38 お買い物!?
チュンチュン・・・
可愛い雀の声がしてパチっと目が覚めた。
布団に入ったまま時計を見ると、ちょうど6時になったところだった。
今日は早めに起きようと思って6時半に目覚ましをセットしてたのに・・・!
自然と目が覚めるなんてっ!
私も成長したってことかなー♪
布団から起き上がると、私の隣で寝ていたフーちゃんも目を覚ました。
『んぁ・・・おはよーさん。ん・・・?絃がワイより先に起きてるー!!!!』
天変地異の前触れかっ!?
・・・なんて言ってフーちゃんがものすごく慌てて、布団から転がり落ちた。
失礼しちゃうっ!
そりゃいつも、フーちゃんに起こしてもらってるんだけどさ。
自分で起きれる時だって、あるんだからねっ!
「フーちゃん!大丈夫?」
『大丈夫やー!ベッドから落ちたくらいじゃ、ワイのプニプニボディは傷つかへんでー!』
実際にフーちゃんは、ちょっとの衝撃くらいじゃ傷つかないくらい頑丈になっているらしい。
レベルが上がって、シンクロ率も上がっているからそのステータスのおかげなんだって。
私は、ダンジョンの中でしかステータスの恩恵を受けられないけどフーちゃんとズーマは別みたい。
ダンジョンの外でもステータス補正が付いてるなんて・・・他の冒険者の武器はないよね?
聞いてみたいけど誰にでも聞けるわけじゃない。
うちのフーちゃんとズーマが規格外なだけな気がするから、気軽に話せない。
麗央さんになら聞いてみてもいいかな・・・?
そんなことを考えつつ、朝ごはんの準備に取り掛かる。
今日の朝ごはんのメニューはホットサンド♪
フーちゃんのリクエストだ。
10枚切りの食パンにマヨネーズ、千切りキャベツ、ベーコン、チーズ、スクランブルエッグを乗せて、上からパンを重ねれば・・・完成っ!
後はホットサンドプレートで焼くだけ♪
そしてパンを焼いている間に、サラダ、ヨーグルトの準備をすれば・・・
「じゃじゃーん!モーニングセットの完成〜!」
『おぉー!!待ってたでーーー!ジュルッ』
フーちゃん、ヨダレが・・・(笑)
『「いただきまーす!」』
『っ!!!』
『最っ高やー!ほんまに、めっちゃ美味しいでー!店出せる旨さやな!』
「ありがとう!でも大袈裟だよー!挟んで焼いただけなんだからね!」
なんて言いつつ、美味しい、美味しいと食べてくれるフーちゃんを見てついニヤけてしまう。
「そうだ、今日は9時に麗央さんとギルドで待ち合わせしてるからその後そのままダンジョンに行く?」
『そのまま行くでー!今日は土曜日なんやし、ダンジョンで一泊して魔物狩りつくさへん?』
・・・ダンジョンで一泊???
ダンジョンに慣れてきた冒険者は、セポ(セーフティスポット)にそのまま泊まってるって聞くけど・・・
早くない?
「ダンジョンに泊まるなんて大丈夫?まだ冒険者になって一週間だよ?」
『ぜんっぜん、大丈夫やで!ズーマがいくら速くなったいうても移動に時間かかるやろー?セポに泊まれば夜は安全やしな!次の日も朝から戦えるんやからめっちゃ効率いいで!』
確かに・・・ズーマで戦っているところを見られるのは騒がれそうで、いつも人がいないところまで移動してるんだよね。
毎回時間がかかるし、できれば地下三階にも挑戦してみたい。
・・・となれば、宿泊用のテントやご飯など準備しないといけないものがたくさんある。
ギルドの二階にあるショップではダンジョン攻略に必要なものは一通り揃うと聞いている。
そうと決まれば早めにギルドへ行って、ショップで買い物しよう!
ゆっくり食べていた朝食を急いで済ませ、着替えを済ませたりとさっそく準備に取り掛かる。
ちなみに気づいた時にはすでに、フーちゃんのお皿は空になっていた・・・(笑)
フーちゃん・・・もうちょっとゆっくり食べようね!
——
あれから素早く準備を整えて、家を出た。
ギルドへ到着して最初に、二階にある雑貨ショップへと向かった。
ギルドの二階にあるお店はそれぞれ、
【武器・防具ショップ】黒鉄堂
【薬・食品ショップ】まんぷく薬屋
【雑貨ショップ】星屑マーケット(ほしくず)
の三つだ。
ダンジョンで宿泊する用にテントなどを揃えたいから、まずはなんでも揃う雑貨ショップ星屑マーケットへ。
今回は武器は必要ないから、星屑マーケットとまんぷく薬屋二つのお店で買い物予定だ。
星屑マーケットの店内はコンビニよりも一回りくらい大きい広さだった。
入ってしばらくキョロキョロと店内を見回していると、店の奥からガタイのいいおじさんが出てきて目が合った。
「すみません。ダンジョンの中で宿泊できる道具を一式揃えたいんですけど・・・。」
「らっしゃい。・・・嬢ちゃん一人分か?」
「一人分なんですけど、テントはできれば自転車が一緒に入るくらいの広さがあればなーと思ってて・・・。」
頭にタオルを巻いた《これからサバイバルするぜー!》みたいな風貌をしたおじさんが、少し訝しんだ顔でこちらを見ている。
私、変なこと言ったかな?・・・ダンジョンの中で寝る時にズーマだけテントの外って怖いよね!?
