表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死神との契約  作者: オガ
7/14

次の標的


 応接室に行くと案の定外崎の彼女がいた。

 前回会ったときより疲れているように見えた、化粧はしているがいい加減だし、目元にはくっきりとクマができている。


 彼女は俺が来るとすがるような声で聞いてきた。


「あの…あっくんと連絡が取れないんですけど、何か知りませんか?

 些細なことでいいんです、何でも良いんで教えてください。」


「すみません、我々も外崎君と連絡取れなくなって探しているんですが、手掛かりのようなものは特にありません。

 しかし、何故私の所に?

 もっと他に頼れる人も居たでしょうに」


「確かにあっくんの学生時代の友達などにも聞いてみましたが、特に何の実りもありませんでした。

 でも会社の人はまだ誰も聞いてないなって、だったらいつもあっくんが話してくれる上司さんに聞こえおって。

 あっくん上司さんの話をする時は物凄く真剣に話してくれるんですよ。

 あの人は俺がいくら失敗しても見捨てない、それどころか自分の事を後回しにしてまで俺の尻拭いをしてくれるんだって、ほぼ毎日のように聞かせてくれるんです。」


「…そうですか、あいつがそんな事を…」


 その後互いに知ってることを話し合いその場を離れた。



 外崎があんな風に思ってたなんて…俺はなんてことを。

 でも、あいつが仕事が出来ないのが…わるいんだ…

 

 でも俺はまだ9人殺さなきゃいけないんだ。


 黒服が言ってたように松井さんを殺す?

 いやでも、松井さんはこの部署の要だ居なくなったらみんなが困る。

 でも殺さないと俺が死ぬ、一体どうすれば…


 職場に戻ると俺のデスクで松井さんが待っていた。


「おい辻、外崎の彼女と話していたか知らんが、さっさと仕事をやれ。

 ただでさえ外崎がいなくなって手が足りないんだ。

 もっと周りを見て仕事をしろ、自分の仕事が終わったら他人のを手伝え。

 あと明日のお前のパソコンに送っといた資料明日までにまとめてプリントしとけ。

 わかったな!」


 そう言い残すと松井は去っていった、どうせまた見てもない資料へのはんこ押しでもやるんだろう。


「それにしても相変わらずおっかね〜な」


 いつの間にか隣に居たのは俺の同期の中村だ。

 仕事はやれば出来るのに、出来ないふりをしていつも定時で帰っている、ずる賢い奴だ。


「ほんと酷いよな、あれって最近話題のパワハラじゃあないのか?

 ほんと、いつになったら別部署に飛ばされるんだか。

 もう皆飽き飽きしているんだよあの人には。

 いっそいなくなってくんねーかなぁ」



 そうだ、皆迷惑に思ってるんだ。

 俺が殺せばみんなが助かる、もし俺が松井さんを殺したとしても悪いのは俺じゃない。

 松井さんだ。


 

  


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