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蛇眼破り第二部~おわらせるもの~  作者: 石笛 実乃里


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第三十話 第十章「戦いのあと、それぞれ」其の四

ともかくかれら(かい)(りゅう)つかいの一団は小さな帆掛(ほか)(ぶね)に乗って大きな帆船である漁師の船に同行することになった。

海龍つかいの弟子は一番新入りの堅柳(けんりゅう)泰賀(たいが)こと田原(たわら)真一(しんいち)の上に三人いる。

一番上が先に述べた(みさき)()(せい)(れい)で、次の二人は兄弟であった。

名を山脇(やまわき)兄弟という。

寡黙(かもく)な兄の修一(しゅういち)と陽気でおしゃべりな弟の(しゅう)()であった。

二人とも兄弟子にあたる成礼となんとなく距離を置いているのがわかる。

これは成礼の決して性格は悪くないが他人を近付(ちかづ)(がた)い、真面目(まじめ)過ぎるような雰囲気も関係しているのかもしれなかった。

そういうこともあっていかにも人好きのする雰囲気の泰雅とかれら兄弟はすぐに打ち解けた。

かれらも海堂(かいどう)(りゅう)()が海龍つかいの技と経験をなかなか積ませてくれないことに関して、少なからず不満があるようだった。

かれらも弟子入りして半年以上経っていたが海堂龍治の妻の海堂真理(まり)指図(さしず)で一日中家事手伝いに追われていた。

あからさまに泰雅に不満をこぼす修二に兄の修一は

「文句を言うなよ。きっと龍治先生は俺たちを見ているんだ」

と言った。

修一の持論(じろん)というのはこうだった。

海堂龍治師匠は俺たちがいい年齢になるまで家事手伝い中心の生活を送らせるつもりだろう。

そして俺たちが後戻りのできない年齢になったところで改めて海龍つかいになりたい意志を確認する。

別の道を行きたいならすぐお別れだし、本気で海龍つかいになりたければそこで本当に全てを教えてくれる気ではなかろうか。どっちにしろこちらもここまで来たら後には引けない。だがむしろ海堂龍治はそういう状況を待ち望んでいるように自分には思える、とのことだった。

堅柳泰賀には正直海堂龍治がそこまで考えている風には見えなかった。

ただなんとなく弟子たちを放っておいて各々(おのおの)の性格を見ようとしているようにも見えた。

だが山脇兄弟は何があっても海龍つかいになるという(こころざし)を曲げるつもりは無さそうだったので反論するのも止めにしておいた。

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