424話 煮付けかな?
魚釣れたよ~
「これはどういう事かな?」
マグロを釣り上げた志希(正座中)に誠が問い詰める
「志希君は言ったよね?『あまり大きな魚は入って来ない』って?」
先程のクロマグロは巨大なマグロだった
誰が見ても『小さい魚』とは言えない大きさだった
「多分ですけど···『結界を作る前に範囲内にいた』と思います」
考えられる事を話すしかない···
僕の結界は確かに網目にして『一定以上の大きさの魚は出入り出来ない』様にしておいた
では何故巨大サイズが釣れたのか?
その答えは『結界を展開する前にいた』からだ
そしてもう1つ『範囲が広かった』のが原因だと思う
『狭い範囲だと魚がいない可能性』があった為、念のために『広域展開』したのが悪かったな
うん。半径10kmはやり過ぎたかもしれないね
追い込みをする雫達も狭い範囲だとつまらないと思ったんだ···
広くしたおかげで雫達は嬉々として追い込みをしていたので、僕が怒られるくらい平気だよ?
ちょっとだけ足がしびれてきたけどね?
数分後、『結局は釣り餌の方が問題だ』と言われ、ようやく解放される志希であった
お説教?も終わったので釣り再開です
今回はまともな釣り餌をつけて海に投げる
ぽ〜い···ぽちゃ···
クイ···クイ···グイッ!!
ヒットォ!!
リールを巻き上げ引き寄せる
幸い針はガッチリ掛かっている様で、魚が暴れても外れる様子はない
糸〜巻き巻き♪糸〜巻き巻き♪
「そろそろ姿が見えるかな?」
海面付近まで引き寄せ、姿が見えてきたので一気に吊り上げる
釣り上げたのは大きな鰈だ
鮃に似ているけど、口の形が違うから鰈だろう
「これも···大きいねぇ···」
「「そうですね。座布団程はあるかと···」」
「今回は何もしてないですよ?偶然ですよ!?」
鰈は黒達にまかせて釣りを再開しよう···
ポ~イ···ポチャ···グイグイ···バシャーン!!ビッタンビッタン!!
今度は鰈がどんどん釣れるんだけど!?
気がつけば鰈が大漁だ
こんなに釣れても食べきれる気がしないが、どう調理しようか考える
「······とりあえず煮付けかな?てか、鍋に入るかな?」
家にある鍋の大きさでは調理は無理かもしれない···
雨宮家なら鍋あるかな?
「えっと···綾香さん。雨宮家の厨房にこのサイズと量が入る鍋あります?か?あるなら持っていって欲しいんですけど···」
綾香に聞いてみると、綾香はすぐに確認する為に扉を通って行く
一応ここでも通信は可能だが、下手をすると位置情報がエラーになるだろうから、庭に戻る様だ
こういった気遣いはありがたいね
位置情報とかは『電がいくらでも隠蔽·改竄する』が、なるべくなら平和でいたいものだ
そう思いながら釣り糸を垂らす
グイグイ···グイグイ···ザバァ!!
鋭い牙とウネウネ巻き付いた魚···
今度はウツボが釣れたよ···
こいつも煮付けにしよう
何だろう···煮付けを考えていたからなのかな?
釣れる魚が限定的だ
試しにエビフライを考えて釣りを再開してみよう
ぽ〜い······グイッ!!ビチビチ!!
「「「「·········。」」」」
何で伊勢海老が釣れるかな!?
次回『成長の確認と不安』




