この可愛い女の子は誰だ!?
翌日、放課後のみんなでの練習の後、僕は再び莉緒の家に来ていた。
「お邪魔します。今日は二人ともいないんだね。」
「うん、昨日おやすみだったからね。」
すると、家には二人きりという事になるが・・・。いやいやいや、僕の家でもそうだったじゃないか・・・。
落ち着け・・・。
「さぁ、入って~。」
昨日と同じように、莉緒と一緒に練習しつつ意見を惜しまずに伝える。
「凄く表現が豊かに表せてるよ。良い感じ。」
「葵君のおかげだよ。」
「ちょっと早いけど休憩しよっか。」
・・・。
「ねぇ。葵君。」
「ん?なに?」
「葵君、前から思ってたんだけどね。葵君って顔が結構可愛いと思うんだ。」
莉緒がちょっと悪だくみしてそうな笑顔で、すり寄ってきた。
「どうしたの突然。」
「これ、着てみない?」
そういって取り出したのは、ふりふりの可愛いシャツと、ひざ丈くらいのスカートだ。
「なぜ・・・そんなものを・・・。」
「似合いそうだから♪」
ルンルンと莉緒は楽しそうに言う。
「いやいやいや・・・。」
「ね、着てみたら楽しいよきっと。絶対似合うから!」
グイグイ来る。
「わ、分かったよ・・・。少しだけね?」
もうここは断れないから、着てみて似合わないと分かったほうが早いと思った。
「やった。着る以上は可愛くしないとね~。」
「え・・・・?」
・・・。
・・・。
色々された。着るだけのつもりだったのに、あれよあれよと、ウィッグを付けたり、化粧をしたり・・・。
そして、鏡の前に立ってみた。
そこには美少女がいた。
この可愛い女の子は誰だ!?
・・・自分です。
「・・・。」
僕は鏡に映っている美少女(自分)を見て、固まっていた。
「可愛い~♪やっぱり思った通り凄く似合う!」
莉緒は嬉しそうにはしゃいでる。
「うわ~。これ本当に僕?信じられないんだけど・・・。」
莉緒と鏡を見ながら、喋ると当然鏡に映っている自分も口を動かしているから、疑いようはない。
「葵君、いや、この姿なら葵ちゃんだね。葵ちゃん、どう?」
「複雑な気分かな・・・。」
本来なら、女性の格好をして似合うと言われるのは余り嬉しくないかもしれない。けど、それ言ったら莉緒は男の娘だ。今の自分の格好を否定するのは莉緒も否定してしまう気がした。
なによりも、莉緒に可愛い、似合うと言われるのは嫌ではなかった。他の人に言われたら嫌だっただろう。
「でも、なんだろう、ちょっとドキドキするかな・・・。」
複雑な境地ながらも、不思議な高揚感を感じている自分がいる。
莉緒はそんな僕をみてニコニコとしながら。
「今日、帰るまで着てていいよ。」
そんなこと言ってきた。
「え!?いやいやいや・・・。」
「だって、顔にもっと着ていたいって書いてあるもん。」
ぐぬぅ。確かに、僕は今の格好にちょっと執着が沸いてしまっていた。
結局押し切られるように、僕は帰る時間になるまでその格好でいる事にした。
そんな状況にドキドキしながら・・・。
「じゃあ、またね。」
「またね~、今度は違う服も着させてあげる~。」
ニコニコと莉緒は手を振って見送ってくれた。
違う服を着せてもらえると聞いて、ドキっとしてしまったのはやばいかもしれない・・・。
主人公が男の娘に・・・?




