表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
特捜~青少年特殊捜査本部1課2係7班へようこそ~  作者: 八嶋 黎
プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/308

プロローグ

少年少女のオリジナル組織もの。

主人公は渦雷(男)です。

プロローグなので、文章量軽めです。

――20XX年5月末 15時30分 東京某所


 初夏。

 この頃は少し暑く、長袖を着ていると軽く汗ばむ。

 渦雷(からい)はシャツの首元を掴み、前後に揺らして風を送る。防刃チョッキを着ているため通気性は良くないが、やらないよりはましだろう。


「暑いな」

「ああ」


 ともに待機していた霧島(きりしま)から声がかかり、渦雷(からい)は短く答える。

 現在、渦雷(からい)霧島(きりしま)は、ビルの裏で待機していた。


 渦雷(からい)は黒髪の短髪。太めの眉毛とツリ目が印象的な、18歳の男子高校生。

 霧島は金髪のショートヘア。前髪は左側に流している。緑色の瞳と品のよさそうな雰囲気を持つ、26歳の男性だ。

 彼らは特殊捜査本部の所員で、1課2係7班に所属している。


 腰回りに装着している得物を隠すために上着を着て出たが、時間経過とともに暑くなってしまった。選択ミスだ。仕事が終わるまでひたすら待つしかない。地味に暑さの耐久レースと化していることに不快感を覚えていた折に、同じ班のメンバーである東雲(しののめ)から通信が入る。


本日は曇りなり(オペレーター:東雲)。そろそろ動くみたいだよ》


 やっと動くようだ。渦雷(からい)は霧島とアイコンタクトを取り、短く答える。


「こちら雷霧(らいきり)。了解」


 渦雷(からい)たちは指定された位置で引き続き待機する。


 1課2係7班は今回、公安のお手伝いで呼び出されていた。 任務内容は見張り(シキテン)の補佐。公安(ハム)一斉検挙(狩り)を行う。対象(マルタイ)が公安から逃げた場合、こちらで逮捕する(パクる)。要は公安側の人手が足りなかったので人員の補填だ。


《こちら公安A。15時40分、突入を開始する》


 しばらくすると公安から無線が入る。テロリストが集まっているマンションの1室に突入する準備が整ったようだ。

 しばらくすると遠くから声や物音が聞こえてくる。一斉検挙が始まり、捜査員とテロリストが衝突したようだ。マンションにて激しい鬼ごっこが始まる。現場にいる捜査員の指示が無線で飛び交う。


《1名逃走!北方面!特徴は白の半袖シャツにカーキのズボン――》


 おっと。対象が1名、捜査官の包囲網をすり抜けて逃走しているようだ。

 するとすぐに東雲(しののめ)から通信が入った。


本日は曇りなり(オペレーター:東雲)。対象は現在表通りからXXビルとOOビルの間の路地に向かって逃走中!雷霧(らいきり)確保よろ(よろしく)


 東雲(しののめ)は特捜オフィスで待機している。彼は監視カメラを使用して現場の様子を見、逃げ出したテロリストを追跡していた。

 渦雷(からい)たちの待機場所はちょうどXXビルとOOビルの裏だった。後は待つだけである。


「了解」


 渦雷(からい)と霧島は小声で同時に答えを返し、周囲の気配を探る。

 すぐに足音が聞こえてくる。

 対象(テロリスト)は、渦雷たちが待機しているビルとビルの間の、細い路地を走り抜けようとしていた。

 霧島は口元に弧を描く。タイミングを見計らって路地に片足を出す。


「うわっ!?」


 対象は声を上げる。霧島が対象を自身の足にひっかけて転ばせたのだ。お手本のように対象がコケた。

 渦雷(からい)は転んだ対象の腕を取る。霧島が転んだ対象を押さえつける。


「15時42分、内乱罪およびテロ等準備罪の疑いで拘束する」


 渦雷(からい)は対象に告げ、渦雷(からい)は手錠をかけた。

 霧島は暴れる対象を押さえながら、公安に連絡を入れる。


「こちら7班。北方面雷霧(らいきり)対象(マルタイ)確保済。公安(ハム)さん引取よろ」

《こちら公安A。了解。急行する》


 暴れわめく対象を無視し、渦雷(からい)たちは公安の到着を待つ。

 数分後、公安が到着する。引き渡しが終わったところで、東雲(しののめ)から通信が入った。


本日は曇りなり(オペレーター:東雲)天候(みんな)が戻り次第、僕はまた引き篭もるよ。お疲れ様》

雷霧(らいきり)了解。――お疲れ様」


 渦雷(からい)東雲(しののめ)に答える。後は散らばって待機していた仲間を拾って帰還するだけだ。

 これにてテロリストの一斉検挙は幕を閉じた。


不穏な案件との同時投稿になります。

1話は毎日投稿しますので、よろしければお付き合いくださいませ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