3話 異世界
ブックマークありがとうございます。
熱中症で死んでました。
投稿遅れてすみません。
目が覚める。
「良かった、知らない天井だ」
そこには薄暗いながらも、しっかりと天井と分かるものが存在している。
「お、やっと気がついたな」
声のする方へ目を向けると賢治のニヤけた顔がある。
目覚めて最初がこいつの顔を拝むことになるとは、気が滅入る。
「なかなか覚めないから、心配したわよ」
紗耶香も居るようだ。
起き上がり、周りを確認すれば全員居るようだ。
レイナがいった通り、勇者召喚された場所に送られたみたいだな。
場所は、かなり年数が経ったと思われるレンガ造りの開けた場所いる。
薄暗いながらも、松明みたいな物で明かりは多少取られているようだ。
そんな風に周りの確認をしていると、男性の声が聞こえた。
「ようこそ勇者様方、まずはこちらの勝手でお喚びしたことを謝罪させて頂きます。」
声は前の方から聞こえた。
そこには、レイナほど美しくはないが金髪に白い礼服のようなものを来た、二十歳くらいの男性がいた。
その後ろには、白いローブでフードを被った集団が十数人いる。
「我々は今、魔王の危機に晒されております。我らだけでは魔王を打つことができず、古より記された召喚魔法により勇者様方をお呼びしました。どうか我らをお救いください」
勇者召喚されたということは当然魔王も居るよな。
そして、魔王を倒してくれということになるよな。
しかし、男にお願いされるよりお姫様とかにお願いされたかったものだ。
「待ってください。こんなところに急に呼びだされて戦えなんて、そんなことできるわけないじゃないですか!そんな危険なことにこの子達を行かせる訳にはいきません!」
美鈴先生が怒っておられる。
「小さい」と言われた時以上に怒っておられる。
「それには及びません。勇者であるあなた方は戦える力を持っておられるはずです。こちらの水晶に触れてください。さすれば、あなた方の強さが表示されるはずです」
美鈴先生はまだ納得できません!といった感じでズンズンと前にある水晶に向かっていく。
そして、水晶に触れるとステータスが空中に表示された。
【ステータス】
名前:ミスズ
Lv:1
職業:勇者
HP 1000/1000
MP 1000/1000
攻撃力 1000
防御力 1000
魔力 1000
抵抗力 1000
はやさ 1000
運 20
【スキル】
異世界言語翻訳
アイテムボックス
鑑定Lv.1
体術Lv.3
剣術Lv.1
【魔法】
火魔法
水魔法
土魔法
風魔法
光魔法
「「「「「おお!」」」」」
「これは素晴らしい!」
ローブの連中や金髪の男が騒いでいる。
あの水晶に触れると他人でも触れたもののステータスが見れるのか。
しかし、美鈴先生強過ぎないか?
職業が勇者とかにもなってるし、美鈴先生が勇者だったのか。
「普通ならLv.1で100もあれば良いほうなのですが、さすが勇者様。1000もあるとは驚きです。さあ他の勇者様方も水晶に触れて下さい」
美鈴先生は?な感じで首を傾げているが、クラスメイトは次々と水晶に触れていく。
結果として皆が勇者でした。
ステータスも美鈴先生ほどはないが500以上はあった。
そして、いつの間にか皆水晶を触ったみたいで、俺の番になっていたようだ。
俺が水晶に触れるとステータスが表示された。
【ステータス】
名前:シュン
Lv:1
職業:無
HP5/5
MP5/5
攻撃力5
防御力5
魔力5
抵抗力5
はやさ5
運50
【スキル】
異世界言語翻訳
アイテムボックス
鑑定Lv.6
うむ、称号とか加護が表示されない。
この水晶ではそこまで表示することはできないのか。
それにしても、ステータスは5である。
見直しても5、職業も無である。
・・・・・・・・・・・・
「「「「「ははははははははっははは」」」」」
「これは驚きましたね」
ローブの連中は笑い。
金髪の男も苦笑いである。
「「「「「ははははははははははっははは」」」」」
クラスメイトも爆笑である。
ちくしょおおおおおお!
「シュンくん・・・・・」
美鈴先生がとても悲痛そうな表情で俺を見てくる。
やめて、笑われるよりなんかつらいから、その顔やめて。
「そ、それでは、皆様が水晶に触れ終わったようなので、これから訓練場の方へ移動して頂きます」
訓練場に移動すると体育館よりも広いところだった。
そこで騎士の格好をした人達が訓練している。
俺達が唖然としていると騎士の中から一回りデカイ騎士がやってきた。
「お前たちが勇者だな。俺はゲルド。騎士団長を務めている」
野太い声で自己紹介してくる。
顔はカブトで見えないが、身体は筋骨隆々としていることはわかる。
「それでは騎士団長、私は仕事がありますので後はお任せします」
そういうと金髪男は去っていった。
「それじゃ、まず始めにここにある武器から好きなのを取っていってくれ」
そう言いながらゲルドと名乗った男が指し示した所には箱に剣や槍などが入れられている。
皆次々と好きな武器を取っていく。
俺は最後で良いかと順番を待つことにする。
そして、皆武器を選び終え俺も武器を取りに行くと、そこにあったのは錆びた鎌しかなかった。
もう一度言う、錆びた鎌しか無いのだ。
「悪いな、勇者がこんなに召喚されるとは思わなくってよ。予備の武器を出したんだが足りなかったみたいだな」
ゲルドのおっさん(たぶん)は悪びれた様子もなく、そんなことを言ってきた。
「まあ、武器がないよりマシだからいいさ」
「そう言ってくれるとありがたい。それじゃ、各自別れて軽く模擬戦でもしてくれ」
ゲルドのおっさんは、その場を離れて行き代わりに俺の前に来たのは、軽鎧に身を包んだ。見た目盗賊顔のやつだった。
「俺がお前を指導してやるカイルだ。お前、勇者じゃないらしいな。へへへ、死にたくなかったら俺様の命令に従えよ?」
なんとも感じの悪い男だ。
しかもすでに勇者じゃないことが広まっているみたいだ。
誰だ、速攻バラした奴。
「シュンと言います。よろしくお願いします」
「挨拶はいいから、さっさと掛かって来いよ」
そう言いながらカイルは俺に剣を向けてくる。
俺は、カイル目掛け鎌を振るいカイルは剣でそれを防いだ。
その瞬間
パリイイイイイイイイイイン
鎌が砕け散った。
『鎌術を覚えました』
嘘!?早速武器が壊れた!
錆びていたけど、まさかすぐに壊れるとは思っていなかった俺はその場に立ち尽くした。
「戦闘中に武器が壊れたからって、ボーっとしてんじゃねぇよ!」
カイルは構わず剣を振るってきた。
痛ってえええ!
刃は潰されているみたいだが、金属の塊で殴られれば痛い。
武器はすでに使い物にならない。
殴る、蹴るを試すが尽く防がれる。
『体術を覚えました』
さっきからなんか聞こえるが、それどころではない。
カイルの剣を避けようとするが、早すぎて避けきれず、身体の至る所に打ち込まれる。
「おらおらおらおらああああああ!」
カイルは剣を振るうのを辞めず、俺は為すがままだった。
その後は抵抗もできず甚振られ続けた。
「今日はこのくらいでいいか。これから毎日、甚振ってやるからありがたく思えよ」
カイルが満足そうになにか言っているのが聞こえる。
俺は身体の痛みを感じながら意識を失った。