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『自転車でダンジョン爆走中! 〜通学途中でダンジョンに落ちたら、ボスを轢いちゃいました!?〜』  作者: 雨空 幸歩


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43/49

42 レベルアップ・・・!?

 



 最初のプリマヴェール戦から順調に戦闘を重ねていく。


 途中では、2階層でお馴染みのホーンラビットとアッシュウルフも出現した。


 しかし2階層よりもひと回り大きくなり、更にパワーアップしていたので少し手こずってしまった

 のだ。


 プリマヴェールと同じく1回では倒せなくなっていたので、何度も当たっていく。


 そして・・・すっかり忘れてたの。




 2階層ではずっと無双しまくっていたから。



 あの可愛いホーンラビットが、



 悪魔になることを・・・(笑)




 窮地に陥ると第二段階に入り、デーモンホーンラビット化する事をすっかり忘れていたのだ。



 久しぶりに見たデーモンホーンラビット化・・・。




 っ怖かったよー。



 ホーンラビットからデーモンホーンラビット化しても魔石は変わらないんだから、なんとしてもホーンラビットの時に倒しておきたいっ!


 私の心の安定の為にもっ!



 そのためにはレベルを上げて強くなるしかないので、しばらくの我慢だっ・・・!




 そんなこんなで、


 幾度目かの討伐完了音の後・・・




 ——ピロリロリーン



 を聞いたあとの


 《レベルアップ》



 という文字を見た時。



 あの感動は計り知れないっ!

 これでデーモンホーンラビットとお別れできる!




 私たちのステータスは、レベルとシンクロ率がしっかりと上がっていたため、数値もかなり上がっていたのだ。



【ステータス】

 ◇レベル : 53 ※→ 9

 ・体力  :10,600 ※→ 1,908

 ・魔力  :10,600 ※→ 1,908

 ・攻撃力 :10,600 ※→ 1,908

 ・耐久力 :10,600 ※→ 1,908

 ・敏捷性 :10,600 ※→ 1,908

 ・器用さ :10,600 ※→ 1,908

 ・知力  :10,600 ※→ 1,908


 ※シンクロ率により全ステータス制御

 現在のシンクロ率:18%




「やったー!

 これでホーンラビットを一撃で倒せるようになったよね?もうデーモンホーンラビットと戦わなくて済む?」


『どーやろなー?4回攻撃して倒してたんが3回の攻撃で倒せるようになったくらいちゃうか?』




 そんなっ!


 嘘だと言って!フーちゃん・・・!








『そんなことより、そろそろお昼どきちゃう?


 ワイのキュートなお腹からキュウキュウ可愛い声が聞こえんねんけど〜?』




 そんなことっ?


 いま、めちゃくちゃ大事な話をしてたんだけどっ





 フーちゃんのキュートなお腹からの声はさておき、



 確かにそろそろお昼の時間なんだよね。



 ・・・そーなんだけどさっ!

 もうちょっと親身になってくれてもいいと思うんだー。



 チラッ




『もうちょい先に行ったところに、ちょうどセポがあるわ!そこで昼にしよっ!なっ?』



「ハイハイ。わかりましたよー!」



 何も言わずにズーマがセポへと向かってくれている。


 ズーマ・・・ほんといい子なんだからっ!


 レベルが上がったことで、ズーマの移動速度も更に上がっている。




 ズーマってどこまで速くなるんだろ?


 今でも充分速いのに、このままどんどんレベルアップしていくと、とんでもない速さになりそうな気がして・・・。

 そのうち周りから見えなくなっちゃいそう。





 そしてフーちゃんが言っていたとおり、少し走ったところで、セポが見えてきた。


 今にもフーちゃんがズーマから飛び降りて、先に走って行きそうな気配だったので、慌てて止める。



「フーちゃんっ!誰か他にも冒険者がいるかもしれないから!ダメだよっ!」


『!!!そやった。


 ついウッカリ。お昼が楽しみすぎて忘れてたわ!』



 危なかったー!

 ほんと、ついウッカリじゃないんだからね!


 他の冒険者に見られちゃったら、言い訳のしようがないんだからっ!



