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第五話 ゴブリンウォーリア

や、やっとゴブリンウォーリアを倒せた( ̄◇ ̄;)

第五話 ゴブリンウォーリア




『中央に九匹、左に七匹、右に五匹、左にゴブリンアーチャー二匹、右に一匹、そして…』


「中央にゴブリンウォーリアが……一匹か」


距離が近過ぎて魔術系のスキルを取っても発動する迄に時間切れ、武術系スキルも既にLV3までは取ってある。それが槍や斧に変わっても同じ事だ。


(どうする? 一瞬でも止まったら囲まれて終わりだ。せめてゴブリンアーチャーだけでも潰せないと手も足も出ない)


そしてゴブリンウォーリアがまっている。


(ちくしよう! 異世界転生直後にどんなピンチなんだ!)


俺は雪代と桐子の顔を思い出していた。お俺を殺そうとした二人を……ダメだ! ここで死ぬ訳にはいかない! 必ず生き残ってあいつら二人をもう一度きっちり調教してやる! 覚えてろよ!


『…………佐藤さん…この命の瀬戸際に顔がニヤついてるんですけど、やる気有ります?』


「ばかやろう! 男には男のモチベーションってのが有るんだよ!」


『…………』


とはいえこのままでは…せめてゴブリンアーチャーだけでも無力化しなければ……


使える魔法系スキルは[超能力LV3]しか無い。アーチャー……弓か


「テレキネシスでゴブリンアーチャーを潰せるかな」


アルマは首を横に振る。


『……[超能力LV3]には属性が無いので、ファイアーボールの様に追加ダメージまありませんから、いかにゴブリンが弱いとはいえ、瞬殺は無理です。それに発動を止めたら直ぐに解放されてしまいますから、囲まれたら無意味です。まとめて全体に影響を与えるスキルは[超能力LV3]にはありません。残念ながら』


「……そうか」


「…………まてよ」


『……佐藤…さん?』


「……あるな! 一つだけ」


俺はスキルを見直す。そして魔法系スキルを取得する事にした。


「よし! [風水術LV3]を取る!」


『で、でも! 魔法では』


「ああ、魔法では発動が間に合わない。手は別で考えたよ。[風水術LV3]は保険だ。さあ、急いでダウンロードしてくれ! 」


『……分かりました。では、やり直しはできません。構いませんか?』


俺は大きく頷く


「ああ! ゴブリンアーチャーとゴブリンウォーリアを始末してやるぜ!」




俺は[風水術LV3]をダウンロードし、再度森の中に突撃をする。


『では、いいですか!』


「ああ、いつでもいいぞ!」


『では……いきます。[ログアウト]!』


視界が歪みーー虚空から緑の森の中に飛び込んでいった。


もう後戻りは出来ない



♢♢♢


世界が一瞬にして緑に染まり、同期する為に一瞬身体が硬直する。


そしてーー殺気が伝わって来た。それは[剣技LV3]が教えてくれた。ゴブリンアーチャーからの殺意だ!


(動け!)


祈る様に身体の硬直が解けるのを待つーーその一瞬の間に俺はゴブリンアーチャーの位置を探る。


(右の一匹は十メル、左の二匹は手前が八メル、奥が十二メルか! なら!)


硬直が解けた俺に向かって《ヒュンッ!》放たれた鉄の矢が正確に身体を捉えている。ショートソードを一閃し《ギンッ》弾き落とすと俺は《ヒュンッ! ヒュンッ!》と続け様に放たれた左手からの二射をその場に倒れ込みながら躱しーーナイフを手前のゴブリンアーチャーに投擲する! 近いのはお互いにとって必殺の間合いなのだ。躱されれば次は自分が狙われる番なのだ。その時、俺は直ぐに右手のゴブリンアーチャーにテレキネシスによる[ハーム]を放つ。発動は短い、しかし当然殺傷能力は低くい。瞬殺など望むべくもない。しかしーー俺が狙ったのはゴブリンアーチャーの【弓】だ!


《バキンッ!》


俺は[ハーム]でゴブリンアーチャーの【弓】だけを無力化した!


(今だ!)


《ドシュ!》投擲されたナイフがゴブリンアーチャーに突き刺さるのを視認し、俺はそのまま身を翻し一気に左手のゴブリンアーチャーに向かって踊りかかる!


