それはもう、たいそうビックリしました
「それじゃあ帰ろうか。」
僕から宮津さんに声をかける。
「うん、じゃあついていくね~。」
宮津さんと並んで歩く。他愛のない話をしながら、歩くペースをあわせる。
学校から約15分で自宅に到着だ。
「さ、入って~。」
「お邪魔しまーす。」
「座って待ってて、お茶淹れてくるよ。」
僕は、手早く台所でお茶を用意し、部屋に戻る。
「ありがとう~。」
ニコニコと宮津さんはお茶を受け取った。
「さっそく始めようか。まずは一週間後の課題からだね。」
「うん、そうだね、何をテーマにだすの?」
「ん~、そうだな~。国語は読書感想文でも出そうかな。音楽は歌唱で行く。歴史は起こった事件に対する考察でも書こうかな。」
「ん~なるほどね、私は、小論文でも書こうかな。音楽は楽器で。歴史は似たような感じなるかな。」
お互いにテーマも決まったので、ひたすら黙々と課題を進める。僕と宮津さんは真面目だった。
もっと色気のある展開があっても良いかもしれないが、課題が終わるまで、淡々とした時間が過ぎた。
「ん~~~、おわったぁ~。」
大きく伸びをする。
「おつかれさま~。私も終わったよ。」
同じく伸びをしている宮津さん。思わず、目が食いついてしまった。
「ん~?なあに高嶺君、ジロジロみて~。」
宮津さんのからかいモードだ。
焦るな・・・、冷静になれ・・・。
「そんなことないよ。」
「え~?そうなの?」
「ねぇ、高嶺君。」
「なに?」
「私のこと・・・好き?」
・・・!?
いきなり、爆弾を投入してきた。僕は一気に冷静さを失った。
「な、なんでいきなりそんな事聞くの・・・?」
僕は、早くなる動悸を必死に落ち着かせようとする。
「ん~。だってさ、会ってからずっと私と一緒にいること多いし、声かけてくること多いから気があるのかなって思った。」
・・・宮津さんは、どうやら僕の思いに気づいてたみたいだ。結構自信家なのかもしれない。
「宮津さんって結構自信家なんだね?」
「そんなことないよ、でも、高嶺君のいつもの態度見てたらなんとなく。」
「う・・・。」
宮津さんは、たじろぐ僕の事をじっと見つめてくる。
・・・。
・・・気が付いてしまった。
表面上は余裕そうな態度をしているのに、僕を見ているその瞳は、不安で揺れている事に。
・・・だから。
「宮津さん。僕は宮津さんの言う通り、君のことが好きだよ。教室の自己紹介の時に一目惚れしたんだ。」
不安そうな顔をする宮津さんを見て、僕は思ってしまったのだ。
僕が気持ちを伝えることで不安を解消できるなら、そうしようと。
宮津さんは赤面していた。それはもうリンゴや、サクランボ、夕日。そんな感じの赤だ。
赤面した彼女は可愛すぎて、思考が混乱している。
「ありがとう・・・。凄く嬉しい。だけど・・・。」
宮津さんは、一瞬戸惑い、そして打ち明けた。
「ごめんね、高嶺君、私、男なんだ。」
・・・。
・・・。
・・・。
「えええええええぇぇぇえぇ!」
思考が止まって、その後、大声をあげて驚いてしまった。
彼女の正体は・・・いったい・・・?