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09:勇者、決闘

 約束された決戦の地、「ゴーダ古戦場」。

 少なくともブル朝ホーフランツ王国の歴史が続く限りにおいて忘れられることはないであろう、生前の魔王エト・ブルが初陣にて四倍する大軍を潰走せしめた記念碑的意味のある場所だ。

 エト快勝の験を担ぐ意味ととれるが、「ゴーダの戦い」からブル家の躍進が始まったことを想えば、その功徳はブル王家繁栄の意味をも内包しているとも言えた。


 ともあれ、そんな因縁の地で、魔王は旗下千五百の魔族とともに、小規模な円形闘技場を建造して待ち受けていた。

 対するボー・ブルは、これまでと同様、勇者、侍従長ゾーイ・バーリの三人編成である。

 実際問題として勇者以外は戦力外なのだから、かつてのレオ・ゼーマンの見識はあれはあれで確かなものだったと今ならば同意できる。わざわざ被害を大きくする理由はないのである。

 

 観客席に魔族を置き、闘技場の中央に一人ボー達と対した魔王は、


「先ずは勇者殿に感謝を、そしてボー・ブル殿下に謝罪を」


 静かな表情でそんなことを言った。

 その姿は簡素な白の長衣。まだかつてのブル伯国における標準的な平服姿として記録に残るものだ。

 生涯を武人として数多戦場を駆け抜け、生前から英雄と讃えられた男にして、ひどく柔和な印象を受ける佇まいで、向けられた目は優しげですらある。

 そんな男の言葉に、ボーは不審を覚えた。

 感謝は分かる。一方的な決闘の申し込みを快諾したことに対するものだ。だが、


「あぁん? 何謝っとんねん!?」


 ボーは酒臭い息を吐きながら、長身のエトを下から睨みつける。

 ここにくるまでに四本消費している。今も口が蠱惑の液体を求めて仕方がないが、さすがにこの瞬間くらいはひかえるべきとゾーイが折れないので、仕方なしに今は手ぶらだ。

 

 ――クッソ、酒がないと落ち着かへん!


 なんとなく手が震えている気がするが、これはきっと魔王の覇気に当てられているせいだと思いたい。

 そんなボーの様子に、少し片眉を上げた魔王だったが、すぐに口元を引き締める様にして言った。


「我らが出現にて疲弊を余儀なくされ、御苦労をおかけしたこと、心よりの謝意を」


 王室古礼で以って頭を下げたエトに、ボーはカチンときた。


「しゃらくさいわい! 魔王降臨は人為の業、罹災愁嘆は相応の厄や! 謝るくらいやったらさっさと首くくって一人勝手に逝ンどけダァホッ! 無念残して戻った分際がカッコつけくさって自己満足もエェかげんにさらせよ!?」


 ボーの罵声に身を起こしたエトは再び片眉を上げて見せ、それから目を細める様にして白い歯をちらりと見せ、しかし今度は何も言わなかった。


「アァ? おちょくっとんかワレェ!?」

「いけません、姫様!」


 袖まくりして前に出ようとするボーをゾーイが後ろから羽交い絞めにし、引きずって下がりながら、


「後はよろしくお願いいたします、勇者様!」

「是!」

「ほら、姫様! あちらに特等席が用意されているようですよ!」

「待てっ! 離せやゾーイ! アイツぜったいウチのこと舐めとる! 一発どついたらんな気ィすまへん!」

「はいはい、そうですね、ほら、席についたらたっぷり飲めますから!」

「……それを先に言えや、先に。で、どこや? ウチの席は」

 

 飲めると聞けば話は別で、飲める場所はどこかと尋ねると、そこは四方唯一魔族が着席していない北側の、遠く最上段に隔離された空間だった。貴賓席といったところだろうか。設けられた席も見るからに大きく豪華である。

