エピローグ (11月16日10:50)
2話だけでなんと、合計約8万文字いきました!(1話は3万文字程度なのに…!!)
長かったですが、お付き合いいただきありがとうございましたヾ(*´∀`*)ノ
本日「出国日」と「エピローグ」合計2話を同時更新しています。
では、エピローグをどうぞ。
――20XX年11月16日 10時50分 青少年特殊捜査本部 会議室
渦雷はもやもやした気持ちを抱えながら、会議室に入った。
東雲と晴野とネフィリムが所属する、秘匿班ε班は匿名性を重要視していたが、今回渦雷が参加する秘匿班は、正体を隠すほどではない。
よって、班の存在は秘匿されてはいるが、メンバーは顔を合わせて普通に活動していた。
部屋に居る同じ秘匿班のメンバーにお疲れ様です、とあいさつを交わしていく。
ちなみに、この秘匿班でも上司の意向により、渦雷は班のまとめ役をしていた。
「渦雷君、お疲れ様。ちょっといいかい?」
着席しようとしたとき、渦雷は上司に呼び止められた。
手招きされ、上司について廊下に出る。
「黒沢さん…お疲れ様です。何かありましたか?」
黒沢さんは、今日赴いた秘匿班の上司だ。
さわやかな見た目で、いかにも人付き合いが上手そうな雰囲気のにこやかな男性だ。
ネイビーのスーツに同色同素材のベストを合わせている。
今日のネクタイは赤色だった。
首から社員証よろしく、特捜へ立ち入るためのカードキーを下げている。
渦雷は見た目の美醜は気にしない…というかあまりよくわかっていないが、黒沢さんは顔立ちが整っており、恐らくかなりのイケメンの部類に入るのだろう。
同じ秘匿班の女子が「かっこいい」とよく話しているのを耳にする。
渦雷は黒沢さんのことをいつもお洒落な人だと思っていた。
ちなみに、黒沢さんの所属は公安部内事課だ。
表担当ではあるが、以前裏に居たこともあり、そのせいか裏事情に詳しい。
必要あれば少ない情報を辿って【秘匿されているはずの裏】に接触して情報を取ってくるという…何というか、とんでもないハイレベルな方向に色々とアクティブな人だった。
どうなってるんだ、この人の情報網は…。時々恐ろしくなる。
優秀であることは間違いないため、黒澤さんは特捜内に秘匿班を持っていた。
「天道のスマホのハッキングの件、なかなか愉快だったよ!アニメかな?ホント、笑いをこらえるのに必死だったよ。あれ、どこかの秘匿班が天道の疑惑の調査としてやったみたいなんだけど、めっちゃ怒ってたねー。渦雷君たちは大丈夫だった?とばっちり食らってない?」
「詳細は知らないんですが、なぜかネフィリムと東雲が疑われまして…。その…怒り狂った天道さんをはじめて見ました。……とても怖かったです。」
渦雷は天道の凸を思い出し、青ざめる。
そう、あの天道を〆た一件は「秘匿班が天道の調査を行った」ということになっていた。
天道は元々阿久津の部下だった為、秘匿班εの上司が「裏切者かどうかの調査」という名目にし、ハッキングデータを公安部に提供したのだ。
メールの履歴の復元や通話履歴の復元により、天道自身は無罪と断定された結果、警察や特捜内での居心地が良くなったようだった。
元々〆る(恥ずかしい目にあわせる兼班内のゴタゴタの憂さ晴らし)目的ではあったが、天笠の監視下にまとめて置いてほしかったし、監視されている制限下での行動も見ておきたかった。
天道自身が疑惑をかけられた状態でずっと判別不可と見られていては、1課2係7班としても迷惑だ。
天道がシロと断定されたため、これからは動きやすくなる予定だ。
本当、最高のタイミングで〆れて良かった。
ちなみに、ハッキング時の画面と天道の様子は、本日の業務終了後にこっそり班内で上映予定である。
黒沢さんは青ざめた渦雷を見て、気の毒に思った。
だが、黒沢さんはこんな世間話がしたかったわけではないらしい。
うわ、大変だったね…と言い、話しを続けた。
「さて、本題に入ろう。この前、安在の件を担当していたの、1課2係7班だよね?」
本当、どうなってるんだ、この人の情報網は…。
表裏あわせて大掛かりに動いたから知っているのか、それとも探ったのか。
疑問ではあるが、渦雷はそのまま流してみることにした。
「はい。そうです。表裏あわせて動いたはいいものの、安在が包丁でスパイを刺し、アレクセイにPNGを出せなかった件…ですよね?」
黒沢さんは小さく頷いた。
多少詳しく言ってみたが、合っていたらしい。
…本当にこの人の情報網はどうなっているんだ。マジで。
というか、この人に隠し事をできる人は、この世界に存在するのだろうか。
軽く引いていると、黒沢さんが話し出す。
「安在の警備…監視の方が正しいかな?の穴についてだけど、恐らく…絶対に共有されてないよね?」
「――え。犯人わかったんですか!?」
黒沢さんの言葉に渦雷は驚く。
対して黒沢さんはやっぱりか、といった様子だ。
視線が交錯し、黒沢さんが口を開く。
「それが――どうやら天笠さんが指示を出したらしいんだ。」
え?「回収されなかった伏線は?」って?
3話に繋がるに決まってるじゃないですか~。
番外編を挟まず、明日から3話開始です。3話も引き続きよろしくお願いします!!




