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なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。  作者: 鞘月 帆蝶
第3章 そして彼女は想いを伝える。
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第3話 そして彼女は副会長になった。

少し早いですが、夜に用事があるので更新します。

     ◇◇◇◇◇



「俺は生徒会の引継ぎがあるけど、かおりも来る? まだかおりは生徒会ってわけでもないし、用があるんだったら来なくてもぜんぜん大丈夫だけど」

「行くよ! 佐藤さんと二人になんてさせられないからね!」

「いや、他にも生徒会のメンバーいるんだけど……」


 掃除も終えてようやく放課後になり、いまだに佐藤が俺のことを好きだと思っているかおりにため息が漏れた。


「それはそうだけど! 昼休みだって、わざわざそうくんに会いに来てたじゃん。私をほったらかしにして長話しちゃってさ!」

「だから、あれは生徒会の引継ぎの資料を渡しに来てくれただけなんだって」

「むぅ……」


 不満そうに唇を尖らせる彼女と教室を出て、生徒会室へと向かう。軽くノックを三回して、俺たちは生徒会室に入った。


「水瀬くん、今日はこっちにお願い」

「あ、うん」

「むむ……」


 佐藤に言われて俺が彼女の隣に腰かけると、かおりがまた分かりやすく顔をしかめる。


「藤宮さんは水瀬くんの隣に座ってね」


 こくり、とかおりは佐藤の言葉に黙って頷いて、俺の隣の椅子を引いた。


「――それじゃあ、全員揃ったみたいなので始めます。まずは改めまして、先日の選挙で生徒会長を務めることになりました、佐藤小春です。これから一年間、よろしくお願いします」


 しばらくするとメンバーも全員が揃って、佐藤が取り仕切り話が始まった。昨日までの彼女からでは想像できないほど、ハキハキと堂々としている。


 何人かの男子なんてあまりのイメチェンぶりに、すっかり佐藤に見惚れてしまっているくらいだ。でも今の彼女なら、彼らの気持ちにも頷ける。


「とりあえず、新生徒会の役員から軽く挨拶をしてもらいます。水瀬くん――」

「……?」



 え? あ、俺? 



「えぇ、副会長になることになりました、水瀬奏太です。拙い部分もあるとは思いますが、一年間よろしくお願いします」


 あれ、なることになりましたってちょっと変かな? とか考えながらも、短く挨拶を済ませて頭を下げる。挨拶をするなんてまったく聞いてなかったんだから、少しばかりおかしいのは許していただきたい。


 そういえば副会長は毎年、男女各一人ずつだったはずだ。もう一人はどうなるんだろう。


 ここにきて、当然の疑問が頭に浮かんだ。そんな俺の疑問に即座に答えたのは、もちろん佐藤だった。


「それで、もう一人の副会長ですが女子にお願いしたいと考えています。そこで、生徒会に新しい風を入れるという意味でも、藤宮さんにぜひ引き受けてもらいたいのですが、反対意見はありますか?」

「――ッッッ⁉ わ、私⁉」


 突然、なんの前振りもなしに指名をもらったかおりが、びっくりして声をあげる。


「(……そうくん、知ってたの?)」

「(いや、初耳だったけど……っていうか、かおりも聞いてなかったの?)」

「(なんにも知らされてないよ。あ、でも副会長になればそうくんが佐藤さんと二人きりになるなんてこともないか……うん。ありかも)」


 最後の方はぶつぶつとなにか悪だくみでも考えているかのような表情でかおりは呟いた。


 まさか本人も知らせていなかったとは驚きだけれど、結局反対意見は誰からもあがらず、副会長は俺とかおりが務めるという流れになった。



     ◇◇◇◇◇



「いやぁ、まさかかおりが副会長することになるなんてね。佐藤が、一日であんなに変わってきたのもびっくりだけど」

「そうくん。あれはやっぱ恋だよ。女の子が前髪を切ってくるなんて、絶対そうだって!」

「違うでしょ。かおりはすぐにそういう方向に話をもっていくんだから。佐藤も生徒会長になって変わろうと思ったんだよ、きっと」


 生徒会室での用も終わって、学校から駅へとかおりと並んで歩く。


「違わないって! もう!」


 今日はなんだか、やたらとかおりの機嫌を損ねているような気がする。


 かおりはぷくっとほっぺを膨らませて、俺の右腕に抱きついた。


 この顔も、もう最近ではすっかり見慣れてしまった。何回見ても変わらずに可愛いけど。


「明日は一日中付き合ってもらうから。覚悟しといてよね! この一か月、ずっと我慢してたんだから!」


 上目遣いで俺を見て、かおりが宣言する。


 思えば、かおりと付き合ってからデートと言うデートはまだ一度もしていなかったかもしれない。買い物に付き合ったときはただの荷物持ち状態だったし。


 かおりばかりが楽しみにしているように言うけれど、俺だって結構楽しみにしてるんだ。


「……期待してるよ」


 俺は小声でそう返して、かおりの頭をポンポンと撫でた。

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