 配慮だとは分かる。ここにいるのは、魔族ばかりなのだ。彼等から遠ざけて落ちついて観戦できるようにということなのだろうが、しかし、ボーは癇癪を起した。


「遠いわい!」


 今更あんなところまで行きたくないし、何より決闘場が遠くて見にくいではないか。臨場感のかけらもない。

 なのでボーは手近の最下段直近席に座るハゲ魔族に対し、


「おーおー、悪いな、にーちゃんチョイつめてくれへん? なーに、だいじょぶだいじょぶ、ウチはほら、こんな風に小柄やさかいちょっとずつつめてもろたら入れる入れる――あ、えろぅすんまへんな、そっちの人! わざわざ席移ってもろて! いや、やっぱ試合は近くで見るのが一等楽しいさかいな! ホンマおおきにやで! ありがとさん!」


 などと、首尾よく席を確保した。

 そして一端隣の階段に控えたゾーイはちらりと後ろを向いてから思案気に腰を下ろし、特別に用意した王国に伝わる宝器〈無尽蔵酒蔵〉から取り出した酒杯をボーに渡すと、蒸留酒の栓を抜いた。


「では、まずは一献」

「おっおっおっ! もうちょい! もうちょい! 表面張力最大まで――」


 杯が溢れる直前に口をつけ啜り、あとは一気に乾す。一息ついて、


「あとは自分でやるからえぇで」


 と酒瓶をひったくるように手に取った。

 

 こうして観戦態勢を完全にしたところで、改めて闘技場の中央に目をやると、エトの姿が一変していた。

 全身黒色に輝く板金鎧に身を包み、同色の長大な斧槍を両手で構えている。

 いずれもホーフランツ王国特産のクラーイ鉱を用いた逸品で、実物は王家の宝庫に鎮座している、かつてエトをして〈黒獅子〉の異名をとらしめた武装だ。

 その姿で、常時本気装備である勇者と対峙するエトは、遠祖であるという贔屓目を差し引いても、思わず見惚れるような威容を放っていた。


「さて、お手並み拝見といこやないか」


 別にボーのそんな言葉を待っていたわけでもあるまいが、二人はそれぞれ動きを見せた。

 しかし派手なものではない。武器を構え、じりじりと間を詰めていく。


 先に大きな動きを見せたのは当然のように長物を持つエトだった。重厚長大な斧槍を軽々片手で振って、いち早く間合いに入れた勇者の左顔面を鋭利な斧部で薙ぐ。

 しかし勇者は前進を止めなかった。左手に持つ骨棍棒を振り上げ、重さと速さの乗った斧槍の、その先端部を弾くようにかちあげる。同時に、小柄な体を更に低くするように大股の一歩を前に踏み出した。

 長柄の弱点はその長さと重量による取り回しの悪さにある。懐に飛び込んでしまえば、即応は至難――しかしそれはあくまで常人相手の話だ。

 隙をつくように右下段から切り上げられた骨ナタは、人外魔王の剛力をもって、手首の動き一つで強引に軌道修正を叶えた斧槍の柄に阻まれ、鈍い音が鳴り響いた。


 観客席の方々から、ほとんど同時に息つく音が漏れた。


 ――しょっぱなからなかなか魅せてくれるやないか!


 ボーも大満足の激突であった。

 それを皮切りに、二人は距離をあけることなく、互いの攻撃を紙一重で見切るように避け、受け或いは捌きながら、作られた悉くの隙に己の攻撃をねじ込んでいくような、絶え間ない攻防に入った。


 それにしても勇者の「武」の多彩さはどうであろう。

 〈烈風〉のジークとの戦いでは目にも止まらぬ「速さ」を見せた。〈鉄壁〉のヒルデとの対決では、骨棍棒を盾代わりに、大楯と大剣を用いる巨漢に対して、打たせては護り、打っては護られという延々続く「膂力」の勝負を見せたが、どうやらここでは「技」を見せてくれるらしい。

 思えばいずれの魔族との戦いにおいても、勇者は相手に合わせる形で勝負に応じていた。

 正式に「決闘」という形をとったのは今回が初めてだが、何のことはない、全ての戦いにおいて、勇者は「決闘」を行ってきたのだと、今更ながらボーは気付いた。


 ――それが「納得」させる方法なんか……?


