48 ライゼル!?
おやつを食べ終えてまったりしていると、
いつの間にか時刻はすでに夕方になっていた。
ダンジョンの中なのについまったりしすぎてしまった。
セポの中だと魔物もこないし、何よりテントが最高だからだ。
こんなに素敵な空間があると、ここがダンジョンの中だって忘れちゃいそう。
「まったりしすぎたね。一回テントの外に出て体でも動かす?」
『ん?そやなぁ。ワイこのままやと、不死鳥やなくて豚さんになってしまいそうやからな!』
ぶふっ!
ほんとそれ。
おやつをしっかり食べて満足したのか仰向けになって寝転んでいるフーちゃんの姿はまるで・・・。
しっかり食べたあとはしっかり動かないとね(笑)
散歩がてらテントの外へ出てみたけど、私たちの他には人の姿は見当たらない。
それならばとお腹がぽっこりふくらんだフーちゃんが運動し始める。
準備体操から始まり、今は軽いランニング中だ。
せっかくなので私もストレッチを主に、体を動かしていく。
そして座りながらストレッチをしているとセポの入り口あたりまで走って行っていたフーちゃんが戻ってくるのが見える。
『絃ーっ!誰かきたでー!』
勢いよく走ってきたと思ったら見事に胸ポケットへと飛び込んだ。
「他の冒険者の人だよね?」
『そーやろな!4人おったで!』
フーちゃんがポケットに収まってすぐ入り口から4人の冒険者が入ってきた。
最初に入ってきた冒険者がこちらに気付き、
近づいてくる。
「よっ。お嬢ちゃん1人か?」
周りを見て人影がないからか、そう声をかけられる。
私からすれば、1人ではないけれど周りからはそうは見えない。
これはもう、慣れるしかないよね。
「そうです。1人です。」
「ええっ!?こんなに可愛い子が1人でダンジョンにいるの!?
どうしたの・・・?
何かあった・・・?」
最初に声をかけてきた男性冒険者の後ろからひょっこり顔を出した女性冒険者が驚いた様子で声をかけてくる。
その表情がすごく心配そうな顔をしていてびっくりした。
・・・もしかして仲間に置き去りにされた、とか思われてるのかな?
確かにこの状況じゃそう見えてもおかしくないよね。
「いえ。私1人でダンジョンに来てるんです。」
「「「「えっ・・・!?」」」」
目の前にいる冒険者は4人で、最初に話しかけてくれたのは、背中に長剣を背負っている男性冒険者だ。
そして先ほど心配そうに声をかけてくれた杖を持った女性冒険者、その後ろに落ち着いた雰囲気を纏い杖を持つ女性冒険者、そして最後に寡黙そうな男性冒険者。
4人とも私の言葉にびっくりしている様子だ。
「本当に1人でダンジョンに来てるのか?悪い事は言わない。そんな危ないことはやめておいた方がいい。明日の朝ダンジョンの入り口まで送ってやるから、帰りなさい。」
「「「うんうん!」」」
長剣を背負っている男性冒険者がびっくりした表情のまま、諭すように話す。
その後ろで3人も同じ気持ちなのか頷いている。
・・・めちゃくちゃ心配されてる。
けど、明日は地下4階層へ行く予定だし帰るつもりもない。
心配してくれてとてもありがたいけれど、丁寧にお断りさせていただく。
「心配してくれてありがとうございます。でも、無謀に1人で潜っているわけじゃないんです。明日は地下4階層へ降りる予定ですし。」
「・・・・・・そっか。
お節介してごめんね。若い子が1人でいるところを見て、ついつい心配になっちゃったのよ。こいつが怖い顔で言うからびっくりしちゃったよね?」
後ろにいた落ち着いた雰囲気のお姉さんが長剣を背負った男性を肘で突きながら前へ出てくる。
「とりあえず自己紹介からしよっか。私は美奈だよ!そして、こっちがセラね。」
「世良よ。よろしくね」
「キツい言い方になって悪かった。俺は亜蓮だ。そんで後ろにいるこいつが玲。俺たちは4人でパーティーを組んでいて、パーティー名はライゼルだ。よろしくな。」
元気なお姉さんが美奈さん、落ち着いた雰囲気のお姉さんが世良さん、長剣のお兄さんが亜蓮さん、寡黙なお兄さんが玲さんだ。
パーティー名かぁ。
かっこいいなー!
私は一応ソロパーティーだから、パーティー名はない。
この際、フーちゃんとズーマとのパーティー名をつけちゃおうかな?
「心配してくれてありがとうございます!
私は神楽 絃です。よろしくお願いします」
「絃ちゃんね。ねぇねぇ、せっかくだから親睦を深めるために夕飯でも一緒にどう?」
「お、それいいねー!絃ちゃん一緒に食べよー」
世良さんと美奈さんから夕飯のお誘いを受けた。
誘ってくれて嬉しいけど、フーちゃんも一緒にとはいかないし・・・
私が悩んでいるのに気付いたのか、フーちゃんから念話が入った。
(一緒に食べたらええやん!ワイはさっきのおやつでまだ腹ぱんやから大丈夫やで〜)
(そっか。じゃあお腹が空いたら教えてね!)
「ありがとうございます。ぜひご一緒させてください!」
「やったー!こんな可愛い子と一緒にご飯が食べられるなんて嬉しい〜!」
美奈さんがそう言って抱きついてきた。
美奈さんは人懐っこいし、明るくてムードメーカー的な存在なんだろうな。
なんだか陽菜に似ている気がしてとても親近感が湧く。
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それでは、また次の話でお会いしましょう!!




