123.聖女を救え
『聖女さんは追放されたい!~王家を支えていた宮廷聖女、代わりが出来たとクビにされるが、なぜか王家で病が蔓延!えっ、今更戻って来い?一般の大勢の方々の病を治すのが先決なので無理です』
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(前回の続きです)
さあ、すぐに聖選の儀を行っている聖女たちを救わなくてはならない。
俺はすぐさま神殿の前に駆けつける。
3つの入り口がある。
普段の俺であれば瞬時に判断し……。いや、判断すら必要ない。なぜなら、俺がひらけた扉こそが、運命へと導く扉となるからだ。
だが、それは反対に運命が俺を頼り過ぎることにもつながる危険性がある。
世界が俺に頼りすぎることに、俺は警戒感をもって接している。
あらゆる危機を神という器すらかすむ俺にたくしたがる世界の気持ちは理解してやってもよい。
だが、それでは一般の者たちが自分たちで自分たちの危機を乗り越え、世界を自ら作って行くという苦労自体を阻んでしまうことだろう。
その意味で俺は世界や神に対して試練を与える立場であり、軽々に扉一つ開けることはできない、超越的な立場にあるのだった。
無論、俺が世界を導くことはたやすい。
しかし、俺がなくとも一般人たちでも世界を運営できる程度には成長して欲しい。
それが上位者である俺の願いなのだった。
だからこそ、
「リュシア、どの扉を開けると良いと思う?」
「ご、ご主人様……? なるほど、ご主人様は私たちの手で運命を切り拓けとおっしゃるのですね!」
さすがリュシアだ。
俺は微笑みによってその質問に答える。
すべてを伝えなくても、超越者である俺の意図を的確に汲んでくれた。
彼女もまた俺という神すらも霞む位置ではないにしろ、すべての上位者たる俺のそばにいることで、すでに神をも超える資質をその身に宿したのかもしれない。
俺の傍にいるということは、世界の上に立つということとまさに同義だ。
だから、彼女がそういった存在になったとしても、俺が影響を与えたんだと言われれば、否定する材料はないだろう。
「では一番左で」
「いい判断だ」
「ありがとうございます!!」
リュシアが頬を赤らめるのと同時に、他の少女たち。エリン、シー、シルビィ、ラーラ、クラリッサ、ミラが羨ましそうな表情をした。
なぜだろうか?
俺にもたまにこうして分からないこともある。
まぁいいか、と思い、俺はまず一番左の扉を開けた。
そこは聖女の一人であるゼシカが入って行った扉だ。
その扉の先には驚くべき光景が広がっていた。
まるでジャングルのような光景。
そして、その中で聖女ゼシカは気絶して倒れていたのである。
なるほど、これが試練の一つと言うわけか。
俺はすぐに本質を察して、密林の奥から響く不気味ないななきに冷静にその耳でとらえたのだった。
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