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転生嫌われ令嬢の幸せ漢飯(日常)  作者: 赤羽夕夜
深夜の秘密食堂(高等部)編

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21/90

【箸休め】来訪前の夜食会

――クリフォード来訪2日前


「ミリアーナ様、参加者全員そろっております」

この日は夜食会でお父様やジョン、ドリーを筆頭に非番の使用人6人が食堂に集まった。

シレーヌ帝国から客人を招くということもありシレーヌ王国から仕入れた食材で王子が滞在する間の献立を考える......というのも含め私たちが楽しむための会が始まっていた。


「お嬢様、言われた通りの食材そろえてますぜ!弟子たちにも運ぶの手伝わせます!」

「ありがとう、ドリー」

「それで、ミリアーナ様、今日はお米や卵なんかをそろえてなにを作る気なんですか?」

今日はお米を仕入れたということもあり、丼ものを作ろうかと思う。

シレーヌ王国でも主食と副菜を別々に食べるのが習慣なようで、こちらの常識と同じく、主食におかずを乗せて食べる行為はご法度とされている。


私はそれを聞いてもったいないと思った。だって、主食とおかずを混ぜて食べることこそおいしい食べ方じゃないか!

マナーとして守らなければいけないことは身に染みてわかってはいるものの、その禁忌を冒してでも私はあえてマナーの悪い食べ方をしたい。

――というわけなので、この夜食会でそんな無作法な食べ方をしたいと思います。はい。

作ろうとしているものを簡潔に述べるとお父様は心配そうな顔を浮かべた。

「これはまた攻めた料理を作ろうとするね……。ミリアーナのことだ。きっとおいしいものを作るのだろうけど......」

「主食に副菜を乗せて食べるのには抵抗がある......けれど心配しないでお父様。今回作るのもきっと気に入ってもらえると思うわ!」

「ミリアーナがそういうのであれば私はこれ以上なにもいわないよ。やってみせなさい」

「ミリアーナ様、私に手伝えることがあるならなんでもおっしゃってくださいね!」

「ありがとう、ジョン。じゃあ、お言葉に甘えて手伝ってもらおうかな」

ジョンに手順を教えながらさっそく今日の夜食作りに取り掛かる。

今回はお米が主役なのでいつもより満足感が得られるものが作れるはずだ。

そして前から食べてみたかったあの料理を作ってみようと思う。


まずはお米を研いで炊く。

この炊いている間にブロックのベーコンをサイコロ状にきり塩コショウ、そしてニンニクで炒めていく。

焦げ目がついたら別の皿に移し、スライスした玉ねぎを炒める。

炒めたら次にボウルに卵、生クリーム、自家製マヨネーズを少し。塩コショウをいれ味を整えたら、フライパンの火を止めて卵液、ベーコンを入れて半熟の少し手前くらいまで混ぜる。

炊けたごはんの上に乗せたら一昔前に流行ったカルボナーラ丼の完成だ。

私は味が濃いほうが好きなので、こしょうとマヨネーズをかける。


今日は私以外は全員男性なのでよく食べるだろう。1人前ずつ用意してお父様から順に配膳をする。

「おお、スパイシーなこしょうの香りとベーコンのこんがりと焼けた香ばしい匂い。なにより新鮮な卵のとろりとした加減が食欲を増幅させるようだ」

丼を眺めるお父様はすぅぅぅ……と匂いが漂う空気を吸い込む。吸いすぎたのか恰好悪くせき込む姿はほほえましくも見える。

「そういえば、今日はシャンデラは来ないのか?卵料理は彼女の好物でもあるんだが……」

「ぬかりなく。少量作ってメリーに届けさせています」

「さすがジョン。できる男は仕事が速いな」

心配もなくなったのでさっそく食卓を囲って実食する。

席順としては上座にお父様と私。そこからひとつ席が空いてジョンやドリーといった使用人が座っている。

1年前までは物寂しかった長いテーブル。そして貴族と使用人が同じテーブルに着くという常識外れ。だが、この夜食会の時だけは身分は関係ない。

私がそう決めて、お父様やお母様が許してくれて、使用人たちも率先して参加してくれるから。

この憩いの時間はこの先も密かに続けばいいな――。

そう願って私はスプーンですくった卵を口に含んだ。

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