 およそ武人と呼ばれる者であれば、力を出し尽くした先では勝敗を論ぜず、「納得」を得ることできるだろうと、そこに導くために勇者はあのように戦うのだろうか。

 しかしそれは、ある意味では傲慢な戦いぶりではないだろうか。


「まあ、それで勝ってきたんやからそれでもかまへんわな」


 実力に勝る者だけが傲慢を通せるのは何処の分野でも同じだろう。

 ボーは味方から見れば大層小気味よい勇者の「強さ」に笑気を誘われ、齧っていた煎り豆のかけらを口から飛ばしながら叫んだ。


「いけー! 勇者はん! そこや! やれ! あー、惜しい、今の斬撃最高やったで!」


 闘技場に響くボーの声援の中、勇者と魔王の最終決戦が熱を帯びていく。


 幾たびもの稠密な交差が果てしなく続く。

 そんな中、ボーの機嫌は徐々に、徐々に悪化していた。

 酒は美味い。量の心配もない。万の大軍に行き渡るくらいある。

 肴も美味い。今日の為に料理人に腕を振るわせたものをこれまた大量に持参している。

 観戦している決闘も見事の一言で、これまた申し分ない。

 しかし、しかしである。


 ――なんやねん、こいつら……。


 自分以外の、観客席で決闘を見守る魔族共が、酷く陰鬱で鬱陶しいことこの上ない。

 彼等の表情は、どれも悲壮で、涙を浮かべている者さえいる。

 何となく理由は察せられる。ほぼ互角に見える戦いだが、どうにも勇者有利の気配が濃いのだ。そもそもエトの武技は戦場のそれであって、決闘のような精緻を要する形での戦いは不得手のはず。

 そんな中であれだけの戦いを見せているのは凄まじいが、それだけに自分達の王の敗色が見えてくると、辛くてたまらないのだろう。

 気持ちは分からないでもない。

 が、声を押し殺し、歯を食いしばって観戦するその姿は、


「辛気臭いわぁ……」


 一人はしゃいでいる自分がアホのようではないか。美味いはずの酒が不味い。

 イライラが極まったボーは立ち上がると、隣で食い入るように戦いを見つめている魔族の頭をはたいた。スパンッ! と、快音が上がる。


「おいハゲェ!」


 ハゲ魔族は、はたかれた部分を撫でながら心外とばかりに唇を尖らせた。


「自分、ハゲじゃないっス。剃ってるんス。こういう髪型なんス」


 言って、後頭部に少しだけ残る馬の尾のように垂れた毛の房を掲げて示した。


「あーん……? その訛り、その髪型――ワレ、オグール氏族の出ェか?」

「そうっス」


 オグール氏族といえば、西方の騎馬遊牧帝国カサのうち、最も東方に進出した一派アヴァール族に属する一氏族である。今ではホーフランツ王国内の一集団として、固有の習俗を失いつつあるが、その特徴的な髪型はまだ残っている。

 かつて遊牧帝国カサは、ホーフランツ王国の立地する高地地方を一時寇掠した後、混乱とオグール氏族だけを残して短期間で西方に去った。何故オグール氏族だけが残ったかは不明ながら、確かな事が一つだけある。


「大将軍エトは、オグール氏族を傘下に収めて、精強な騎兵を率いたちゅう話や」

「その通りっス」

「つまりワレはアレか? エトの元部下とかそんな感じか?」

「自分だけじゃないっス。ここにいるのは、みんな大将軍殿下旗下の将卒で――」

「ほー」


 改めて見回すと、確かにオグール氏族の特徴を持った者が大勢おり、それ以外にもどこそこの出身であろうとアタリのつけられそうな面々がそこかしこに散見せられた。中には明らかに遠方異族の特徴を有している者もいるが、草創期のことで、エトの率いた部隊は多様な構成員を擁していたのである。


