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第三十八話 第十一章「母と息子」其の二
奈央は純太郎の肩を持つ両手の力を込めた。
「純太郎、」
奈央は言った。
「おまえの身が危なくなれば、いつでも邪鬼姫は現れる。ははうえのなかから」
「ほんとう?ぼくをたすけてくれるの?」
「ええ、本当よ。わたしもそれはかまわない。おまえのためだったら、ははうえはいつでも鬼になってみせる」
奈央はそう言うと純太郎をぐっと抱き寄せた。
純太郎はそれに応えるように力を抜いて何もしなかったが、やがて目を閉じたままぽつりと言った。
「ありがとう、じゃくひめ。ぼくとははうえをまもってくれて」
奈央は息子を抱いたまま、自分のなかで何かが溶けていくように感じていた。
ともに列島世界を旅してくださっているみなさま、
いつも本当にありがとうございます。
今回は実質「其の一」のあまりです。
ですから異例な短さになってしまいました。
心よりお詫び申し上げます。
それでも楽しんで読んで頂ければ幸いです。
それではこれからもよろしくお願いします。
作者・石笛 実乃里より。




