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金髪美女、襲われる


「だ、誰っ!?」


 悲鳴混じりに叫ぶ女性。


 声によって、男たちは女性に気付く。


 すると欲望丸出しの目でニタニタと笑い出した。


「おい女だ。それもかなりの上物」

「こんな田舎の、しかも村はずれの場所にこれほどのやつがいるとはな」

「せっかく忍び込んだのに何もねえかとがっかりしたけど、こりゃとんでもねえもんが手に入った」

「ウヒヒヒヒ」


 一斉に、男たちは笑い声をあげた。


 下品さしか感じない行動に嫌悪感を覚えつつ、女性は訊く。


「まさかあなたたち泥棒?」

「んー似たようなものだけどちょい違うな」

「あいつらと違って、おれたちは臆病じゃない」

「人がいれば殺してでも、そいつのものを奪う。いなくても奪う」

「いうならば盗賊さ。泥棒なんて弱っちい連中とは比べないでほしいぜ」

「……というか、ずいぶんと察しが悪いなあんた」

「こりゃ相当の箱入り娘だぜ。たまんねえ。こういう無知に色々と教え込むの大好きなんだよ」

「それはおれも好きだ」

「おれも」


 また三人は一斉に笑い出した。


「ウヒヒヒヒ。やっぱりおれら最高の三人組だぜ」

 

 パーン。パーン。パーン。


 小、中、大。それぞれ体格が違う三人の盗賊は手を叩き合って喜びを示した。


 小柄の盗賊を先頭にして、三人は女性のいるベッドへ近づく。


「それじゃ女。おれたちのところへ来てもらうぜ。なに抵抗しなけりゃしばらくは安全さ。まあ楽しませてもらった後のことは保証できねえが」

「止めて。来ないで」


 記憶が戻っておらず、未だ知らないことの多い女性だが、本能的に三人へ恐怖を悟った。

 もし連れていかれれば自分にとって危険なことをさせられる。

 下手をすれば生きていられないかもしれない。


 女性は逃げようと、窓を開こうとする。


 壁へ倒れ込んで手を伸ばして、冷えている取っ手を回して錠を外す。

 握った拳を叩きつけて、凍って接着していた窓を開くと、最後に身を投げようとした。


「おっと残念」


 しかし必死に体を乗り上げさせたところで、ベッドの上に立っていた小柄の盗賊に阻止された。


 女性を部屋の床へ放ると、窓を閉じる。


「寒いねえ。いやもう少しだったのに悲しいねえ」

「しかしこいつ。さっきの動き見たところどうやら怪我してるようだ」

「ふうん」


 大柄の盗賊の意見を聞いた小柄の盗賊は、何かを思いついたらしく指を鳴らした。


「おまえら、怪我人は看病してやらねえと思わねえか?」


 面白がる顔つきを見て、残りの二人は賛同する。


「ああそうだな。怪我人を放っておくのは最低だな」

「そうだろう。だったら今外に出て冷めた体を温めてやらねえとな」

「何する気?」

「看病さ。確か水は台所のところにあったな。そこまで頑張れよ」


 小柄の盗賊は人差し指を伸ばした。

 

 女性の服が背中から燃えだした。


「いやぁああああ」

「ウヒヒヒヒヒ。最高の見世物だ。普段は手にすることも出来ない極上の獲物を徹底的に壊す。あまりの興奮にアルコールを直飲みしたような気分になるぜ」

「今日のおれたち冴えてるぜ」


 絶叫と笑いが響き合う。


 熱湯とは比較にもならない痛みが女性を襲う。

 服を脱ごうとするも、急に掻き始めた汗で滑って手がおぼつかない。


 手段としてはこれしかなく、芋虫のように女性は這いつくばっていく。

 

 歩きにも及ばない速度で動いていく内に体は火に包まれていく。

 

 痛みを感じる場所が広がっていく。

 燃料を得て、高熱になっていく火はさらに痛みを強くしていく。

 

 ドアの前に辿りついた。

 

 火は背中全体にまで広がっている。間に合うかも分からない状況の中、ただ耐えられない暑さから逃れようと女性は腕を上へ伸ばした。


 白く細い指が、さらに上から踏みつけられた。


「ウヒヒヒヒヒ」


 足をどかしても動かなくなった女性を見て、盗賊たちは大笑いする。


 女性にはもう起き上がる気力はなかった。


 苦しい。

 

 けど力が入らない。


 女性は暖炉の薪のように身が焦げていくのを感じながら、目を閉じた。


 そのまま眠りにつこうとする。

 

 喉が渇く。 

 

 火が肌を炙る。

 

 熱で感覚が溶けていく。


 嫌だ。


 こんな状態のままでいることなんて耐えられない。


 もう終わって。


 女性が体を燃やす火に強烈な拒否感を覚えた。

 

 その瞬間のことだった。


 三人の笑い声が止み、寒風が全身を巻いた。


「おいあんた。大丈夫か!?」


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