452話 ちゃんと作った
さぁ、組み立てて流し素麺を楽しもう
凛と世界樹が別行動をしている間、志希は白達と流し素麺のコース作りを進めていた
「白と黒は雫と電の組み立てた支えを固定をして!しっかり縛れば大丈夫だから!琥珀と風華は灯のサポートね」
僕は各々に指示を出して竹を加工する
「これをこう曲げて···冷やした時の戻りも計算して···」
黙々と作業を進めていると、凛と世界樹が戻って来た
「ただいま戻りました。お手伝いします」
「お帰り。早速で悪いけど、これを少し押さえてて···そうそう。よしっ!良い具合に曲がったな」
凛の参加により座業は加速していき、1時間程でコースが完成した
「おぉ~。こうやって見ると結構立派だな」
志希達の目の前には『100%竹による流し素麺のコース』が完成した
竹を薄く加工して縛り紐にしたり、支柱も竹を使用している
「ここまで竹だけで作るのは凄い事です。強度問題は大丈夫なんですか?」
凛が強度を心配している様だが、そこは便利な魔法の出番だ
「大丈夫大丈夫。硬化と軽量化と空間固定で微動だにしないから。ははは」
まぁ、空間固定だけでも良かったんだけど、せっかくなら『ちゃんと作った』って思いたいでしょ?
さて、コースは完成したから次は水を流してみよう
「次は水の流れを確認だね。雫に頼んで水を流してもらおう」
『水生成』
雫が一番高い地点から水を流していく
水は竹の水路を順調に流れていく
「流れは順調ですね。詰まりもなく流れて行きます」
凛も水の流れと漏れ等を確認する
水流は螺旋に到達し、緩やかに流れる
「うん。ここもちゃんと流れてるね。もう少し急でも良かったかな?」
「いえ、これ以上は勢いがつきすぎて水が外に出て行きます。素麺の量によっては外に飛び出るかと···」
ふむふむ···ならもう少し緩やかにしよう。このままだと器が通れないだろう
少しだけ緩やかに修正して様子を見るが、大丈夫の様だ
「ここは大丈夫だね。次は急流か···」
滝を諦めて急流に変更したが、ここで水の勢いを増し、最後まで水流の勢いをつける地点だ
その為に竹の幅が少し狭くなっているのだが、ここで素麺や器が引っ掛かるかもしれない
志希は少し手前で器を出して流してみる
「無事に流れてますね。何回か繰り返してみましょう」
凛と交代で器を流してみるが、特に不具合なく流れてゆく
「さて、最後は終点からの滝登りだね」
最後は大きめな桶を用意してあり、そこに溜まった水は竹筒を通って上昇し、最初の地点(頂上)に戻って行く仕組みだ
一応落下途中のザルで素麺と器を受けれるけど、器はここに到達前に回収する様にしよう
「最後の滝登りも大丈夫だね。水だけだから詰まる事は無さそうだ」
太めの竹筒の中を水が頂上まで一気に上がっていく
そしてまた上から水が流れる循環仕様だ
「よし!このまま暫く流して耐久の確認が終わり次第『流し素麺』を始めよう」
『『おぉ〜』』
志希の言葉に(凛を含む)白達が声をあげる
こうして遂に『流し素麺』が始まるのであった
次回『流し素麺開始』




