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転生嫌われ令嬢の幸せ漢飯(日常)  作者: 赤羽夕夜
学園祭編

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49/90

帰宅

合宿から帰ってレタを連れ帰った私は怪我をしたことや、バレたらちょっとまずいことは伏せてレタを連れて来た事情を話して一緒に暮らすことになった。

神獣と聞いて驚いたお父様やお母様たちだが、それ以外は特になにも言うことはなく、新しい家族が増えたと喜んでくれた。


中庭に小屋を建てようかという話になったがレタが【愛玩動物ではないし、狭いところは嫌いだからそういったのはいらん】と断られてしまう。

私の部屋にレタ用のベットで用意することで話は決着し、合宿から帰った日は難なく終わった。


合宿から帰って次の日。


振替休日で学園が2日間休みな私。その初日に起きた時刻はすでに昼を過ぎていた。

起き上がるとレタが枕元で寝息を立てており、カーテンの隙間からは日差しが零れている。

疲れていたのだろうか、寝すぎたからだろうか身体が気怠い......。


いつまでも寝てるわけにはいかないので着替えを済ませて慣れない環境で寝付いているレタを起こすのは忍びないので寝ているレタを放置。

遅めの昼食を取るべく広間に向かうと、そこには寝起きだろうか瞼を重たげに伏せるクリフォード様が座っていた。


「ん......、ああ。おはようミリアーナ」

「おはようございます。クリフォード様も今起きらしたんですね」

「おまえも今から飯か......レタ?」

「レタは寝ているので起こせませんでした。後で部屋に運ばせようかなと」

「神獣と言えども使い魔なのだから気を使う必要はないのに......。おまえは優しいな」


私はクリフォード様の真向かいに座り、食事の配膳を待つ。

クリフォード様の机の上にはスープが置かれている。


「あら、トウモロコシのスープですか?いいですね、季節ですもの」

「今年のトウモロコシは特別に甘いな。うちだとトウモロコシをスープにする文化がないのもあって新しい味だ。それに冷たいスープというのも初めてで美味い」


冷製のコーンスープは前世でもよくコンビニとかで売られていたので、馴染みがないわけではない。

がシレーヌの食文化は奥ゆかしい和食料理が多いので、汁物系となると温かいものが一般的なのだろう。


冷製スープかぁ…...私はカボチャのが好きだなぁ。

でもカボチャの季節は夏からだけど実りたては甘くなく、冬のカボチャと比べるとちょっと味は落ちてしまうし、スープにしてもカボチャの甘味が味わいにくい。

生前だと季節関係なく美味しい野菜が手に入ったけど、野菜を育てる技術も進んでいない世界ではおいしいカボチャを手に入れるのは難しいだろうか。


ああ、なんだか久しぶりにカボチャの冷製スープが飲みたくなってきた。

そして冷製スープには焼き立てのパン。......お惣菜パンなんて概念、この世界に浸透してないし、食べる機会なかったし......久しぶりに作っちゃおうかな。


目の前にご飯があるというのに、未来の献立を考えているという食い意地の強さに自分でも呆れてしまう。


ドリーがごはんを運んできてくれたので部屋に持っていく用のスープもお願いしておいて、運ばれてきたごはんすべてを胃の中に収めた。


......あ、そうだ。

今度の夜食会は夏のパンにしよう!

色々な総菜パンと冷製スープを作って私の自己満足を満たしつつも夏らしさを演出したメニュー......いいじゃないか。

この世界のパンの概念と比べてしまうとおかずを乗せたパンなんてパンへの冒涜......!なんて言われそうだけど、そういう無礼講があるのが夜食会だ。

そうと決まれば今日は1日休みだし、街にいって市場をみてこよう。


満たされたお腹をさすってマッサージをしながら私はアンとメリーに頼んで外へ行く準備を始めた。

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