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2話 女神に会った

ブックマークありがとうございます

目が覚めると知らない天井。

『知らない天井だ。』

と言いたいんだが、天井かどうかすらわからない。

白いからな。



起きて周りを確認してみる。

ここが異世界か。

異世界って白いんだな。

右も左も、前も後ろも、ついでに上も下も真っ白だ。



しかも、俺だけしかいないとか・・・。

不安になるから、まずはここが何処だか確認することにしよう。



しかし、白いな。

目が痛くなるぐらい白い。

歩きながら何かないか確認しているのだが、何も無い。

まずいな。

真っ直ぐ歩けているかすら怪しい。



こういう白い場所は、異世界転生前に神に会うイベントがあるよな。

小説での話だが。

現実は神にすら会わない。

何も無さ過ぎて飽きてきたな。

これは、目を瞑りながら歩いても平気なんじゃないか?



しまらく、目を瞑りながら歩く。

次は、目を瞑りながら走ってみる。

偶に転けそうになるが、この不安定感が楽しい。

今度は、ジャンプをしようと助走をつける。



そして、ジャンプをしようとすると何かに躓いた。



「ぶっ「きゃあ!」!」



ズサアアアアアアアアア



大事故だ。

何も無いと調子にのればこれだ。

やはり、目を瞑るのは危険だな。



それより、俺は何に躓いたのだろう?

何やら透き通るような綺麗な声が聞こえた気がしたが?

俺が躓いた物に目を向けると、そこには綺麗な女性が倒れていた。



・・・・・・・・・・・・・・・



死んだか?



「ん~・・・痛いわ~」



良かった生きてた。



「勝手に殺さないで~」



この女も俺の心を読みやがる。

おそらく、あのハゲ(神)の仲間なのだろう。



「あのハゲ(神)が~誰だか知らないわ~、私は~レイナよ~」



ゆっくりと所々伸ばすようなしゃべり方をする女性だ。

独特の雰囲気を醸し出している。

レイナと名乗る女性を改めて見てみる。

身長はおそらく170cmぐらいだろう。

金色に輝く、腰まで届く髪。

目はタレ目で、瞳は少し潤んでおり、綺麗な蒼色をしている。

服は白い綺麗な布を着ている。



気が付けば、俺と彼女は見つめ合っている状態が続いている。

さすがにいつまでも、女性を転がしておくわけにもいかない。

俺は女性に手を差し伸ばし、謝罪する。



「すまない。ちょっと余所見をして(目を瞑って)いた」



「いいわよ~。ここに~人が来るのも~久しぶりだし~、良かったら~一緒に~お茶でも飲みましょ~」



そう言うと目の前に、ちゃぶ台、湯気が立ち上る湯呑が現れた。

せんべいと座布団まである。

この女性の見た目からは日本らしい雰囲気が一欠片も感じられない。

なのに、この日本を髣髴とさせる物は一体なぜだ?



「それは~、あなたの記憶から読み取ったものだからよ~」



勝手に人の記憶読むの止めてもらえます?

ついでに考えを読むのも止めていただきたい。



「記憶は~、もうほとんど読んだから~、もう読まないわ~。でも~、心の声は無理よ~。聞こえてくるんだもの~」



時すでに遅し。

記憶をほとんど読まれたということは、俺のPCの隠しフォルダーで尚且つバスワードによるロックを掛けてある、例の物の存在も知られてしまったということか。



「そうね~、趣味は人それぞれよね~」



「・・・・・・・・・」



座布団に座る。

お茶を啜る。



「あ、美味い」



「ほんと~?初めて出したものだから~喜んでくれて嬉しいわ~。でも~、現実逃避しても~「わかってるっ!」」



人が無かったことにしようとしているのに、追い打ちかけて来るんじゃねぇ!

何気にSだな、こいつ。



「レイナって呼んで~」



「わかったよ!で、レイナはここで何をしていたんだ?」



あまりこの話題を引っ張りたくないから、適当に話を振ってみる。



「私は~ここで~、世界を管理しているのよ~」



「世界の管理?」



「そ~よ~」



レイナに聞いたところによると、ここはレイナが作った神域で、レイナは世界を管理し、世界の調和を保っているのだとか。

世界は神によって作られ、1つの世界に1人の神が管理することになっているそうだ。

神同士での繋がりはなく、他の世界の神がどういう奴なのか知らないらしい。

だから、レイナがあのハゲのことを知らなくても仕方がないとのこと。



俺が躓く前は、勇者召喚によってできた穴を塞いでいたらしい。

疲れて横になっていたら、俺に躓かれたそうだ。



「本当にすまなかった」



「もういいわよ~。さっきも謝ってくれたし~。それで~、他に聞きたいことはないの~?」



「そういえば、何で俺は神域っていうここにいるんだ?」



「それは~、あなたがこちらに来る時に~踏ん張ったおかげね~」



「は?」



なに、あの踏ん張りのせいで俺はここにいるのか?

あの踏ん張りで俺の隠された力が目覚めたとか?



「もっと詳しく言うと~、あなたの踏ん張りによって~他の人より遅く転移が始まって~、あとは~私が修復で使った力に引き寄せられたってとこね~」



「だから~、ここにはあなたしか居なくて~、他の人は~すでに勇者召喚が終わってるはずよ~」



やってしまった。

あんなアホなことさえしなければ、俺は皆と勇者召喚を済ませていたはずなのに、俺はこれからどうすればいいんだ?



「心配しなくても~私が~、他の人達が~転移された時と~場所に~送ってあげるわよ~」



「本当か?」



もし送ってくれるなら、ありがたい。

ここで、レイナと喋っているのも楽しいのだが、やはり異世界での冒険もしてみたいからな。



「それじゃ、さっそくお願いできるか?」



「いいわよ~。久しぶりに~楽しかったし~、私から~プレゼントをあげるわね~」



「プレゼント?」



「ステータスを~確認してみて~」



何かスキルでもくれたのか?

確認すればわかるだろう。

ならさっそく。



『ステータスオープン』





【ステータス】


名前:シュン

Lv:―

職業:無

HP 5/5

MP 5/5

攻撃力 5

防御力 5

魔力  5

抵抗力 5

はやさ 5

運   50


【スキル】

異世界言語翻訳

アイテムボックス

鑑定Lv.6



【称号】

世界神レイナの友人



【加護】

世界神の加護





おお、称号と加護というのが増えてる。

これが、レイナがくれたものか。

どちらも世界神という名が付いているから、これがレイナがくれた物で間違いはないだろう。



「ありがとう。称号と加護が増えてたよ」



「喜んでくれて~私も嬉しいわ~」



「それじゃ~送るわね~。また来てくれると~嬉しいわ~」



レイナがそういうと、俺の意識が遠のいていく。

俺はレイナの顔をお見て。



「またな」



そして、意識を失った。






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