盗まれたりしないよね!?
なんて色々考えてしまって、どうせなら広めのテントを・・・と考えていたのだ。
「・・・もしかして最近冒険者の間で噂になってるの、嬢ちゃんか?ダンジョンの中を自転車で突っ走ってるやつがいるって聞いたんだが。」
「え・・・!!!噂ってなんですかっ!?・・・確かに、ダンジョンで自転車に乗ってるけどっ!」
私のことが噂になってるなんて!
めちゃくちゃ恥ずかしいんですけどー!
なるべく目立たないように人前では戦闘しないようにしてたのに。
「そりゃ噂にもなるだろうよ!ダンジョンに自転車を持って行くなんてお嬢ちゃん、面白いこと考えたな!」
ガハハと笑いながら丸太のような腕で肩を叩かれる。・・・痛いよ。
お、面白さを狙ったわけじゃないんですけど・・・!
「それで?自転車も一緒に入れるテントだったか?それなら、これか、こっちのどっちかはどうだ?」
おじさんが出してくれた二つを見比べる。
最初のテントは、ワンタッチ式の2ルームテント。
簡単に組み立てができて広さも十分ある。
2ルームテントは寝室とリビングを兼ね揃えたハイブリッド型で、ダンジョンの中でもプライベート空間をしっかり確保できるそうだ。
二つ目のテントは、ポップアップテント。
袋から出すだけで開いてくれる、優れものだ。
部屋は一つだけだけど、なんといっても出し入れが簡単なことが人気の理由だそう。
本来、一人だとSサイズだけど自転車も入れるならLサイズを買っておけば十分だそう。
うーん。どっちがいいんだろ?
おじさんの説明を聞いたら、どっちも魅力的で悩むなー!
(ワイはこっちがいいっ!ご飯と寝るとこは、やっぱ別がええやろー!)
ダンジョンの外での定位置(胸ポケット)から、フーちゃんが話しかけてくる。
「ちなみに俺のオススメは、2ルームテントだな。最初はダンジョンの中で片付けるのが簡単なポップアップテントがよく売れたんだがな。セーフティポイントなら魔物の心配もなくゆっくり休めるってんで使い勝手のいい2ルームテントが今の一番人気だ。」
フーちゃんとおじさんのオススメが一致したから、迷わずこっちに決めた。
「じゃあ、2ルームテントでお願いします!」
「おう!サイズはどうする?自転車も入れるなら、LかLLがあれば問題ないだろう。」
S、M、L、LL、XLのサイズがあり、Sが一人用、1サイズが上がるごとにプラス一人分増えるようだ。
おじさんオススメのLだと三人用か・・・。
(フーちゃんどーする?)
(そーやな・・・LLでええんちゃうか?荷物の問題はアイテムボックスで解決するしな!それに大は小を兼ねるっちゅう言葉があるやろ♪)
(たしかに(笑))
「サイズはLLでお願いしますっ!」
「おう。じゃあ奥から新しいの出してくるから待っててくれ。」
その後もおじさんに見繕ってもらい、ダンジョンで宿泊する装備が一通り揃った。
雑貨ショップで買ったものが
・2ルームテント
・寝袋
・マット
・ランタン
・テーブル
・チェア
を購入した。
なんと!優しいおじさんが初心者セットとして格安で販売してくれたのでお財布に余裕ができた♪
おじさんありがとうー!
お礼を告げて星屑マーケットを後にして、続いてはポーションや食品類を販売している薬・食品ショップまんぷく薬屋へと向かう。
まんぷく薬屋は先ほどの星屑マーケットよりも小さくコンビニほどの広さだ。
棚には様々な食品が豊富に並んでいる。
アイテムボックスには、すぐに食べられるものをストックしているけど、ここでも少し買い足しておきたい。
あとはポーションも買っておいたほうがいいよね。
すぐに食べられそうな、おにぎり、パン、おやつをカゴに入れていく。
(そこにある関西しょうゆのポテチ買ってー!)
(あ、そこのチョコレートもや!アーモンド入ってるやつやで!)
・・・。
フーちゃん、遠足気分じゃんっ!!
苦笑いしつつも、フーちゃんに指定されたお菓子をカゴに入れていく。
暫くしてカゴがいっぱいになったところでレジへと向かい、ポーションも一緒に購入する。
ポーションは防犯のため、レジでお願いしないと買えない仕組みなんだそう。
レジの列に並びながら今の時間を確認すると8時45分だった。
9時に会議室⑤に行けばいいから、ちょうどいい時間だ。
さっとレジを済ませてから一度、トイレへと向かった。
テントなどの大きな荷物があるので、アイテムボックスへと買ったものすべてを入れていく。
アイテムボックス様々だなー!
手ぶらになって楽ちん♪
スキップしそうな軽快な足取りで会議室⑤の前へいき、一息つく。
このドアの向こうに、治癒スキルを獲得した人がいるんだ。
心臓の音がドクドクと聞こえてくる。
先程までスキップしそうだった気持ちはなくなり、緊張でいっぱいになっている。
そして、少し汗ばんだ震える手で目の前のドアをノックする。
・・・コンコンコン。
「はーい!開いてるから入っていいわよ♡」
「っ失礼しますっ!」
麗央さんの返事を聞いてドアを開け、会議室の中へと足を踏み入れた。
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それでは、また次の話でお会いしましょう!!




