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異界の探偵事務所  作者: 森川 八雲
樹乃森 隆
6/17

遺跡

「あっ樹乃森先生!お疲れさまです!」

「やぁ西村君お疲れ様。データは取れたかい?」


洞窟の最奥部と思われる場所に調査室が作ってある

"思われる"というのはこの洞窟の壁の土と、この奥の土、いや、壁と呼ぶべきだろう、この壁の土がまるで違うのだ


様々な道具で掘削を試みるも傷一つ付かない


近くの遺跡で発見された地図を見ると、この奥に祭壇があるはずなんだが…


「それが…ソナーで測ると空間が広がっているんですが…別の場所に入り口があるんでしょうか?…」


そうかもしれないが、違うかもしれない

ここで調査をしている理由は壁にちょうど扉ぐらいのサイズの切込みがある

名刺すら入らない薄い切り込みだ

ここが開くのは間違いない

しかし取っ手も何もない…どうやって開けるのか…


壁に手を当ててみる…特に何も感じない。壁の冷たい感覚だけが伝わってくる


なぞるように手を動かすと、かすかに温度が違う所がある


「西川君、ルーペをくれないか?」

「ルーペですね?どうぞ」


西川からルーペを受け取り、温度が違う所を調べる


「これは…」

今まで気が付かなかったが僅かにスジがある


スジに溜まった土を針で落としていくと、小さな絵が現れた

絵に手を当てると、少し暖かい。

「西川君、サーモグラフィーでは変化は見られなかったんだよね?」

「はい、全部青かったですよ」

青色というのは温度が低いことを指す

しかしどうしてかこの絵の部分だけ僅かに暖かい


この絵の構造は、祭壇に首の無い人が横たわっている様子を表した"文字"だ

恐らく生贄なんだろう


他に無いか背の平を付けてなぞる

「痛っ!」

「先生!どうしました?!」

「いや、大丈夫だ、仕事を続けて」


1mmにも満たない小さな針が出ているのが分かる

手を見ると人差し指の先から少し血が出ている

軍手をしておけば良かったな


壁が赤く擦れてしまっている

先の血が付いてしまったようだ

それを袖で擦ると血文字が現れた

「何だこれは…ここは…しんせいな…」

文字を読み終える前に扉の形のスジから光が漏れ始めた

漏れるというよりかは発光している感じだ


「先生!何をしたんですか?何か仕掛けでも見つけたんですか?!」


辺りは静まり返っている


「あれ?先生?樹乃森先生?!」

西川の声だけがこだまする…

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