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他愛もない日常

周りを見れば白骨化した死体と廃墟の壁。

…なんでこんなことになったんだろう…


とある学園のある日の昼休み。

1人中庭をキョロキョロと周りを見渡す男子生徒がいた。

「山崎先輩!」

お目当ての人が見つかるとその人を目掛けて猪が突進するかの如く走り出す。

「山崎せんぱぁぁい!っ…!うわぁぁ!」

山崎と呼ばれた男子生徒が振り向けば目の前でこけている男子生徒。

そう、これが僕。

木下将平(きのしたしょうへい)

高校二年生。

身長はそこそこで顔も平凡そのもの。

運動神経は悪くないと思う。結構ドジるけど。

「大丈夫か?将平。」

優しく手を伸ばしてきてくれたのは山崎幸太(やまさきこうた)

僕のひとつ上の先輩。

休み時間や放課後、暇さえあればいつも一緒にいる。

「にしても、っ…ぷぷ…相変わらず派手なこけっぷりだな?あはっ…あはははっ!」

「そんなに笑わなくてもいいじゃないですか!」

山崎先輩が爆笑しているのを悔しげに見ていると僕の後ろから別の男子生徒が歩いてきた。

「…大丈夫か、将平。」

この人は山下聡(やましたさとし)

僕の同級生で、無口な人。

いつも俺の傍にいる。

「少し擦りむいちゃった…いたい…」

擦りむいた膝をポンポン叩いていると聡が絆創膏を差し出してきた。

何も言わないのは相変わらず。

僕はありがたく受け取ってその場にしゃがみこんだ。

「なに、あんたまたこけたの?なにやってんだか…」

「うるさい。姉ちゃんは見なくていいの。」

絆創膏を貼っていたらいきなり話しかけてきた女子生徒。

木下彩(きのしたあや)

僕のひとつ上の姉ちゃん。

山崎先輩のことが好きみたいで、僕がいつも一緒にいるのをいい事にしょっちゅう声をかけてくる。

「お、彩じゃん。調子どうだ?」

「あっ…山崎君!えっと…元気だよ?」

ま、照れ屋だからこんな調子だけど。

「顔赤くなってるぞ?熱でもあるんじゃないか?」

「えっ!?そんなことないよ?」

ワタワタし始めた姉ちゃんを見て、山崎先輩は自分のおでこに姉ちゃんのおでこをくっつけて体温を図ろうとする先輩もなかなか鈍いな…

2人していちゃついてるのをよそに立ち上がってこけた時についた制服の砂埃を払っていると遠くから叫び声が聞こえた。

「ちょっと先輩方!なに校内でいちゃついてるんですか?」

そう言って走ってきたのは田中悠花(たなか ゆうか)

オカルト大好き生徒会長だ。

「なっ!私達いちゃついてないよ!何言ってんだか悠花ちゃんは!」

姉ちゃんが必死に両手を前に出して否定している。その隣では山崎先輩は頬をポリポリ掻きながら赤くなっている。

「ちょっと、生徒会長、うるさいんだけど。」

どこから出てきたんだと言うようなタイミングでいつの間にかここにいた女子生徒。

荒井玲子(あらいりょうこ)

何かと委員長を敵視しており、噛み付いていく。

「またあなた?なんでいつもそうやって噛み付いてくるのよ。」

私は注意してるだけなのにと少しいじけてしまった委員長。

それを見てみんなして笑った。

いつもどおりの、何気ない日常。


僕達6人はいつも一緒に居て、毎日がすごい楽しくて充実している。

でも…もう少しで姉ちゃんと山崎先輩が卒業する。

そこで僕は思い出作りがしたいと思ったんだ。

「あのさ、みんな。もうちょっとで山崎先輩と姉ちゃんが卒業だから、何か思い出作りしない?」

そう。僕がこの一言を言わなければこのままみんなで仲良く学校生活を送れたんだ。

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