「ほー」


 もう一度呟き、なみなみたる杯を傾け、飲み干し、そして衝動的にそれを地面に叩きつけながら叫んだ。


「このゴミカスボケナスアホンダラのマヌケのトンマのスカタンドテカボチャどもォ――――――!!」


 その闘技場を震わした大音声に、闘争の中にいる二人以外の視線が集まった。

 それらを睨みつける様に視線を一巡させながら、


「何をメソメソメソメソメソメソメソメソ……自分らの何百年も前からのアタマがああやって強敵相手に死力つくして戦っとんねんぞ……? なにやっとん? なあ? もっかいゆうで? 自分ら、なにやっとんの? それが精強を誇ったエト軍の流儀なんか? 仲間が苦戦しとる時に蒼褪めてみてるだけとか……それでええんか?」

「で、でもこれは決闘で……」

「じゃかしわいっ!」


 口を挟んできたオグール魔族の頭頂を拳でぐりぐりしながらボーはもう一度怒鳴る。


「それでエエんかっちゅーとんねん!」


 しかし魔族の反応は鈍い。困惑気に左右と顔を見合わせるその姿にこみあげる激憤、わななく右拳をどこに振り下ろそうかと、そう思った時、隣に控えるゾーイが言った。


「殿下、皆様の指揮系統は混乱しておられる御様子。ここは殿下が、道を示し遊ばされるのが宜しいかと」

「チッ、どんくさいヤツらやのぉ……」


 チチチチと連続で舌を鳴らした後、ボーは劣勢勇戦のエトを指さしながら咆えた。

 

「応援したれや!」


 えっ、と方々から、まだ戸惑いの声が上がる。


「応援や! 分からんのけ? 声出せや声ェ! 簡単な話やろがいッ! かわいそうやんけ! 生前来の身内に囲まれとって声援の一つもないとか誰もついてきてくれへんよりよっぽどひどいわ! ウチやったら泣いてるでっ!?」

「しかし……!」


 と声を上げたのは、真後ろの魔族だった。


「摂政殿下にとっては、大将軍殿下が勝利なさるのは不都合なのでは……!?」

「それがどーした」

「えっ? いえ、仮に勇者様敗北の折は――」

「どーでもえぇんじゃンなこたァ! ええかァ!? このボー・ブル様はなぁ!? 生死畢竟の覚悟はとうの昔に固めて来とるんじゃい!! 勇者はんがやられたらウチも死ぬ、それだけの話やんけ!

 せやから毎度毎度これが末期の酒になるかもしれん思いながら飲んどるんじゃ! それをワレェ、こんな辛気臭い中で飲んでも美味くもなんともないやないけぇ!!」


 酒を不味くするのがどれほどの罪か、こいつらには分からないのか、とボーは思った。


 ――ま、まさか下戸ばっかりか!?


 ふと浮かんだ考えに戦慄する。

 別段、下戸を下に見るつもりはないが、水と油ほどに相容れない存在だとは思う。それこそ、上戸の魔族と下戸の人間であれば、前者の方が話があうに違いなかった。魔族の上、下戸となると、もはや絶望的な懸隔を覚悟しなければならない。

 

 ――いや、待て、そんなはずあらへん。オグール氏族とか酒豪ばっかりやん。

 