手前にいる三匹のゴブリンをショートソードで斬り伏せる!先頭のゴブリンの首を跳ね飛ばし《ガギンッ!》と二匹目のショートソードを受け流し身体を入れ替えそのまま三匹目を袈裟斬りにすると正面にゴブリンアーチャーの最後の一匹が矢を番え直そうとしている。


「遅い!」


再び[ハーム]を弓に叩き込み《バキンッ!》無力化し手前のゴブリンアーチャーに突き刺さったナイフをズルッと抜き取る……と…


『佐藤さん! 後ろ!』

「!!!!!」


《ガギンッ!》

一瞬で間合いを詰める黒い影! 俺は咄嗟にショートソードで防いだが十メル近く弾き飛ばされた。


「ぐああああっ!」


森の中を吹き飛ばされた俺は必死にショートソードを構えた。


「…かっ……はっ……」


(な、なんだ、このパワーは)


その一際大きいゴブリンは信じられない一撃を放って来た。


ゴブリンウォーリアがゆっくりと歩み寄って来る。


(嘘だろ![ 剣技LV3]でも防ぐのが精一杯だなんて)


必死に身体を回復させようと務めるが無駄だ。その一撃は途轍もなく重く強く早い。


『そ、そんな! いくら上位個体でもそこまて強い訳は無い筈です⁉︎』


アルマが慌ててゴブリンウォーリアを探ると悲鳴に似た声を上げる。

『ダメェ! 逃げて下さい! ゴブリンウォーリアは魔力付与された剣を持っています! とても[剣技LV3]では相手になりません。それが分かっているから今まで手を出さなかったんです。しかも隠蔽効果まで付与されています。…だから魔力が発動する迄分かりませんでした。佐藤さん、逃げて! 戦ってはダメです!』


しかし


「……ば、ばかやろう! 動けねえよ!」


受け止めるのが精一杯で吹き飛ばされたダメージはそのまま食らった。[身体能力強化LV3]がなかったらどうなった事か分からない。


ゆっくりとさらに間合いを詰めるゴブリンウォーリアの目には余裕が浮かぶ。周りのゴブリン達も絶大な信頼を注いでいるのだろう、主たるゴブリンウォーリアが憎い敵を嬲り殺しにするのを期待して下卑た笑いを浮かべ包囲を狭めて来た。


しかしーー力は入らない。俺は必死でフラフラと逃げる他なかった。這いずる様に…


「く、来るなあ!」


俺は剣を振り回し喚き散らしながら逃げ惑う。


『……佐藤…さん』


アルマが絞り出すように呟くのが聞こえた。


そしてーーゴブリンウォーリアが止めを刺すべく間合いを詰めて来る。


「く、来るんじゃねえ!」


俺はデタラメに振り回したショートソードをゴブリンウォーリアに力無く投げ付けた。


そう


ちょうど膝下を狙って


力の無い投擲をゴブリンウォーリアは当然の様に軽く弾いた。魔力付与された剣は軽く弾く事が出来るが……当然、上から下に振るわれーー地面に突き刺さった。


ニヤリと笑いゴブリンウォーリアは自慢の魔力付与された剣を振りかぶり俺に斬りかかろうと構えるその直前


俺は突然振り返りーー殺気を込めーーナイフを投げ付けた!


しかし全力では無い。力無く投げられたナイフは当然緩やかな放物線線を描きながら、それでも正確に急所に迫っていく。


ゴブリンウォーリアは一瞬ひるむが、軽く弾き返して俺に斬りかかるべく自慢の魔力付与された剣を引いた


「……ラッキー!」


俺はーーその[剣を持った手]にハームを定めた。


魔力付与された剣から繰り出される剣技を止める力は今の俺には無い。しかし、無造作に構えられた剣で、しかも緩やかに放物線線を描くナイフを弾くレベルで構えられたのなら……


それなら[ハーム]で止められる。剣では無く、剣技が繰り出される前の、付与された魔力の発動する前の[剣を持った手]なら止められる筈だ。


「[ハーム]さあ、ナイフを避けろよ! ゴブリンウォーリア!」


[身体能力強化LV3]の反射速度が俺に猶予を与えるが突然の状況変化にゴブリンウォーリアは一瞬怯む。考えればそんなナイフに殺傷能力など無いのだが、それでも急所を目掛けて飛んで来るナイフを避ける為に、[手]を固定されたまま身を躱そうとするその隙を逃す訳にはいか無い。


当然の如く躱されたナイフ


俺は必死に気力を振り絞りーーゴブリンウォーリアの手前に[弾き落とさせた]ショートソードを掴みーーそのまま下から上に切り上げだ。


《ザンッ!》ショートソードが脇腹から首筋向かって切り裂きーー腕を飛ばす。


「……ギッ…」


短くゴブリンウォーリアは呻き声を上げた。


呆気にとられたゴブリン達は唖然として俺とゴブリンウォーリアを見ている。


「さて、十分時間も取れたし[リーフフォール/木葉乱舞]![スペルバインド/魔蔦呪縛]! 」


俺は[風水術LV3]から行動阻害呪文を二つ放ち、残りのゴブリンを掃討する事にした。


『[タイムアウト]!』


俺は虚空に戻った。

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