14話 フルーツポンチもいいかもしれない
引き続き世界樹の実を食べます
とりあえず『野菜の実』の味はわかった。
次はそれ以外の実だ
7種類の色の実···どれも興味がある
再度世界樹に聞いたが、「そのまま食べても平気。味はお楽しみです」としか返って来なかった
まぁ野菜が平気だったから平気だろう
とりあえず白い実を手に取り、食べてみた
皮は薄く、食感は葡萄に近い
食べた感想は『牛乳に砂糖を入れたみたい』だ
これは牛乳ゼリーの代わりにしたらいいかもしれない
潰して果汁を絞れば『甘い牛乳』として使える
今度果汁に『きな粉』入れて『きな粉牛乳』にして飲んでみよう
次は緑色の実を食べてみる
白と同じで皮は薄く葡萄に似た食感だ
味はメロン味に近い
甘さもメロンの甘さを凝縮したような感じだ
次は茶色にしてみよう
茶色の実を口に入れる
これはキウイかな?酸味が強いが、甘味もしっかりとある。これはこれで好きな味だ
次は赤い実を食べてみる
かなり甘いが、くどくない。ライチに近い味だ
さっぱりとした後味に次を欲してしまいそう(我慢我慢
次は黒い実を食べてみる
桑の実に近いな。完熟した桑の実がこんな味だった
完熟した桑の実は真っ黒で甘かったなぁ···
次は黄色の実を食べる
甘さは他のに比べてもそれほど強くない···バナナに近い味と食感だ
最後は水色の実を食べてみる
正直これが1番謎だ
恐る恐る食べてみたら、口内がシュワシュワと刺激される!?
まさかの炭酸!?しかも甘い!!
炭酸の刺激はかなり強いがすっきりした甘さだ
近い味を考えた結果『炭酸飲料のラムネ味』だった
これが1番びっくりだった
全部食べてみたが、どれも美味しかったので、おやつやデザート感覚で食べても良さそう
これならシロップと合わせてフルーツポンチにしても良いかもしれない
世界樹の実が出来た為、明日からはバイト先に精霊さん達を連れて行かなくて良くなった。
世界樹の実は精霊さん達のご飯だ。
世界樹の実はかなりの数が実っている
精霊さん達に聞いたら『量は十二分にある』との事
お昼ご飯問題はこれで解決だ
よかった。
これでバイト先で心配する事が減った。
志希は胸を撫で下ろし、明日の為に素早く入浴を済ませ、さっさと寝るのであった
そして翌日。
バイト中の僕の周りには、7人の精霊さんが飛んでいる···
おかしいな···?家を出た時は確かに家にいたはずなのに···
店長に今日の指示を受け、店内に出たら『精霊さん達が店内を飛び回っている』のを見た時は、危うく変な声が出るところだったよ···。
精霊さん達は『世界樹の実』を持って来ており、お昼ご飯を用意しなくて済んだのは幸いだった···。
何で来たのか聞きたいが、バイト中は我慢だ。
耐えろ!!耐えるんだ!!!!
バイト終わったら聞いてみよう···
そしてバイトは無事に終わり、2日間の休みに入る
「やっと終わった···。(この疲れは『精霊さん達は見えないとは言え、何かしたらどうしよう』って心配したのが原因かな···)」
結局は取り越し苦労だったけどね
それよりも、『重い物の軽量化』や『品出しのサポート』をしてくれた。感謝の品として、帰りに『世界樹の実に似たアイス』を皆にあげたら、その美味しさに狂喜乱舞
アイスを持ったままなのに抱きつかれた。
所々···ベタベタする。
せめて食べ終えてからにして欲しかった。
その後は何事もなく帰宅。
世界樹に挨拶して、着替えついでに風呂に入った。
ちなみに精霊さん達は、風呂桶にお湯を入れて置いておくと自由に入っているようだ
最初は一緒に入ろうとしてきたが、恥ずかしいので交代で入っている
入浴も終わり、いよいよ夕飯作り
今日の夕飯は焼餃子
皮は市販品だけど、餡は自分で作るよ
キャベツをみじん切り
韮もみじん切り
大蒜と生姜もみじん切り
お肉は豚と牛肉の合挽き肉
ボウルに切ったキャベツ·韮·大蒜·生姜·ひき肉·塩·胡椒·卵·胡麻油を入れてよく混ぜる
(この時出た韮·大蒜·生姜の廃棄部分は、世界樹に吸収してもらう為に精霊さん達に依頼。韮はともかく、生姜と大蒜は結構使うので、食費を浮かせるのに一役買ってもらった。)
ある程度混ぜたら小さく丸めて皮で包んで生餃子の完成。
これを皮か餡が無くなるまで作っていく
「皮が余れば『チーズはもう···切れている(ダイスカットォ!?)』(商品名)を包んで、チーズ焼きかチーズ揚げを作るんだ。おやつでもおかずでもいいからね」
「餡が余ったら小麦粉少々混ぜて焼く『餃子餡のハンバーグ』(餡バーグ)にして翌日のおかずだね」
そんな事を考えながら生餃子を作っていくが、今回はどちらも余らなかった。(ちょっと残念
生餃子を作り終えたら、次は生餃子をフライパンで焼く
油を引いて熱しておいたフライパンに生餃子を隙間無く列べ、蓋をして弱火で焼く
底に軽い焼き色がついたら水を少量回し入れて、再び蓋をして中火で蒸し焼く。
5分ほどしたら蓋を取り、水分を飛ばして、底面が焼けていれば完成
試しに1個食べてみる
中まで火が通っているので大丈夫だ
「夕飯出来たよ~」
精霊さん達に声をかけて、テーブルへ餃子と取り皿·醤油·お酢を運ぶ。
僕は白米欲しい派なのでご飯を茶碗に盛る。(今日は大盛りだ)
精霊さん達のご飯も各々小皿に盛っておく
(今度小さな茶碗と御櫃を探しに行こう)
『は~い』
精霊さん達がテーブルに集まったので「いただきます」をして夕飯を食べる
「誰かと食事するのは本当に楽しい。皆の笑顔が嬉しいな」と思いながら食べる餃子は美味しかった。
一応120個作ったけど、全部なくなったよ。
次は『揚げ餃子』用に少し取っておこう···
『また作って~』とリクエストがあったのは本当に嬉しかった。
次回『精霊さん達の特魔法スゲー!!』




