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104.(勇者ミヤモト編)覚醒。新たなる王の誕生

・ついに第2巻が発売されました! Web版とはまた大きく展開が異なりますので、どうぞお楽しみください!

・ミヤモト君も大活躍しますよ!

・第3巻も発売決定です! こちらはまた進捗を活動報告でご連絡いたします!!

104.覚醒。新たなる王の誕生




「ぎへえええええええええええええええええええええええええええええええ」


 俺は絶叫する。


 胸の痛みに!


 脳裏を貫く激痛に‼


 何よりもまたしても俺と言う英雄を裏切った世界に!


 邪神の背反にぃ‼


「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお‼ 許さねええええええええええええ‼ 許さねえぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお。おあああああああああああああルイクイイイイイイイイイイイイイイイイ」


「お早いお還りでした。さすが私の見込んだ御仁だけありますね」


「ルイクイイイイイイイイイイイイイイイイ……って、アレ?」


 俺は気づく。


 痛みは徐々に引いて行く。


 だが俺が気づいたのは逆のことだ。


 痛みがある。

 

 痛みがあるのだ!


 それは「生きている証拠」に他ならねえ!


「俺は……どうして……」


「荒療治であることは申し訳ありませんでした」


「あ、ああ、そうだ、そうだぁ! てめえ、ルイクイ! てめえに俺は心臓を握りつぶされて、殺されたんだ! 絶対に絶対に許すわけにはっ……」


「ですが、力は戻ったはずですよ。なんでもリセットするのが一番ということですね」


 ニコニコと訳のわかんねえことを邪神がのたまう。


 よほど全力で殴りかかろうかと思う。


 だが、俺はそれよりも湧き出る泉のような自分の力に気づく。


「力……力だ!」


「ええ。力です。わたしの……」


「俺の! 俺の真の力が覚醒したんだな! いいや、真の覚醒した力を取り戻したってことかあ!」


「…………そう、そういうことです。ええ、そうです。前向きにとらえることは悪い事ではないです。そうして一歩一歩人は前を向いて歩いて行く。向上心につながるならば多少の横車も押すと言うもの。ええ、その通り。あなたの才能のつぼみを少し刺激してやりました。私はほんの少しきっかけを与えたにすぎません。その(邪悪の)才能は、力は、能力は、あなた自身のパワーに他なりません」


「聞くまでもねえ! 分かっていたことだ! 俺が最強だということは! 俺が、俺がぁ!」


 マサツグよりも優れているということはなああ!


 この世界の真理に触れた気分だ! 思わず絶叫するのも無理からぬぅ!


「ええっと、ミヤモト君、しゃべりますね? いいですね?」


 コホンと邪神は咳ばらいをしてから、


「少し試してみると良いでしょう。むしろ、本番前の練習こそが大事です。勝負の時に出せる力は練習の時の7割程度ですから」


 生真面目な台詞を鬱陶しく思いながらも、俺はいちおう同意する。


 力がフツフツと湧き出るのは感じる。


 正義を実行しろと言う聖なるオーラだ。


 俺にしか使えない大いなる力。


 勇者、英雄。


 そうしたレジェンド、人類の守護者たる俺にしか使えない選ばれし力。


 そんな凄い力が湧き出ていると深く確信していた。


 が、とはいえ。


「俺の価値は普通の人間どもが1兆人いても等価にはならねえ。それほどの男だあ。だから、俺という人類の宝、至宝が失われることは神ですら許さねえだろう」


「……ええ、そうですね」


「然るにだぁ、あの化け物にいきなり突っ込むことは、俺と言う最強の存在、勝利を確信された英雄であっても許されることじゃねえ。怖いってわけじゃねえ。断じてねえ。これはそういう意味での練習ってわけだあ」


 俺は冷静に状況を分析してみせる。


 ルイクイは納得したのか何も言わねえ。


 よし、まずは力を解放するぞ!


「はあああああああああああああああああああああああ!」


 あふれる力を外部へとただただ放出する。


 それだけですさまじい魔力が放出されているのが分かる。


 可視化された魔力の波動!


 強者の証!

 

 俺が英雄であることの何よりの証明だ!


 勇者! 英雄! 誰よりも優れていることがこんなにも気持ちいいものだとはなあ!


「ひ、ひひひひひひいいいいいいいいいいいいいいいい」


 俺は嬉しくなって笑いだす。


「ふぎゃあああああああああああああ死ねるううううううううううううう」


「我が端末ながらあっぱれですね。いやいやこれはすごいですね。お姉さんもビックリです」


 シェリルは体を焼かれ、ルイクイは感心した表情を浮かべる。


「見てごらんなさいシェリルさん。こうして彼が魔力を放出しているだけで、わたしのつややかだった肉が腐り落ち、周りの木々は枯れ、清浄だったはずの空気の汚濁が進んでいます。この場所が彼の邪気にあてられて魔界化している証拠です」


「そんなことできるなんて聞いたことないよう! 本当の神様が顕現でもしない限りそんなことありえないじゃん!」


「まったく。まだ1億年も生きていないのに何という頭の固さでしょうか。実際に目の前で奇跡が起こっていることを信じられないとは。まったくもう」


「まだ1万年も生きてないよう! そんな歳じゃないよう。それよりもねえ、そろそろ私死んじゃいそうだよう。命だけは命だけはお助けええええ」


「無益な折衝は好むところではありませんのでこれでも貼っておくと良いですよ」


 ペタリ、と。『無敵』などときっちりとした書体で書かれた護符をはる。


「た、助かった……」


「それに」


 そうルイクイは呟く。


 どうせ勝負は一瞬だ、と。


「覚醒したミヤモト君はもはや邪神の端末をも超えた存在。邪悪なる一柱として世界の闇を司る悪の王。まさしく魔神王。たかだか数億の化け物どもを従えたアモンごときが太刀打ちできる相手ではありませんよ」


 微笑みながら邪神は新たなる王の誕生を言祝いだ。




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