやろうじゃないか。



「私は水瀬くんのことがずっと好きだったし、それは水瀬くんに彼女ができても、例え振られたって変わらない。これからだってずっと」



 胸が熱い。今まで我慢していたものが溢れてくるような、不思議な感覚だ。



「だから――」



 だから。



「私は水瀬くんのこと、諦めないから」



 迷惑にしかならないだなんて、分かってる。水瀬くんを困らせることになるのだって、目に見えてる。



 だけど、これは宣戦布告だ。



 私が本当に変わるための、好きな人と結ばれるための、人生で初めての自分勝手な告白だ。


 これはからは自分のために行動して、望んだ結果をもぎ取って見せる。まずは、本当の第一歩を踏み出すところからだ。



「覚悟しといてよね、奏太くん!」



 私史上一番の笑顔を浮かべて、私は彼にそう言った。



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