「なあ? ワレイケる口やんな?」


 酒瓶を振りながら尋ねるとオグール魔族は少し目を見張った後、大きく頷いた。


「酒は大好物っス」

「ふむ……ワレ以外のみんなも飲み助ばっかやんな?」

「全然飲まないのは一握りっスけど……」

「よし」


 ならば、と閃いたのは、


「……ゾーイ、乳酒出せやぁ」

「はい、殿下」


 オグール氏族の伝統酒は、畜類の乳を発酵させた西方由来のものである。

 酒ならば等しく愛するボーは、手に入る酒は全種用意してある。

 まず、自身で革袋に口をつけ、手の甲で口元をぬぐいながら残りをオグール魔族に流した。


「おら、ウチからの有り難いお流れや! 飲めぇ!」

「えっ?」

「あぁーん? 何やワレ、イケる口のくせにウチの酒が飲まれへんちゅぅんちゃうやろなぁ? あぁ?」

「いえ、その……」

「……ゾーイ、他の連中にも配ったれ配ったれ。ほら、そこの、そこのも! どんどん出すから横に上に回してけや! グズグズしてんなや!」


 ボーの命令に従って、ゾーイが次から次へと出す酒瓶、酒袋、酒樽、そして杯から肴に至るまでが勢いに呑まれたように魔族達に行き渡っていく。

 それが大体に行き渡ったと見たところで、ボーは腰かけていた席上に立ち上がって、ぐるり客席を見渡し、新たに開けた蒸留酒の瓶を掲げて咆えた。


「ええか貴様等耳のあなかぽっじってよぅ聞きさらせよォ!? 

 ウダウダウダウダ鬱りよってアホちゃうけ!? 貴様等がつまらん葛藤抱えとんのはこの英明無比のボー・ブル様にはお見通しじゃぃ! 

 しゃぁから存分に飲めやアホ共ォ! 飲んで酔って酒のせいにして本音をガツーンと解放したらんかい!

 ええかァ!? 所詮此の世は一酔の夢や! 泣いて笑って黄昏て! 飲んで飲まれて飲み潰れ、翌朝起きたら記憶がポーンや! 

 それを魔族なんぞに落ちぶれるような無念残しくさってからに! そんな悲痛満面の有様で、どうやって胸張って輪廻に帰るんじゃいボケナス共ォ!!」


 言いたいだけ言って、ボーは天を仰いで酒を垂直に流し込む、溢れ零れる琥珀色の液体が喉から服をしとどに濡らしていくが、気にもならない。


 ――これでも動かんようならこんなヤツらもう知らんわっ!


 唾棄すべき存在として、記憶の中からも抹消してやろうと考える中、


「摂政殿下!」

「何やぁ!?」


 隣でオグール魔族の声が上がったのを見下ろした。


「御下賜、感謝感激の至りっス!」


 言って両手で押し頂くように酒袋を掲げた後、オグールは一気に酒袋を空にし、そして、


「大将軍殿下――! 頑張れ――――っス!!」


 ボーの耳が痛くなるほどの大声で競技場を震わせた。

 それをきっかけにしたように、あちらこちらで酒を飲んではためらいを吹っ切るように大声を上げる者が現れ始め、そしてそれは徐々に周囲に伝播していき、時を待たず声援の大波となってボーの耳を聾した。


 ――おーおー、やっとこさ活気づいてきたやんけ。


 ボーは満足に頷いた。これで美味い酒が飲めるというものだ。


「愛いヤツ愛いヤツ。やればできるやんけ、やれば。なぁ? うん、よぅやった。ほら、褒美や、もっと飲めや。アテも幾らでもやるで。おらっ、どんどん食えやワレェ」

「ありがたくいただくっス!」

「ええでええで! やっぱ酒は楽しく飲んでなんぼやからなぁ! おーし! 飲めるモンはどんどん飲め! 幾らでもあるさかい、遠慮すんな! 飲まれへんヤツはアテ食っとけ、アテ! あ、言う時けどムリに飲めへんヤツに飲ますんはナシやで!? お酒様に失礼極まるさかいなァ!  ガハハ!」


 などと――ボーは先駆けとなったオグールの滑らかな頭を撫でまわしながら、上機嫌で声を張り上げるのだった。

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