416話 宝箱の形にしませんか?
宝箱って凄いと思う
「箱の中身は~♪化粧水と~♪入浴剤と~♪顔パック~♪」
変な歌を歌いながら金属を含む塊を分解していく
全体をメッキ加工くらいでいいだろうから、そんなに量はいらない
それよりは箱のデザインだ
色々と調べているが、大きさを変更すると歪になってしまう為、現在苦戦中である
「志希さん。デザインで悩むなら、あえてゲーム等で有名な宝箱の形にしたらどうですか?」
そう言いながら世界樹がホログラムで宝箱を見せてきた
蓋が丸っこいあの形だ
有名な某『竜のクエスト』である
ミミックでも有名かな?
「あ~···確かに宝箱だね···。試しに作ってみるか」
試しに小さな宝箱を創造してみる
手元には小さな宝箱
ほとんどが木製で鉄が少し使われている程度の宝箱
「よく見るとこれで戦うミミックって凄いよね?火で燃えたらおしまいじゃん···。酒樽も木製だから酒樽のミミックとかもいなかったのかな?」
あっ!酒樽だと蓋が開かないから無理か···
そう考えるとミミックって合理的なんだな···
金属製のミミックとかいたらどうかな···
そんな事を考え、金属製の宝箱を創造してみる
全体が鉄製で重さが木製の数倍重い···
「これはある程度の大きさになったら蓋が開かないかも···」
目の前の宝箱は小さいが、それなりの重さがある
蓋部分だけでも軽い金属にしてみようか?
蓋をアルミに変えてみると、軽々開く
しかし、何かアンバランスな感じがする
次は全体をアルミに変えてみた
「···見た目が完全に玩具だね。軽いけど耐久性が心配レベルだ」
それなら「金ならどうだ?」と金のみで宝箱を創造してみた
「成金趣味全開過ぎて吐きそう···。銀でも同じになりそうだな···」
銀で作った宝箱は電気が良く通るから危険となり、銅の宝箱と共に却下された
他の金属も同様に却下され、その後もあーだこーだと試作品を量産し、結局は木製の宝箱にメッキ加工をして宝石を少し飾り付ける程度に落ち着いた
中は赤い布張りで、幾つかの仕切りを用意しておく
この仕切りで中を自由に仕切ってもらう感じだ
内容量は500㍉ペットボトルが縦2本横3本で『六文銭』の様に並べて入る大きさにした
うん。これなら使い勝手も悪くは無いだろう
「では、大まかな形は決まったので材料を用意しよう」
まずは木板は『世界樹』の枝を板にして組み立てるよ
世界樹ならそう簡単に腐食しないからね!!
次はメッキだけど···折角だから異世界の金属を使用しよう
志希が格納庫から取り出したのは銀色に近い物で『ミスリル』と呼ばれるファタジー金属だ
「これを溶かして箱に満遍なくコーティングしま~す」
液体化したミスリルを宝箱に吹き掛けてコーティングする
うん。結構上手く出来たかも?
続いて用意したのは色鮮やかな宝石達だ
その中から小さなブルーダイヤモンドを選び、鍵穴の蓋の装飾として固定する
あとは箱に模様を施して完成だ
「···志希さん。人妻に手を出すのはいけませんよ?」
出来た箱を見た世界樹からツッコミがきた
「何言ってんの?」
「これ幾らすると思います?ブルーダイヤモンドだけでもかなりの高額ですよ?」
「しかも世界樹とミスリル銀なんて、はっきり言って『大金持ちの男性が自分の妻(娘)に特別に贈る品』クラスの品ですよ?」
「そうなのか···。じゃあ、これは誠さんにあげよう。ついでに色違いのダイヤモンドも用意してあるから、静社長達にもプレゼントしようか?」
志希は格納庫からカラーダイヤモンドを出して同じ様に宝箱を作っていく
ダイヤモンドの種類はレッド·グリーン·パープル·イエロー等様々だ
(これは止めた方がいいんですかね?最後は女性に刺されませんか?)
次々と製作している志希の後ろで、世界樹はマスターである志希を止めるべきかどうか迷っていた
志希はまだ知らない···
カラーダイヤモンドの価値がとんでもない事を···
そして後日、試作品(写真と詳細)を見た誠に本気の説教をされるのを···
(まぁ、たまにはいいでしょう···)
世界樹は楽しそうにしている志希を優しく見守るのであった
次回『胃が痛くなるよ』




