第二話「仲間と走る道」
戦場ではない。だが危険は至るところに潜んでいる。
街や辺境の任務で、新隊長は同じ志を持つ者を探した。
元隊長はいない。教本だけが頼りだ。
それでも、間合いを制し、足を止めず、判断して生き延びる——その思想に共鳴する者を仲間にする。
最初に声をかけたのは、かつて元隊長の戦いを目にした若手兵士だった。
「あなたと同じやり方を試してみたい」
次に加わったのは、投擲斧を器用に扱う女兵士。
「重い武器でも、間合いを作れれば使えるのね」
隊はまだ小さい。だがそれで十分だった。
元隊長の教本を読み返し、各自が自分の得意な武器を理解する。
ジャベリンを手に取る者、短槍を握る者、斧や弓を扱う者——全員が距離と間合いの管理を第一に考える。
初めての合同訓練。主人公が号令をかける。
「走れ。投げろ。突いて、拾え。間合いを守れ」
森の中、仲間たちは息を合わせ、動きながら攻撃する。
避けられても、焦る必要はない。狙うのは命中ではなく、敵の動きを止め、間合いを作ることだ。
半歩の前進、短槍の突き、そして回収——
小さな隊だが、すでに風走り隊の動きを体現していた。
元隊長はいない。だが、彼ら自身の判断で生き延びるための戦い方を作り出している。
夜、焚き火の周りで主人公は仲間たちを見渡した。
「今日、生き残ったのは俺たち自身だ」
誰も言葉を返さない。だがその沈黙に、互いの理解と信頼が宿っていた。
ここから、彼らの風走り隊は始まったのだ。




