彼女はお茶目な一面がある
翌日、委員会当番だったので、宮津さんと一緒に図書室に来て受付をしている。
「こちらの本を貸し出しですね?電子貸し出しをおすすめしてますので、使ってみませんか?」
僕は、早速借りにきた生徒に電子貸し出しを勧めてみた。
「お、そんなのあるんだ。どうすればいい?」
クラス違いの同級生だ。昨日受けた説明通りに対応する。
「ここのバーコードを読み込んでください。そうすると借りますか?って画面に出るのでYESを選択してください。」
「お~、これは凄いね。期限が来ると消えるって出てるけど?」
「それは返却忘れを防止するためのシステムで、もし、必要ならもう一度貸し出し手続きをする必要があります。」
「あ~、なるほどね。了解、それじゃ、また来るよ。」
ふぅ。少し緊張したが、今のやりかたで大丈夫そうだ。昨日も思ったがこれなら簡単だし、続けられそうだ。
「はい、こちらのバーコードを・・・。」
隣で受付している宮津さんも同じような対応をしている。ちょっと親近感がわいてしまった。
あとはひたすら繰り返しだ。その日の活動はそれだけでおわった。
「宮津さん、やってみてどうだった?」
僕から、声かけてみた。
「ん~、隣で先に高嶺君が受付してたの見てたから結構安心して出来た。マネしちゃったし。」
てへ♪っと可愛げにウインクしてきた。
(・・・!?か、かわいい・・・)
「う、うん、別にいいよ。」
僕の今の顔はきっと照れていることだろう。
「高嶺君、照れてる。クスクス」
バレてる!思わず顔をそらしてしまう。
「見間違いじゃないかな!?」
「え~?可愛いのに~。」
からかう様に、のぞき込んでくる。
(可愛いとか言われても、僕は男だし!・・・そ、そんなに嬉しくないよ・・・?)
いや、少し嘘だ、宮津さんに言われると嬉しく感じてしまってる自分がいる。
なんでだろ・・・。深くは考えないようにしよ・・・。
「さて、かえろっか。」
宮津さんは、少しニヤニヤしながらもそれ以上は突っ込まなかった。
「そ、そうだね。」
僕は、そう答えることしかできなかった。
「またね~。」
宮津さんは、いたずらな表情で小さく手を振りながら帰っていった。
「ま、またね・・・。」
僕は若干の焦り(?)と、とまどいの気持ちを持ちながらも宮津さんに応える。