186話 よく食べるなぁ···
お兄さんが大食いチャレンジします。
お兄さんの注文した巨大ハンバーガー3個が目の前に出てきた。
飲み物は『水』にしているあたり本気らしい
女性店員の「用意は大丈夫?」の声に頷く
「それでは···スタート!!」
女性店員の声と同時にお兄さんはハンバーガーを持ち上げてかぶり付き、どんどん食べていく!!
ペースが早いけど、大丈夫なのだろうか?
僕は『照り焼きチキンバーガー』を食べながら、目の前の『ハンバーガーがどんどん小さくなっていく』のを見る。
うん。照り焼きチキンバーガーも美味しい。
でも、『目の前の光景のせい』で、正直味に集中できない···
お兄さんは5分程で1個目を食べ終え、休みなく2個目を持ち上げてかぶり付く
食べるペースは変わらず、水も飲まずにどんどん食べる
「よく食べるなぁ···。味変しないでいけるのも凄い」
僕も食べる方だが、このペースでは無理だ。
そもそも『持ち上げてかぶり付く』が出来ないよ。
お兄さんは変わらないペースで2個目を食べ終え、女性店員に注文して3個目に手を伸ばす
女性店員もすぐに注文を通しているが、間に合うのかな?
そしてその心配は的中した。
お兄さんは3個目も5分程で食べ終わり、追加分が出てくるのを少し待つ事になってしまった。
「次はまだなのかな?待ち時間は止まるの?あっ、止めた?後3個はいけるから、先に注文していい?注文通した?ありがとう」
店側としては『3個目を完食するまでに焼ける』算段だったのだろうが、お兄さんのペースは予想より早かった。
周りの観客は「店側の不手際だ」とか言っているが、誰がこの早さで食べるのを予想出来たかな?
文句を言うなら自分も出来るんだよね?
5分程で新しいハンバーガーが出てきたので続きからスタートする。
女性店員は既に次の注文を通しているので、少しは短縮されるのかな?
結局店側の提供が間に合わず、『時間を止めての提供待ち』が何回かあり、店側がお手上げ状態になり、お兄さんの挑戦は(お店側の)『強制終了』になってしまった。
『大変申し訳ありません。』
店長達がお兄さんに頭を下げて謝罪する。
「いいですよ。こちらは美味しい物を安く食べさせて貰ったんですから、文句はないですよ」
お兄さんはそう言って笑う。
「こちら、お詫びの品となります。お受け取り下さい。」
店長から出されたお詫びの『無料券』の束をお兄さんは受け取りポケットにしまう。
そして「お代は返金します」と言われ、僕の分まで返金された様だ。
一緒に払ったからかな?
そして僕にも「お連れ様にもお詫びとして···」と、同じ物を渡されてしまった。
う~ん···良心が痛む···
「せっかく『くれる』っていうんだから、貰っとけ。いつ食えない状況になるかわからないぞ?」
「お兄さんがそう言うなら···ありがたくいただきます。ありがとうございます。」
お礼を言って店長さんから受け取る。
正直『無料券』はかなり助かる
お店には悪いが、自然と笑顔になってしまった。
「んじゃ、行くか?そろそろ帰りの準備しなきゃいけないからな。···じゃあ、ご馳走さんでした。」
笑顔で挨拶をしたお兄さんは店を出る。
『本日は申し訳ありませんでした!!またのご来店お待ちしております!!ありがとうございました!!』
「ご馳走様でした。また来ます。あっ、待ってくださいよ~」
僕は振り返って手を振って、お兄さんの後を追う
僕達が退店したハンバーガー店内は『血の池』と『黄色い悲鳴』がしていた···
後に『血まみれのハンバーガー店事件』と呼ばれるのであった。
次回『帰国しました』




