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18歳 ー1
玄関のドアを開けると、ヒヤッとした風が容赦なく入り込む。
真冬の早朝。
昨晩ずっと降っていた雪が積もっている。
通りで今朝は冷え込むわけだ。
これは10センチちょいかな?なんて予想しながら歩く私は重装備。
いつ雪が降ってきてもいいように、フード付きのコートだし。
どっちかっていうとインドアな私はきっとこんな日なら部屋で一日を過ごすだろう。
けど今日は違う。
私は今から、ある場所に行く。
夢に出てきたんだ。
20歳になった自分が。
どっかの少女漫画みたいに未来がこうなる前に、私を助けて!
なんてことは言ってないし、
今から宝くじの当選番号を言ってあげるよ、ウッヒッヒ!
なんてこともない。
夢の中で20歳の私が言ったこと
明日
桜丘公園の
100年桜の木の下
羽ばたく人――――。
この4つだった、
確かそう言っていた。
正直訳が分からない。
けど私は桜丘公園に向かう。