13話 ミニチュアみたいだ
夕飯が終わりました
「ご馳走さまでした。」
『『でした。』』
夕飯に出した野菜炒めは綺麗になくなっていた。
精霊さん達は野菜炒めにも興味を示し、お願い(無言の圧)をして来た
(不思議と味噌汁には興味がいかなかった)
圧に負けて、自分の分の野菜炒めを別皿に移して、残りを精霊さん達に差し出したよ
野菜炒めに群がる光景はちょっとした恐怖映像だった
例えるなら某ゾンビゲーム(ロケラン乱射気持ちいぃ~!!···らしい)
それかスーパーの特売品に群がる猛者?
あれは···誰にも止められない
正に目的へと突き進む王●の群れ
一度のみ込まれたら最後···。
群れが去った床には(前に退職した)男性店員の無惨な姿が···
無事に成●して下さい。(合掌
(でも、あの男性店員···何故か頬を染めて、ア●顔だったような···?)
困った事に明日の朝食の分が無くなってしまった
新たに仕込むにしても、朝は温め程度しか時間がないので、やはり完成品を冷蔵庫へ···
「···粗熱取りの時点で、また狙われるな···」(確信)
「どうしたものか」と悩んでいると、目の前にホログラムが出てきた
「志希さん。『実』が成りました。収穫をしますか?」
···なんか『世界樹の実』ができたらしい。
夕飯の片付けを終えて、世界樹の所へ行くと、世界樹の枝に色々な実が成っていた
まず目にしたのは白い棒状の実だ
大根に似ている
隣にはオレンジ色っぽい棒状の実がある
人参かな?
その近くには薄い緑色の葉を何層にも重ねた丸い実があった
キャベツっぽい
逆さまなのはちょっと笑える
他にも赤·緑·白·黒·黄·茶·水色の実があるがこちらは丸い実だ
どれもサイズはミニトマトくらいだった
「何か野菜のミニチュアみたいだ」
そう呟くと世界樹から反応があった
「今の鉢植えでは、これが限界です。外に植えていただければ、もっと大きくなります。」
「そうなの?外だとどれくらい大きくなるの?」
「大地が有る限り根は伸び、幹は太く、枝葉は広がり、多くの実が成ります。」
「え?」
「外に植えますか?」
·はい
·Yes
·仰せのままに
·大きく育て、我が子よ。父は空から見守っているぞ
(4番目のはスルーするとして)
···全部同じじゃないか!!
さすがにそれは駄目だ!!
「このままでいて!!このままの君が良い!!」
必死に説得しました
「熱い告白をされてしまいました。照れてしまいます。」
世界樹がくねくね動く
···何だかMPが減った気がする
MP無いけど···てか、動くのか世界樹···歩かないよね?
「安心して下さい。(今は)歩きません。」
「心読まないで。そして歩かないんだね!?仮に歩けても歩かないでね!!」
「···········。わかりました」
「間が気になるけど、本当にお願いね?」
「了解です。」
そんなやりとりをしていたら、精霊さん達が世界樹の実に抱きつき、次々と実をもぎ取り始めた。
精霊さん達による、世界樹の実の収穫開始だ。
精霊さん達はある程度実を収穫した後、自分と同じ色の実を美味しそうに食べている
世界樹の実は収穫すると数秒後にまた成るようだ。
一度実を成せば、収穫してもすぐにまた収穫出来るのは凄いなぁ···
「志希さんもいかがですか?このままでも食べられます。味は食べてからのお楽しみです。」
そう言われると遠慮したくなる
精霊さん達はこちらを見て『食べないの?』と首を傾げるが、すぐに実を食べる事に集中していく
こうなったら男は度胸!!
『キャベツっぽい実』を取って、口に入れて噛むと、旨味が口内に広がる
「旨い!!旨すぎる!!『味はキャベツそのもの』だけど、甘さが違う!!まるでキャベツ味の甘いお菓子だ」
「お気に召しましたか?」
「うん。とっても美味しい!!他のはどれが良いかな?」
予想外の美味しさに、次は何が良いか聞いてみる
「こちらの実がオススメです」
世界樹が実を揺らす
オススメの『人参っぽい実』を食べてみる
「これも甘い!!味は人参だが、甘さがヤバい!!ジュースにして飲みたいレベルだね!!」
またも予想外の美味しさに笑顔になる
「この大根っぽい実はどうなの?」
次は『大根っぽい実』について聞いてみる
「それは全体的に辛味がありますが、細い部分は特に辛いです。」
どうやら本当に大根らしい
一応の確認として『大根っぽい実』を食べてみる
太い部分は甘さがあったが、やはり大根だけあって辛い!!
たまらず台所に走り、水を飲んだよ
どうやら『野菜の実』は元の素材を『凝縮』して、味を『濃厚』にした感じのようだ
ちなみに料理にも使えるようで、後日、大根の実を『鰤大根』にしてみたら絶品だった。
精霊さん達も喜んで食べてたよ。
次は何を植えようかな
次回『フルーツポンチとか良さそう』
漸く世界樹の実が成りました。
お待たせしてすみません
次回も引き続き世界樹の実の話です




