20 ステータス獲得⑦!?
「絃ちゃん!無事でよかったー!」
煙の中から円の外に出ると、大和くんを先頭に皆んながこちらへと駆け寄って来てくれた。
「心配かけてごめんね!もしかして、白い煙で覆われて、なにも見えなかった感じだったりする?」
「そうだよー!なんにも見えないし、聞こえないし、めちゃくちゃ心配したんだよー!」
「神楽、本当に、無事でよかった。中で何があったのか聞かせてくれるか?」
東雲くんが心配した顔で話してくれる。
みんなすごく心配してくれてたようで、不謹慎だけど嬉しくなる。
「ありがとう!結論から言うと、あの黄金スライムは精神攻撃してくるタイプだったいみたいなんだよね!」
「精神攻撃・・・すごく厄介なタイプだな。仮想世界に入ってしまった、ということか?」
「そうみたい!私の精神世界に入ったのかな?・・・そこで一番幸せな瞬間を見せられてね。それが現実じゃないって気づけないと、精神世界に囚われたままになるみたい・・・。」
「え、えげつないっ!絃ちゃんは現実じゃないって、よく気づけたね⁈⁈」
「確かになっ!俺がそんなの見せられたら、絶対に帰ってこれない自信があるぞっっ!」
ワハハ!なんて剛さんが笑っている。
剛さんはなんだかんだ、力技で帰ってこれそうな気がする。
「神楽は、なにかきっかけがあって気づいたのか?」
一ノ瀬くんが、ズバッと聞いてきた。
「・・・そうだね!現実世界での、すごく"大事"なものを思い出せてね、それで、戻ってこられたの。」
「絃ちゃん・・・無事で何よりよ。それにしてもあなた、本当にすごいわね!精神攻撃を打ち破るのって、簡単なことじゃないのよ。並の人じゃ、ムリよ。一番幸せな瞬間を見せられて、そこから抜け出せる人がどれほどいるかしら?」
麗央さんが真剣な表情で話す。
確かに・・・あのまま幸せな世界に浸っていられたらどんなによかっただろうと今でも思う。
でも、フーちゃんやズーマと出会えた現在も私にとっての幸せだって気づけたから。
「ありがとうございます!ほんとに、運がよかったです♪」
「運だけの問題じゃないんだけれど・・・まぁいいわ♡それで、ステータスは無事に獲得できたのね?」
「はい!できました!〈ステータスオープン〉」
【ステータス】
◇レベル : 1
・体力 :70
・魔力 :70
・攻撃力 :70
・耐久力 :70
・敏捷性 :70
・器用さ :70
・知力 :70
◇スキル : なし〈残:1SP〉
◇固有スキル:〈硬化Lv.1※常時発動〉
「すげー!全部70で揃ってるじゃん♪」
「オール70・・・ラッキーセブン?まさか黄金スライムが出たのは、この数字と関係があるのか?」
「数値が全部揃ってる。俺と一緒だな。」
「ラッキーセブンが揃ってるのか!絃はもしかしたら、すげー幸運の持ち主なのかもなっ!」
「そ、そうなのかも!なんかめちゃくちゃツキがありそうな数値ですよね!」
フーちゃんの言ったとおり、ラッキーセブンってことで押し切れそうだっ!
「この※常時発動っていうのはどういう意味なのかしら?初めて見たわ。」
「えっ!それは自転車のスキルで、硬化をずっと発動してるみたいなんです!ちょっとぶつかっても壊れない、頑丈な自転車になっちゃったみたいですねっ!」
「壊れない自転車とかめちゃくちゃお得じゃん♪」
「そうなのー♪めっちゃお得だよねー!」
なんて、大和くんとお得感を分かち合う。
「お得とかじゃないのよ!これは、すごいことなのよ!!みんなダンジョンの外では、武器のスキル使用はできないの!・・・いま初めて、例外に出会ってしまったのだけれど。」
「え!そうなんですか・・・?それってもしかして、ヤバかったり、します?」
そ、そんなの聞いてないよー!
ズーマの常時発動が初めてってこと⁈
「そうね。・・・こんなこと本当はよくないんだけど、剛さん、大和くん、聡くん、蓮くん。このことは、ここにいる私たちだけの秘密にしてもらってもいいかしら?もちろん、強制じゃないわよ。」
麗央さんが四人の方を見て、一人ずつ目を合わせていく。
みんなに秘密にしてもらわないといけないようなことだったなんて・・・。
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
「もちろんっ!俺、絶対に誰にも言わないっす!だから絃ちゃん、安心してね♪」
「もちろん僕も、秘密は守ります。」
「俺も、必ず秘密にします。」
「もちろん俺もだ!誰にも言わねーから、安心しろよっ!」
剛さんが頭をポンッと優しく撫でてくれる。
みんな優しい・・・。
「みんな・・・!本当にありがとうございます!」
「・・・じゃあこの件は、これで一件落着ね♡そろそろギルドへ帰りましょうか。帰って片付けないといけない事がもう一つあるからね♡絃ちゃん?」
「へ?何かありましたっけ・・・?」
ギルドに帰ってギルドカードを発行してもらって・・・その他に何かあった?
「自分が何をされたか、忘れちゃったの?ここにくる途中で、転ばされてたわよね?」
「あ・・・!そういえば、そうでしたっ!あの時はムカッとしてたんですけど、その後の戦いに夢中で、すっかり忘れちゃってましたっ!」
てへっ!
と言って誤魔化そうとしたら、みんなに呆れた顔を向けられた。
そりゃ押された時はムカついたけど、正直それどころじゃなかったんだもん。
なんだか濃いダンジョンツアーだったなぁ!
同行してくれる冒険者が麗央さんで、同じグループに剛さん、大和くん、東雲くん、一ノ瀬くんがいてくれてほんとよかった!
そうして私は怒涛の連続だった、ダンジョンツアーを無事に終えることができたのだ。
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それでは、また次の話でお会いしましょう!!




