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my・angel  作者: 劉・小狼
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 彼女はいつも僕のそばにいて、夏の向日葵のように

微笑んでいてくれた。

 そんな彼女に僕はいつしか、恋をしていた。



 雨上がりの済んだ、ある夏の日。


 少年達は河川敷のサッカーグランドをボールを蹴りながら、

走り回っている。

 僕は前から迫ってくる相手チームの選手達を一人、

また一人と軽快に交わしていった。

 そんな僕の姿にサッカーコートの外から帽子を目深に被った

少女(夏海)が飛び跳ねながら、


 「修一、行け!……」


 元気に声援を送っていた。

 僕(俊一)は夏海の声援に後押しされ、最後のキーパーを

抜き去り、豪快にゴールにシュートを決めた。


 「ナイスシュート!」


 夏海はまるで自分がシュートを決めたかのように飛び跳ね、

満面の笑みで修一にVサインをした。

 修一も振り返ると笑顔で夏海にVサインを返した。

 修一が夏海にVサインをきめた直後に試合終了のホイッスルが

サッカーグランドに鳴り響いた。

 修一はサッカーグランドの中央で相手チームと向かい合い、

試合終了の挨拶をすると同じチームメイトと共に夏海が待つ

自分達のベンチへと戻っていた。


 「おつかれ!修一」


 夏海はそう言うと修一のバックからタオルと冷たい飲み物を

取り出し、修一に放り渡した。


 「サンキュ~!」


 修一は受け取ったタオルで汗を拭うと冷たい飲み物を

飲み干した。


 「ヒュー、ヒュー…… お熱いね。お二人さん」


 同じチームメイト達は仲の良い、修一と夏海を冷やかした。


 「もぉ~! 違うってば……」


 夏海は顔を真っ赤にし、修一の同じチームメイト達を

追い掛け回した。

 逃げ足の速い修一の同じチームメイト達を夏海は

捕まえられずに


 「もぉ! むかつく!」


 と言いながら、修一のもとに戻ってきた。


 「なあ。そんなことはどうでも良いから何か食べに行こう!

 腹ペコだよ!」


 修一は自分らが冷やかされていることなどどうでも良いかのように

再び、冷たい飲み物を飲みながら、自分のバックを肩に担いだ。


 「うん! そうだね!」


 夏海は大きく頷くと優しく、修一に微笑んだ。

 修一と夏海が河川敷の土手を歩き始めると夏海の携帯電話が

突然、鳴り響いた。


 「ええぇ…… うそでしょう!」


 夏海にはその電話が自分をアイドルの仕事に呼び戻すのだと

わかった。

 夏海はその携帯電話を見詰めながら、明らかに

嫌そうな表情を浮かべた。

 修一も夏海がトップアイドルとしてとても忙しいことは

わかっていた。


 「仕事の電話だろ? 出れば……」


 修一は唯一、自分との時間を邪魔され、明らかに

不機嫌そうな顔で夏海の顔を見た。

 そんな修一の顔を見た夏海は携帯電話に出るのに躊躇した。

 だが、その電話が仕事の電話とわかっていた夏海は仕方なく、


 「はい。もしもし、夏海ですけど……」


 と携帯電話に出た。


 「ごめんね!夏海ちゃん。折角のお休みだけど

急な仕事が入って……」


 やはり、その電話は夏海をアイドルの仕事に呼び戻すものだった。


 「今からですか?」


 「うん。ごめんね!直ぐに…… あっ。何か、用事でもあった?」


 「ええぇ……」


 夏海は修一の顔を見詰めた。


 「どうにかならない?」


 夏海は修一に悪いと思ったが


 「わ、わかりました。今から行きます!」


 仕方なく、マネージャーからの急な仕事の依頼を受けた。


 「良かった。助かるよ…… じゃあ。家に迎えに行くね!」


 マネージャは夏海にそう言うと電話を切った。

 夏海もがっくりと肩を落とし、携帯電話の電源を切った。


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