7話 今日は休日です
問題と向き合います
結局あの後は疲れていた為にすぐに寝てしまった
そして今日は休日なので、いつもなら食材の買い出しをするんだけど······。目の前の問題をどうにかしなればならない
「というわけで、どーん!」
「こちら青い葉を茂らせた不思議な木で~す。」
「見事に葉が青いですね~。」
「しかも光ってま~す。」
「しかも、今朝水をあげたら光が強くなりました~。」
わ~。まぶし~。あっ、少し光が弱くなった。
気を使ってくれたのかな?仄かに点滅してるって事は肯定かな?
あっ、また仄かに点滅してる。
あたってたみたい。
ありがとね~···
···ふぅ。ひとまず落ち着こう。
リラックス~リラックス~
よし。落ち着いた
さて、問題は木だけではない
一連の怪行動を静かに見つめる瞳
この世のものとは思えないほどに綺麗に整った顔
手に乗るほど小さな体と背中から出ている透明な羽
ファンタジーでお馴染みの小さな癒し系?『精霊』さんで~す。
はい。『妖精』かと思ったら『精霊』でした
ご本人に聞いたから間違いないよ!!
正直どっちでもいいよ!!
いや!!良くないけど!!
何で日本の(しかも)家にいるの!?まだ『座敷わらし』の方が納得するよ!?(混乱中
···一通りリアクションした事だし、朝御飯にしよう。(逃避
志希は何かを諦めた様に朝食を作りを始めた。
さて、朝食も無事終わり、改めて精霊とお話をする事に
「精霊さんはどうして僕の所に来たの?」
『気配を感じた。ここに来た。気配あった。だからいる。』
「成る程。気配を感じたからここに来たんだ。その気配って何かな?」
『精霊王様。世界樹の樹。牛乳。チョコ。』
「···。え?精霊王?世界樹?牛乳とチョコは違うよね?牛乳とチョコの気配だったら他のご家庭にも大体あるよね!?どんだけ気に入ったの?」
『牛乳···初めて。美味しい。チョコ初めて···甘い。もっと欲しい。』
あ~···どうやら僕は餌付けしたようです。話が牛乳とチョコで埋まりました。
「美味しいのはわかったから、精霊王と世界樹の事を教えて?教えてくれたらチョコと牛乳をあげるから」
冗談交じりで提案すると
『精霊王様は、その名の通り精霊の王様で、私達精霊を保護して住みやすい場所を作り、管理しておられるお方。ここ数日行方がわからず、皆で探している。』
『そして世界樹とは精霊王様が所持している種から成長した樹で、私達精霊が住む為の霊力を満たした聖域を作ってくれている樹。』
『そして精霊王様と世界樹の気配を感じたのでここに来た。正確には貴方から精霊王様の気配を、この場所から世界樹の霊力を感じたから来た。それが私が来た理由。チョコと牛乳下さい。』
めっちゃ饒舌に早口で喋るじゃん!?
しかもちょいちょい重要な事ありませんでした?
精霊王が行方不明?僕から精霊王の気配?うちから世界樹の霊力?
······。とりあえず、はい。チョコと牛乳。
精霊はチョコと牛乳を受け取り、笑顔で食べ始めた。(うん。可愛い
精霊さんの言葉を整理した結果
·精霊王現在行方不明中
·あの空腹さんから貰った種は世界樹の種だった
·つまりあの空腹さんは精霊王
·精霊王とはあの後会ってはいないから、僕も行方は知らない
そして精霊王の気配とやらは多分巾着袋だろう
実は種植えた後に小銭入れてみたら丁度いい大きさだったから、小銭入れにしてる
それに、シンプルなデザインで丈夫そうだったので···
次回『精霊さんとこれから』




