あまいもの食べましょう!
「はぁ……とりあえず、話し合いはここまでにしましょ」
「そうだね、話し合いをしていて気づかなかったけどもう0時回ってるし。クリフォードくんも付き合ってくれてありがとう」
「いいえ、気にしないでください。俺もこの家にはお世話になっているので」
パーティーの準備に白熱し、こんな時間になっていた。ご飯は食べたから空腹感はないにしろ、頭を使ったから脳が糖分を欲してる……。
レタは呑気に私の隣の椅子でとぐろを巻いて寝てるし。
なんか甘いものを作ろうかな……。よし。
「お父様、お母様、もう寝られますか?私、甘い物が食べたいので、なにか簡単に甘い物を作ろうかと思うのですが……」
お父様たちは、私の食い意地を見抜いていたのか、待ってましたと言わんばかりに頷いた。
「では、30分ほど待っていてください。おやつを作ってきますので……」
「まて、俺も手伝おう。いつもおまえに作らせてばかりだからな。たまには役に立ちたい」
「……でも、皇子様を厨房に立たせるわけには」
「それを言うなら公爵令嬢が厨房に立つのも、と言う話になるぞ」
「……ふふ、わかりました。では、厨房に行きましょう」
★
厨房の明かりをつけ、果物を保管している氷魔法が施された棚を開ける。そこにはいちごやブドウ、パイナップルが置いてある。
これだけあれば作れるだろう。お祭りでド定番のフルーツ飴!
「では、早速作りましょう!」
「フルーツ飴とは、俺たちが食べるあの丸っこい飴となにが違うんだ?」
「簡単にいうと、果肉を飴でコーティングしたものです。作り方さえわかれば子供でも作れちゃいます」
「おまえは本当に食べ物のことにおいては物知りだな。……じゃあ、さっそく」
まずは鍋に水のグラニュー糖を入れて煮詰める。15分くらい煮詰めると水分が少なくなり、粘り気がでるので、菜箸とかで取って砂糖が固まれば完成だ。
これにイチゴやパイナップルを絡めて、クッキングシート……はないので、竹串に刺し、立てて乾かす。
……完成だ。
「こんなに簡単に飴が作れるなんて知らなかった」
「そもそもが砂糖を溶かして固めているお菓子ですから。練り飴とか、金太郎飴とかは手間はかかりますけど、ただ砂糖を溶かして固めるだけのものであれば簡単でしょう?」
一緒に作ったフルーツ飴。出来立てのいちごあめを手に取ってクリフォード様に差し出す。首を傾げるので……。
「味見ですわ。手伝ってもらったんですもの。自分で作ったものを一番最初に食べれるのは作り手の特権です」
「ああ、うん。いや……味見はいいのだが、その。それは、いわゆる、あーんというやつか?」
「?ええ、はい。嫌でしたか?」
「……その様子だと無自覚のようだな。……はぁ、無自覚なのも考え物だな」
なんで肩を落としてため息ついてるのか聞きたいが、多分私、またなんかやらかしたのだろう。でもなにが行けなかったのかわからないのでどうしようもない。
手を引っ込めようと考えたが、それより先にクリフォ―ド様の手が伸びた。固定された手は逃げることもできず、菜箸にささったイチゴはクリフォード様の口の中へと消えていった。
「ん……お、これもうまいな。みずみずしい果肉と飴のカリっとした触感が癖になる」
「あ……あの」
自分でやっておいてアレなのだが、なんか急に恥ずかしくなってきた。
なんか、こういうのって新婚とか、カップルとか……傍からみたらそう見えなくはないのか!?
「ん?どうした?どうしてそんなに顔を真っ赤にさせている?まるで、さっき食べたイチゴ飴のように赤く、艶やかだぞ?」
「――!!な、なんでもないです~!お、おほほほほ!さ、さて!砂糖も固まったのでお父様たちのところへ持っていきましょう!飴でコーティングしてありますけど、時間が経つと触感が変化しちゃいますし!」
顎をクイっと。乙女ゲームの攻略対象のごとく持ち上げられる。目の前に広がるイケメンの顔面。前世喪女な私にはエロ漫画以上に刺激強すぎ!
クリフォード様の表情が見れなくて、顔を伏せて、飴を持ち上げる。早くお父様たちのところへ行きたくて、小走りで向かった。
「――ちッ。はぐらかされたか。まぁ、いい。まだ時間はある。覚悟してろよ、ミリアーナ…...」




