プロローグ スキル《キング》は、栄光か、それとも死か。
「はぁ……働きたくねぇ……」
カップ麺の湯気を見つめながら、男。
**古賀 悠**はため息をついた。
45歳、無職、実家暮らし。夢も希望もやる気もない。
あるのは「楽して偉くなりたい」という、怠け者の野望だけだった。
「世の中、金だよ金。金さえあれば、王様にもなれるって」
そう言って、昼夜逆転の生活を繰り返す毎日。
だが、その日、彼の心臓は突然止まった。
バタンッ。
カップ麺のフタが静かに閉じたのが、彼の最期の音だった。
「おお、目覚めたか」
白い世界。目の前には金髪の男神が立っていた。
まばゆい光に包まれ、神は穏やかに笑う。
「汝の魂、異世界に転生する資格がある。何かひとつ、スキルを授けよう」
「スキル!? チート!? マジで!?」
悠の目が輝いた。
彼は即座にひざまずき、頭を地面に擦りつける。
「お願いします神様! 働かなくても偉くなれるスキルをください! 王様みたいなやつ! 楽してチヤホヤされるやつを!」
神は少し驚き、それから微笑んだ。
「……よかろう。ならば、汝に授けよう。スキル《キング》。この力、あらゆる“王”の資質を得るスキルなり」
「おおおお! やっぱ俺、選ばれたわ!」
歓喜に打ち震えながら、悠は光の中へと飛び込んだ。




