2話 何だこれ?癒されるんだけど
未知との遭遇中
目を覚ますと不思議なものが浮いていた
(夢かな?何か目の前に丸い光の球があるんですけど?)
目の前にはピンポン球くらいの球体がふよふよ浮いている
(···よし。寝よう)
目を閉じて再び睡眠に入ろうとしたが、携帯のアラームが無情に鳴りだした。
残念ながら現実みたいだ
体を起こすと球体もあわせて動く
「何これ···ちょっとかわいいかも?手に乗るかな?」
興味本位で手を差し出してみると、ふよふよと僕の手に乗ってきた
何とも言えない感触とわずかな重さを感じる
「うん。かわいい」
なんて言いつつ球体をつついてみると、ゆらゆら揺れるが、手から離れる事はない
「何これ癒される」
暫くつついて癒されていると、携帯のアラームが再び鳴り出した
時間を見ると寝坊防止のアラームだ
「いけない!!早く出勤準備しなきゃ遅刻しちゃう」
球体をテーブルに優しく置いて、風呂場でシャワーを浴び、台所で玉子焼きとトーストを焼いて、冷蔵庫から牛乳を取り出し、コップに注いでテーブルに移動して朝食を食べ始める
トーストをかじっていると、球体がコップの上に浮いてくる
「ん?牛乳飲むのかな?って、ちょっと待って!お皿に牛乳移してあげるから、そっちにして!」
急いで深めの皿に牛乳を注ぎ、球体の近くに置いてあげると、球体は皿の縁に乗り、牛乳を飲み始めた
(コップにダイブされなくてよかった。てか、牛乳飲むんだ···。しかも少し傾けて縁から飲んでる···。器用だな)
このまま観察していたいが、今日もバイトがあるのでゆっくりしていられない
朝食を済ませて片付けをし、洗面台で歯磨きをして鉢植えに水をやり、荷物を確認して出勤準備をおえる
「(僕はバイト行くけど、どうしよう?お腹空いても冷蔵庫から牛乳とか出せないよな···。)···一緒に行く?カバンの中にいて、大人しくしてくれれば休憩時間にご飯もあげられるよ?」
何となく聞いてみると、球体はカバンの中に入って動かなくなった
「狭くない?お昼は牛乳でいいのかな?」
一応聞いてみるとふるふる揺れる
どうやら大丈夫のようだ
「じゃあ行こうか」
僕は靴を履いて玄関のドアを開け、バイト先のスーパーへと自転車を走らせるのであった
次の話はスーパーの話かな