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転生嫌われ令嬢の幸せ漢飯(日常)  作者: 赤羽夕夜
深夜の秘密食堂(高等部)編

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20/90

波乱前日譚

シレーヌ帝国。ノエル王国とは友好国であり、痩せた土地が多いが故に作物の収穫量などはノエル帝国に劣るものの軍事力、武力が周辺諸国の中でも群を抜いていおり、小国が合併してできた国である。

そのため数代前から鎖国をおこなって、閉鎖的な関わりしか持たなかったが2代前から積極的に外とのかかわりを持ち始めた。

その関わりの代表となるのがノエル王国だ。

ノエル王国からは主に作物と国を運営するための知恵を。シレーヌ帝国からは武力や食品や布製品、鉱物まで多岐にわたる加工技術の提供を行っている。

そのためいまでは両国の関係は切っても切れない関係にある。


そして個人的にはシレーヌ帝国に一目置いていることがある。それは食文化だ。シレーヌ帝国では主食は米、副菜は漬物などといった長期的に保存できる料理や醤油などといった和風調味料。つまり食の傾向が和に偏っているのだ。


日本生まれ、日本育ちだった私にとっては実に羨ましい限りだ。

ノエル王国はほぼ洋風なのでおいおいシレーヌ帝国の食文化を本格的に取り込みたいと思っている。


――そんなシレーヌ帝国では我が国との両国の親交を深めるため、1年に1度のペースである試みが行われている。

それは互いの王子、または位の高い貴族同士を交換して両国の理解をより深め、いいものにしていくための留学制度だ。

これは王族、貴族から毎年適正があるものが選ばれる。

今回はシレーヌ帝国からは第一王子クリフォード様。こちらからは本来アシュリーが行く予定ではあったが本人が断ったため弟の第二王子のアグニ様がいかれるそうだ。


そして今回、クリフォード様の滞在先に我が家が選ばれた。

本来、王族の来客は王族で対応するのが基本だが、王族が住まう王城は今塗装工事中で来賓を滞在できる環境ではないとのこと。

そこで宰相であるお父様に白羽の矢が立ったわけだ。


他国の王族。もてなしにも失敗は許されないことにお父様ほどの重責はないのに緊張と焦りが走る。

どこか粗相をしてしまえばお父様の印象が悪くなってしまう。私の印象が悪くなるのは一向にかまわないが両親をはじめ、家の者が悪くおもわれるのは避けたい。

まだみぬクリフォード様がどういった人物かわからない以上、滞在中に不備がないように私もできることがあればと、準備を手伝う日々が続く。


――そして、その日がやってきた。

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