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蛇眼破り第二部~おわらせるもの~  作者: 石笛 実乃里


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第五十五話 第十四章「魚御崎の漁師小屋」其の一

旅の四人と三匹——海堂(かいどう)(りゅう)()瑠璃(るり)親子、堅柳(けんりゅう)泰賀(たいが)(みさき)()(せい)(れい)、そして(かい)(りゅう)幼生(ようせい)としてのミズトカゲ、瑠璃と組みになった(りゅう)一丸(いちまる)、成礼の(りゅう)二丸(にまる)、泰雅の(りゅう)三丸(さんまる)——が(うお)御崎(みざき)にある海堂家の、屋敷(やしき)と呼んでいい広い家に着いたのは研究所を出た翌日の昼だった。

四人ともへとへとだった。

かりそめの(きり)領域(りょういき)を出てからトメの作ってくれた(にぎ)(めし)頬張(ほおば)って、その日の夕方には北街道(きたかいどう)沿いの(はた)()に着いた。

動いている霧の領域を抜け、しかもそこで(りゅう)(ちょう)に出会ったと旅籠に勤める人間に(りゅう)()が正直に言ったところ、かなりあからさまに嫌がられた。

まったく珍しくて(むずか)しい疫病(えきびょう)にかかったみたいだ、と龍治はぼやいた。

縁起が悪い、ということでしょうか、と岬野成礼が言った。

泰雅は常識が通じない霧の領域を忌み嫌う人の心を感じていた。

旅籠の人間をなんとか説得して泊まれるようになるや否や、ミズトカゲに夜をどうやって明けさせるか、という問題が出て来た。

旅籠の人間たちには北芹(きたせり)(がわ)の固有種であるミズトカゲを捕まえてなんとか育てようとしている、しかも霧の領域で龍鳥に会ったと主張する、かなりおかしな客だと思われてしまった。

けれども海龍つかいとその弟子たちは懸命に海龍の幼生たるミズトカゲのことを考えた。

餌の肉片と休息に関してはミズトカゲたちは十分摂っているようだった。

問題は為之(ための)(すけ)がくれた(つぼ)がミズトカゲたちにとって一晩過ごすのには小さ過ぎることだった。結局旅籠の勤め人に正直に理由を話して自分たちが持っているよりひと回り大きな壺を変な目で見られながらも三つ借り、そこに井戸水とミズトカゲたちを各々入れて一晩過ごさせることにした。

龍三丸は相変わらず一番おとなしかった。

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