プロローグ
---あぁ本当にスローモーションに見えるもんなんだなぁ。
俺は宙を舞いながら、そんな感想を抱いた。
明治能人 16歳。
勉強が出来るわけでもないし、スポーツが万能ってわけでもない。顔は、特別ブサイクではないと思うんだが、彼女がいた事もない。
と、まぁそんな普通の高校1年生だ。
本日、寝坊をしてトースト咥えて走っていたところ、何の因果かトラックと衝突。そして冒頭にあたる。
何故転校生の美少女じゃないんだ。お決まりだろ。いやいや。トラックって死んじゃうだろ。いや、待て…俺ってトラックに衝突したんだよな?これってヤバくないか?
冷静に考えてみると、ダメな気がしてきた。うん。やっぱダメだ。目の前が暗くなってきた。
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目を開けるとそこは真っ白な神殿のような所で、目の前にピンク髪の女性がこちらにせをむけて立っている。とりあえず、その人にはなしかけてみた。
「…あの、すいません。」
するとその人が、くるりと振り返る。そしてとびっきりの笑顔で言った。
「私は貴方の専属天使です。
貴方は死んでしまいました!」