見学
「ねぇ、サキに付いてっていい?」
「へ?」
「殺しをするとこに」
「あぁ、いいの?」
マジで何も言ってないからね?ミサキが急に言いだしたことだからね?そこは勘違いしないで。
「サキが仕事するところ1回でも見たいんだよね。良いかな?」
「うーん、それは良いんだけどねぇ…」
ここから真面目シーンするからね、みんな笑わないでね。
「見ることを含め殺しに関わることは裏社会に足を踏み入れることと同等。そして足を踏み入れれば簡単には元の社会には戻れない。それは理解してくれる?」
「…」
ミサキが黙る。まあ黙るよね。
「…私は大きな物を失った。もう戻れなくたっていい。戻れたって意味はない」
「そっか。分かったよ」
真面目シーン終わり。もう大丈夫だよ。
「よしじゃあ社会科見学ってことで案内役である自分も頑張らないとね!丁度任務が来てたから行くよ!」
「うん、分かった。」
今回は銃を忘れないようにね。しっかり用意しないと。
そして2人はとある廃工場に着いた。ここに違法な爆薬を大量に所持している殺し屋が居るとのことだ。
「あ、ちょっとそこで待ってて。なんか危ない雰囲気があるわ」
サキが先に進む。外から覗くと案の定トラップが仕掛けてあった。
「やっぱあるよね。先に行ってて良かったー。サキだけに」
ごめん寒かったね。温かい飲み物奢るから許して。スイッチがあったからオフにして…
「来ていいよー。多分トラップオフに出来たー」
すぐ来てくれた。意外と肝据わってるのかな。
「これがトラップね。こういうのって大体まずは入り口にトラップ仕掛けてあるから気を付けてね」
「うん」
他にもトラップを突破しながら進んでいくと部屋があった。
「失礼しまー…」
バァン!!
『!?』
流石にびっくりした。いやびっくりするよこれは。だって背後からこの音だよ?びっくりするよ。
「クヒヒ…まさか2人来るとはなぁ…しかもどっちも可愛いじゃないか…」
パシュッ
避けられた。強敵だわこれ。
「おっとぉ… 急に撃つとは可愛くねぇなぁ…」
可愛くないのか…
「可愛くねぇやつは嫌いなんだ…死んでもらおうかぁ!!」
なんか球が飛んできた。とりあえず弾く。
バァン!!
爆弾だった。
「弾くとはやるなぁお前ぇ… だがそれも偶然で終わらせてやるよぉ!!」
なんか次は地面が爆発しそう。ミサキの背中を押して走った。
ドガァン!!
爆発した。
「よ…よく分かったねサキ…」
「うぃ」
主人公補正だね。うん。
「それも避けるかぁ… だが」
パシュッ
「カハッ…」
眉間を撃って倒した。
「急所撃ったから大丈夫だよ。おいで」
「えぇ…」
あっさり終わったことに対してなのか遺体に対してなのかよく分からない反応をしている。そりゃするよね。
「以上で社会科見学を終わります。礼!」
「う、うん…ありがとうございました」
工場を出た頃には水場に三日月が反射していた。