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なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。  作者: 鞘月 帆蝶
第3章 そして彼女は想いを伝える。
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第16話 そして俺はため息を漏らす。

更新遅れましたm(__)m

     ◇◇◇◇◇



「で、話ってなんだよ、本田」


 週末前、金曜日。

 今日は本田に頼まれて、生徒会室に集まっている。


「先週相談させてもらった件についてなんだけど……」

「彼女さんとはその後、上手くいったの?」


 机を挟んで三対一になるように向かいに座りながら、佐藤がいきなり本題に切り込んだ。


「うん。なんて言うか本当に、俺の考えすぎだったというか、でも一回ちゃんと話してみてそれはそれで良かったというか」


 本田は照れ臭そうに頭を掻きながら、昨日までに起こったことを順を追って話し始める。



 俺たちに相談した次の日に、思い切って自分の思っていることをすべて伝えたこと。具体的には一緒にいられるだけで心から幸せで、だけどそれに甘えて自分からどこかへ行こうだとか意見を出さなかったのは悪かったと、謝ったらしい。

 他にもなにか気になることとか不満に思うようなことがあったら、遠慮せずに言ってほしいと。


 ただ事実を話しているだけではあるんだろうけど、俺たちからしたらただひたすらに惚気話を聞かされているようなもので、正直言ってけっこうな長話に感じた。


 で、彼女さんも本田の告白を聞いて、「ぜんぜん不満なんてないし、今のままでいいよ」と、言ってくれたらしく、それで一件落着かと思いきや。



『でも、ごめんね。もうしばらくの間は、あんまり会えないかも』



 そんなことを最後の最後に言われてしまったらしい。


 理由を聞いても答えてくれないし、その『もうしばらくの間』が終わるまでは待つしかないのかと、考えている間に昨日になって――。


 昨日の夕方、『ハッピーバースデー』の言葉とともにずっと欲しがっていたお高いスニーカーをプレゼントしてもらったと。


 その贈り物のために彼女は最近、アルバイトをしていたのだと、そういう理由でなかなか会えなかったと、そういうことだったらしい。


「いやぁ、俺もすっかり忘れてたけど、昨日が俺の誕生日でさぁ」

「「「…………」」」


 まあ結局、最初から何ひとつ俺たちが心配するようなことなんてなくて、すべて本田の杞憂だった。


 ……ただの惚気話だった。やっぱりこいつ、惚気話をしにに来ただけじゃねぇかこの野郎!


「……じゃあ、お返しも忘れないようにしないとね。彼女さんの誕生日は知ってるの?」

「あ、うん。確か、十一月の三日……」


 気を利かせた佐藤の言葉に答えて、本田は固まる。


「えっと、準備はしたのかな? 私たち、十一月の一日――来週の火曜日から修学旅行だけど……」

「……」

「今日入れてあと四日しかないけど……」

「…………」


 優しい口調なのに、本田は佐藤に追い詰められているかのように黙り込んだ。


 いや、もうちょっと早めに考えとけよ! なんでここまで彼女ラブなくせに、こんなにおバカなんだよ!


「……あの、生徒会でプレゼント選びを手伝ってもらったりっていうのは」


 ぼそっと、死にかけの子犬みたいな目で本田が見つめてくる。


 チラッ、チラッ、と左右の女子二人からもどうするのかと視線が送られてくる。


 ………………。


「あぁもう! わかったよ。同じクラスのよしみだしな」

「おぉ! サンキュー水瀬! マジありがとう! 二人も!」


 ほんと、何をやっているんだろう、俺たちは。こんなことにいちいち付き合っていたら、堪ったもんじゃないぞまったく。


「そうと決まったら早速、今から駅でちょっと探してみる?」

「あ、悪い。今日はこれから美紅みくと帰る約束が……」

「…………」


 いや、彼女さんからしたら散々会うのを我慢してバイトしてたんだろうし、その気持ちも分かるけれども!


「間が悪すぎだろ! じゃあ明日か明後日ならどうだ?」

「二日ともデートする予定が……」

「なんとかしろ! そのどっちかじゃなきゃ付き合わんからな。予定が決まったら連絡するように!」

「うぅ……」


 そんなつぶらな瞳っぽくしてもダメなもんはダメです! っていうかそれ気持ち悪いからやめろ!


「かおりと佐藤も土日、大丈夫?」

「うん」

「私も大丈夫だよ」

「じゃあ、そういうことで。帰るよ、二人とも」


 バカ田を一人残して、俺たちは生徒会室から出る。



「水瀬くん、そういえば生徒会室の鍵、しめないと……」

「あっ、そうか……。俺、ちょっとしめてくるから先行ってて」


 下駄箱に着いたところで気が付いて、自分の間抜けさにため息が漏れた夕方だった。


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