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怪物 -Beast-  作者: えりぃて
1 Another Person
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会議

 前回のおさらいだよ。任務を終わらせてコンビニに寄ったら前園ミサキっていう両親を殺された13歳の女の子を拾うことになった。こんなところかな。ちなみにあれから3日経って分かったことがあるんだ。それはその両親が殺しの免許を取っていたってこと。つまりは殺し屋ってことだね。

ちなみに佐田小百合(さだこゆり)っていうmesに所属してるハッカー兼スナイパーに調べてもらったよ。自分と同じで17歳の殺し屋で自分なんて足の小指の爪の白い部分にも及ばないくらい優秀だけど極度の引きこもりで面倒臭がり屋。あと前髪がめちゃくちゃ長い。名前から察した人も居るかも。

おさらいの割に長く話しすぎたね。それでは。


 最近殺し屋連合から多くの犠牲者が出ている。それは任務によるものではなく、連合の共同住宅で殺害されているものだ。連合はその問題を一人の殺し屋、通称『怪物』によるものとして解決を急いでいる。

「サキ、スーツなんか着てどうしたの?」

「あー、ちょっと会議」

「付いてっていい?」

「うーん、駄目」

「そっか…」

今からサキが向かうのは都内の高級ホテルだ。そこで他のmesのメンバーも合流し会議が行われる。


 着いた。車は黒塗りの高級車だし場所は高級ホテルだし最高だね。スーツはだるいけど。で、28階か。高いなぁ。

エレベーターが28階をお知らせしてくれた。それで右の奥か。会議室のドアを開けたらあったのは机と椅子とシャンパン4つだけだった。

次に来たのは鈴木弦人(すずきげんと)さんだった。56歳で自分や小百合より前からmesに居る人で確か最初期のmesのメンバーって会長が言ってた。それに色々怖いけど優しいんだ。あと自分を拾った恩人でもあるよ。ちなみに武器はクリップナイフとデザートイーグルね。ゴツくていいよね。

「ああ、先に来ていたか」

「こんばんは弦人さん」

その次は伊藤継良(いとうつぐら)さん。42歳の二刀流の剣道を極めた達人。この人の斬る物の断面は全部綺麗なんだ。ほんと凄いよ。ただめっちゃ借金があるっぽいんだ。よく弦人さんが貸してるのを見る。それにめっちゃズボラ。無精ひげが生えてる。

最後に来たのは小百合。説明不要だね。

しばらく待っていると25歳くらいの女性の方が入ってきた。会長の秘書だったかな。確か権藤夏美っていう名前。

「mesの皆様、本日はこちらにお集まりいただき誠にありがとうございます。では早速本題に入らせていただきます」

夏美さんが続ける。

「近頃連合員が多数殺害される事件が起こっております。私たちはこれを我々は『怪物』と呼ぶ1人の元連合員の殺し屋による物として捜査を進めております。そしてmesの皆様にはそちらの対処をしていただきたく存じます。よろしくお願い致します。殺し屋界にメスを入れる存在として──」

お辞儀をして夏美さんが出ていった。

「なぁ、これ俺は降りていいか?パチンコとか色々忙しいんだ」

「駄目だ継良。お前はmesとしての自覚を持て」

「…」

「お二人とも喧嘩しないで…でもパチンコはねぇ…」

「お前もかよサキ!どいつもこいつも!」

はぁ…。早く帰りたいけど駄目っぽそうだよなぁ…。

「とにかくこれは俺たちは無関係なことではないんだ。全員そのことだけは覚えろ。分かったか?」

「はいはい分かりましたよ鈴木さんよぉ。とりあえず怪しい野郎を殺せば良いんだろ?簡単さ。もういいか?とっととパチンコで金を増やしたいんだ。じゃあな」

「あぁちょっと伊藤さん…」

継良とそれを追って小百合が出ていく。残ったのはサキと弦人だ。

「あはは… 大変ですね弦人さん… まあこれが解決したらまたどっか行きましょ」

「サキ」

急に名前を呼ばれてびっくりした。

「お前もmesとしての自覚を持て。それに俺たちは人間だ。不死身じゃない。いつかは死ぬんだ。真面目にやらないと平気で命を落とすぞ」

「……」

確かにそうだ。今まで死ななかったのが奇跡なのかもしれない。

「…そうですね。分かりました。忠告ありがとうございます」

「分かったなら良い。俺は先に出る」

出ていった。自分もシャンパンを飲み干し、会議室を出た。

ホテルから出ると完全に夜になっていた。まあアパートから出たときには夕方だったからそうか。

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― 新着の感想 ―
深い内容ですね、次回も楽しみにしてます
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