 セポの入り口でズーマから降りて、押しながら入っていく。




 セポの中に入ると、5人組の冒険者が2組それぞれで固まって座っていた。




 右側にいるのは、男性3人、女性2人のパーティー




 左側にいるのは、男性5人組のパーティー




 だった。





 ・・・すっごく見られてる・・・。






 とりあえず「こんにちは〜」と軽く挨拶しながら空いている奥のスペースへ向かい、アイテムボックスから椅子を出して座ってみる。




 ・・・この空間じゃフーちゃんご飯食べられないじゃんっ!






(どーする?)


(テント出そうやー!せっかく買ったんやし!)


(あっ、そーだね!じゃないとご飯が食べられないもんね!)







 そうと決まったら!



 早速、テントをアイテムボックスから出して広げていく。



 他の人の視線は気にしない!


 気にしない!


 星屑マーケットのおじさんに教えてもらった通りにテントを建てて、ささっと中へと入る。



 よかったー!

 めちゃくちゃ簡単に組み立てられたよっ!

 テントの中は、広さも十分ある。



 この大きさのテントを一人で使ってるのは、贅沢だよねー。





(よし!じゃあパパッとお昼を食べちゃおう!)


(今日の昼はアレに決めたで!!!カツ丼や!

 昼からも勝って、勝って、勝ちまくらなあかんからなー!)


(カツ丼ね(笑)ゲン担ぎしすぎだよー!)



 握り拳を天井に向けているフーちゃんを横目に、アイテムボックスから予め買って入れておいたカツ丼を2つ取り出す。


 あと、サラダと豚汁。・・・っと。


 テーブルの上に並べるだけで、ほかほか出来立てのカツ丼定食の出来上がり〜!



 パチパチパチパチ




(それじゃあ、いただきまーす!)


(待ってたでー!いただきまーすっ!)



 フーちゃんの小さな体のどこに入っているのか分からないけど、一人前をペロッと平気で平らげてしまうのだ。



 しかも、食べるのが早い。



(もうちょっと落ち着いて食べなよー)




(ガブガブ・・・モグモグ・・・




 ごちそーさん!美味しかったわー!

 ほな絃もはよ食べて、狩りにいくでー!)



(まだ食べてるからっ!もうちょっと待ってて!)


 フーちゃんに急かされつつも、しっかりと食べ終えて片付けてからテントを出る。





 テントを出て周りを見回すと、さっきまでセポの中にいた2組のうち、1組はすでにいなくなっていた。


 残っていたのは、セポに入ってから左側にいた男性5人組のパーティーだった。




 さっとテントを片付け終えたところで5人組のうちの1人、猫目でヒョロッとした優しそうな人が話しかけてきた。



「こんにちは〜。きみ、ダンジョンの中を自転車で走ってるって噂の子だよね?

 もしかして、1人で3階層まで来てるの?」





 ・・・やっぱり目立つもんね。


 もうズーマのことを聞かれるのは慣れっこになりつつあるから、冷静に答える。


「そうなんです。目立っちゃってますよね・・・!

 まだパーティーを組んでいなくて、1人で潜ってます!(ほんとは1人じゃないんだけどね)」


「急に話しかけてごめんね〜。

 こんなに可愛い子が自転車で、しかも1人でいるからびっくりしちゃってさ・・・。

 つい声をかけちゃった。でもこの3階層を1人で潜るのは危ないよ?

 俺たちのパーティーでよければ、一緒に周る?」



 と優しいお誘いをしてくれた。

 後ろにいる4人も「うんうん」とうなずいている。


 でも・・・フーちゃんとズーマがいるのに、知らない人達とは行きづらいし。


 私にはフーちゃんとズーマがいてくれれば十分だ。


 申し訳ないけれど、お誘いはお断りさせていただく。


「お誘いありがとうございます。でも、危なくなったら自転車で逃げられるし、1人で平気です!気にかけてくださってありがとうございました!」


「・・・そっか〜!

 俺たち、まだしばらくは潜ってるから、また会ったらよろしくね。

 ・・・それじゃあ、気をつけてね。」


 そう言って5人組は、ニコニコと手を振りながらセポを後にした。














 そんな彼らの事をフーちゃんがどんな表情で見ていたかなんて、その時の私は、全く気が付いていなかった——


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