表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホテルN旧棟-A203号室の忘れ物  作者: ゴルゴンゾーラ三国


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/25

下書き③

 佐々川、という謎の人物について主任に聞いてみたが、明らかに反応がおかしかった。よほどひどい人だったのか、それとも何か大きな問題を起こして辞めて言った人なのか、本当に聞いてはいけない人の名前だと言わんばかりの反応をした。

 二、三年前に辞めた人、と主任は言っていたので、少し前の、忘れ物日誌を遡ってみた。シフト表は一か月もすれば捨てられてしまうが、忘れ物日誌は三年間は丸々残す規則らしいので。二年前と三年前のものをさかのぼれば多少は情報が得られるかと。バイトやパートを初めて、いきなり最終チェックを任されるようになるとは思わないが、少なくとも、忘れ物処理の日誌がいつからおかしくなったのか分かるだろう、と。……新館を担当しているのなら、社員の可能性もあるか?


 ともかく。佐々川さんはいたが――今と変わらず。存在しない客室で、人体の一部を忘れ物として処理している。少なくとも、2022年の1月から、ずっと。

 三年より前のものが見られれば、佐々川という人物がいつここにやってきて、いつから謎の客室で忘れ物処理をしているのかを知ることができたのだろうが、ないものはない。


 ……三年前から同じくいるらしい、仁科さんと渡辺さんなら、何か知っているだろうか?

 仁科さんと会うことは全くないのだが、渡辺さんなら週に何度かシフトが被るときがある。そのときにでも聞いてみようか?


 ついでに、敷島、という人についても調べてみよう。今ホテルで働いていないということは、少なくとも辞められたということ。 

 なら、どうやって退職したのかも知りたい。まあ、主任が別の人で、その人はあっさり辞めさせてくれた、とでもいうのなら、どうしようもないけど……。


 それと、気になるのが旧棟Aの203号室。毎年同じ日に、同じような忘れ物がある。たまたま、わたしはその日付に203号室を掃除したことはないものの、普段はよく清掃に入る部屋だ。各段、他の部屋と変わった様子のない部屋。

 だとしたら、偶然? でも、四年連続で、同じ日付、同じ部屋、同じような忘れ物、なんて起きるのだろうか? 服の忘れ物は、そこまで珍しくもないような気もするけど……。

 2026年の11月13日にその部屋を掃除すれば、何か分かるだろうか。


 まあ、絶対にそんな日までこのバイトを続けるつもりはないわけだけど――気になるには気になってしまう。


 ともあれ、次のバイトのときに、渡辺さんに話を聞きつつ、旧棟Aの203号室の方も、少しいつも以上に注意して掃除をしてみるとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