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“  ”の音

作者: 岡部 甲斐奈

 何かが言う「あなたに音をあげましょう。あなたを指し示す音は“  ”よ」目の前の何かがそう言った。


 前の何か、後で人間と呼ぶものだと知った

 こちらに指とよぶものを向けて“  ”と言った


 こちらのことのようで、それいらい“  ”と呼ばれるようになった

 この音がわからない

 この音は字に表せれるられるものではないのだと前の人間が言った

 人が発することしか伝えるすべがない音

 それがこちらを現す唯一になった


 音が必要だと人間は言う見たい景色があると

 歌というものを知った

 思いつくままに言葉とは呼べない音を紡ぐ

 こちらにたくさん何かがやってきた

 動物、ひとまとめにしてそう表現しよう

 初めて出会い音というものをこちらに与えた人間がいた

 顔という部分にある目と呼ぶものを細めて口角を上げていた

 笑っているというのはこの表情を言うのだろうか


 人間のその顔が見たくて音を歌に変えていく

 動物の言葉、共通の物がわからなかったから

 見たいと思った人間の言語に合わせた

 人間の言語を使った歌をうたう






あの日あの時目覚めたこちらを見ていたのはあなた

こちらに音を与える

音は大切なものなのだと

それだけあなたは言う


なにもしらない

なにもわからない

こちらにあなたが

変化をつけた


音を知った

ただ流す音に今度は意味を与える

言語というものを知る

言葉というものの意味を知る


音に合わせて言葉は歌となる

こちらがあなたの望み

適えられたのかわからない

ただうたう


あなたのために

あなたのために

必要な音になれただろうか

必要な音はできただろうか


おもいつくままにこちらはうたう

集まった動物に人間に生き物に

音を渡す

繋がる


必要な音生まれた

表情が証明になる

周りを見渡す

こちらをうんでくれてありがとう


そのおかげで

今ここにいてこの光景が見える

ああこれが

あなたの見たかった景色






 歌を終わらせ音が止む

 あなたがこちらにやってくる

「“  ”」

 呼ばれることこれはきっと嬉しいという気持ちなのだろうか

 何かでこちらは満たされた

 それは音にも表現できない何か

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