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my・angel  作者: 劉・小狼
7/14

 7

 その日の夏海はついてなかった。


 修一にお祭りデートに誘われた事に浮かれすぎて、

やる仕事やる仕事、失敗だらけだった。

 相当、落ち込んだ夏海はいつの間にか、修一の

家の前に立っていた。

 夏海は修一の声が訊きたかったのだったが修一の家の

呼び鈴を押せなかった。

 自分の弱さを修一に見せるのが夏海は

何だか、恥ずかしかったのだった。


 夏海が家の前でどうしようか、迷っていると

突然、修一の家の玄関ドアが開いた。


 「ちょっと、出掛けてくるね!」


 家の中から出てきたのは修一がいつも愛用している

サッカーボールを持った修一が車椅子を自分で押しながら、

出てきた。


 『や、やばっ!』


 見つかりそうになった夏海は修一から逃げるように

咄嗟に身を隠した。

 修一は全く、夏海に気付くことなく、暗い道を進み、

夜の公園の方へと向かった。


 何処に行くんだろう?


 修一が何処に行くのか、気になった夏海は修一に

気付かれないように修一の後を追いかけた。

  修一がやってきたのは誰もいない夜の公園だった。

 誰もいない夜の公園に着いた修一はおもむろに

持ってきたサッカーボールを頭でリフティングを始めた。

 体が自由に利いていた時とは違って、修一は

何度もサッカーボールを地面に落としていた。

 修一がサッカーボールを落としたのは体が

訊かないせいだけではなかった。

 どうしても夏海のことが気になって、修一は上手く、

集中できなかったのだった。


 「修一……」


 物陰に隠れて、修一の様子を見ていた夏海は

懸命にサッカーの練習をしている修一の姿に

涙が溢れそうになった。

 夏海の物陰から飛び出し、すぐにでも修一のことを

抱きしめたかったが夏海にはそれが出来なかった。

 そんな夏海が隠れている所に修一のサッカーボールが

地面を跳ねながら、転がってきた。


 『やばい。バレちゃう』


 修一に見つかると思った夏海は更に物陰に隠れた。

 転がったボールを拾う為に車椅子を押しながら、

夏海のもとにやってきた修一は


 「何か、冷たい物が飲みたいなぁ……」


 独り言のように呟いた。

 修一には夏海のことがバレていた。


 「ご、ごめんなさい…… そんなつもりじゃなかったの」


 修一にバレたと思った夏海は隠れていた物陰から

慌てて、飛び出してしまった。

 修一は何事もなかったかのようにサッカーボールを持って、

元の位置に戻りながら、


 「良いから…… 何か、冷たい物を買ってきてよ!」


 と夏海に言った。


 「うん……」


 夏海は小さく頷くと近くの自動販売機に冷たいジュースを

買いに行った。


 修一はサッカーボールをリフティングをするのをやめると

夏海の横で夏海が買ってきた冷たいジュースを飲みながら、

一休みをした。

 修一の横のベンチに腰掛け、冷たいジュースを飲みながら、

俯いたまま、何も言わない夏海に修一は


 「どうした? 何か、仕事で失敗したか?……」


 と夏海に話しかけてきた。

 夏海は修一の何気ない一言にドキッとした。


 「……」


 夏海は修一に何も話し返すことが出来なかった。


 「……まあ。言いたくないなら無理に言わなくても

良いけど……」


 「……ご、ごめん」


 夏海にはそれだけしか、修一に話し返すことしか出来なかった。


 「あのさ。俺、リハビリをしてもう一度、

サッカーをしようと思っているんだ」


 夏海の気持ちを察した修一は自分の今の気持ちを夏海に

ポツリと呟いた。


 「えっ?……」


 あまりにも唐突な修一の発言に驚いた。


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